(228)山の火事はとにかく怖いので注意したいとあらためて思った

アウトドア

前回、『焚き火の本』を紹介し「今年は焚き火を楽しみたい」なんて書きましたが、まさにその記事を書いている最中に東京の青梅市で大きな火事がありました。年配の方が庭で焚き火をしていて、強風に煽られた飛び火が近所の建物や山林を焼いたのだそうです。

焚き火
※写真はイメージです

焚き火から火事が出るというのはよく聞く話ですが、僕もよく知っているエリアだけに他人事ではないと感じました。同日には栃木県の足柄市でも大きな火事が起こり、湿度が低く火災が起きやすいこの時期、山での火の扱いには本当に気をつけなければならないとあらためて思い知りました。


■お向かいの燻製小屋が焼けた話

実を言うと、うちの山小屋の近所ではこの十数年で二件の火事が起こっています。それも向かいと斜め向かいですからめちゃくちゃ近所です。

あの晩は夜遅くに友人と一緒に山小屋に到着し「なんだか変な臭いがするね」なんて話していたんですが、当時は外灯もなくまわりは真っ暗で何が起きたのかわかりませんでした。

翌朝起きてみるとお向かいの庭にあるはずの小屋が真っ黒な柱だけになっていました。そこで初めて僕らが到着する前に火事があったのだと知ったのでした。あとで聞いた話では、燻製小屋でベーコンを作っていてそのまま忘れてしまい火が出たんだそうです。

消防車
※写真はイメージです

消防車による消火やらで近所は大騒ぎだったんだとか。


■斜め向かいの薪小屋が焼けた話

斜め向かいで火事が起きたのは僕が山小屋に住んでいたころの話。

寒さ厳しい冬の夜、遠くから町内放送のアナウンスが聞こえてきました。「防災〇〇です。××町で火災が発生しました」的なやつです。

このアナウンス自体は珍しくないのでさして気にも留めなかったのですが、僕が住んでいる地名がアナウンスされたような気がして玄関ドアを開けてみると、夜なのに赤々と燃える炎が目に飛び込んできました。斜め向かいの家の薪小屋がメラメラと燃えているではありませんか!

見れば、お向かいのお母さんがバケツ片手に走ってくるところ。僕に気づくと大声で「火事! 火事! 水! 水!」と叫びました。僕も慌ててバケツを持って飛び出し、家の前の水道で水を汲んでは消火を手伝いました。

そのかいあってなんとか火が周囲の木々に燃え広がらないで済みました。消防車が到着したのは火が消えた後。もしお向かいや僕が気づかなかったら、そのまま火は燃え広がっていたでしょう。というか、うちの家にも火が燃え移って僕だって火災に巻き込まれていたかもしれません。そう考えると本当に怖い。

焼けた薪小屋

原因は焚き火の不始末。お住いの方は別荘として使っており、芋を焼いたあとにきちんと火の後始末をしないで帰宅してしまったそうです。

この2件の火事を目の当たりにしたおかげで僕も火の始末だけは気をつけようと心に誓ったのですが、その決意が年月を経て薄れかけていたのも事実。

今回の青梅の火事のニュースは、やっぱり山の火事は怖いという当たり前の事実を思い出させてくれました。焚き火もバーベキューも火の不始末だけは絶対に気をつけねばなりません。


■別荘所有者も油断せずに火災保険に加入すべし

さて、木造建築が中心の日本の法律では火事が起きても出火元に賠償責任を問うことはまずできません。風の強い日に庭で焚き火をやるという行為に「脇の甘さ」があることは否めませんが、そのていどでは燃え広がった火事の責任を負わされることはないのです。

となると、他人が起こした火事に巻き込まれて自宅が燃えても自分の保険を使うしかないのです。

つまり、別荘だからといって油断せず、しっかり火災保険に加入しましょうね、という話。

もともと我が家はそこそこの広さがあり、祖父も調子に乗って増築を繰り返した結果、ムダに広いいびつな家になってしまいました。火災保険は家の広さに比例するので保険料もけっこうお高め

火災保険料

一年あたり「56,120円」を支払っています。固定資産税が2万円ほどであるのとくらべるとけっこう高額なのですが、必要経費なので仕方ありません。

なお、火災保険では「洪水による浸水」や「土砂崩れ」「倒木」などによる被害も補償してくれるので、裏手に川と林がある我が家では水災や風災に備える意味でも大事だと思っています。

まあ、一昨年の台風19号(令和元年東日本台風)では、うちの被害は床下のみだったので補償を受けることはできなかったので保険が万能なわけではありませんが。

気候変動も年々激しくなっていますし、今後さらに強烈な台風がやってくることは十分ありえます。水災も火災も「備えあれば患いなし」だと思います。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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