(502)高さの異なるマットソンチェアを使いくらべて感じたこと

家具や雑貨

前回、フジタケワークスで張り替えてもらったブルーノ・マットソンのイージーチェアをご紹介しました。

実は、このチェアは一般的によく知られているタイプとは若干サイズや形状が異なります。

M-0551WB-NT

こちらが「M-0551WB-NT」(以下、「551」と略)という製品番号がつけられたポピュラーなタイプ。インテリアショップなどで見かけるマットソンチェアはこれが多いと思います。

M-0561WB-NT

一方、前回ご紹介したのは「M-0561WB-NT」(以下、「561」と略)。

ちがいというと肘掛けのクッションの有無にばかり目がいきますが、実は脚の形やサイズ、座面の高さや角度なども異なり、座り心地や使用感にもけっこうなちがいがあるのです。今回はこの両方を使いくらべて感じたことをまとめたいと思います(なお、ハイタイプの「M-0571WB-NT」は所有していないので末尾で少し触れるていどになりますので悪しからず)。


■正面から見た印象とサイズのちがい

まずはならべて正面から見比べてみましょう。

マットソンチェアを正面から比較

ごらんのとおり、左の「551」とくらべて右の「561」は座面が若干高く、幅も少し狭いように見えます。

採寸してみると、

座面幅の採寸

「551」は座面の幅が約60センチあるのに対し(オフィシャルデータでは620mm)、

座面幅の採寸

「561」は55センチほどしかありません(オフィシャルでは570mm)。

座面の高さはというと、

座面高の採寸

「551」は先端で35センチほどですが(オフィシャルデータでは370mm)、

座面高の採寸

「561」は先端で約39センチありました(オフィシャルでは415mm)。

見た目どおり、幅と高さに4~5センチのちがいがあることがわかります。


■横&背後から見た印象とサイズのちがい

続いては横から見てみます。

マットソンチェアを横から比較

最初に目につくのは肘掛けの形状でしょうか。「551」がシンプルなL字であるのに対し、「561」はマットソンらしい優雅なS字カーブを描く肘掛けにクッションがついています。脚の形も微妙にちがいますね。

背の高さを測ると、

背の高さの採寸

「551」は約65センチですが(オフィシャルデータでは680mm)、

背の高さの採寸

「561」は約71センチあります(オフィシャルでは735mm)。

マットソンチェアを背後から比較

うしろから眺めてみると、高さのちがいがはっきり感じ取れますね。


■テーブルと組み合わせると使用シーンの適性が明確に

見た目と寸法のちがいはそのまま座り心地のちがいに反映されています。

マットソンチェアの比較

「551」は座面の広さと低さゆえに、座ったときに沈み込むようなイージーチェアならではの座り心地が強く感じられます

片や「561」は座面がやや狭くて高いので、イージーチェアとしてのリラックス感は劣るものの、座った際の姿勢が「551」よりも前傾になるぶん、ふつうの椅子に近い座り方を兼ねられます

マットソンチェアの比較

座面と背面の角度については、パッと見で大きく異なる感じはしないのですが、座ったときの沈み込む感覚は見た目よりも大きくちがうと思います。

実際、立ち座りがおぼつかなくなってきたうちの父親(80代)は、「551」に座ったときは立ち上がるのに苦労していましたが、「561」ではそれほどでもありませんでした。

マットソンチェアとテーブル

このちがいはダイニングテーブルと組み合わせると、より明確になります(テーブルの高さは58センチと低めであることにご注意ください)。

以前にも書きましたが、

M-0551WB-NTとテーブル

「551」をテーブルと組み合わせると、低く沈み込んだ体が斜め上を向くので、やや卓上が遠く感じてしまいます。食事をするにも仕事をするにも体を起こして手を伸ばす必要があり、若干の使いづらさを感じるのです。

M-0561WB-NTとテーブル

その点、座面に高さがあり沈み込みの軽い「561」だとテーブルにムリなく手が届き、飲食にも不自由を感じません

窓辺に置いたM-0551WB-NT

当初、熱海の物件をリフォームしている最中は、窓辺はあくまで海を眺めるための場所として考え、テーブルを置くつもりはなかったので、座った際のリラックス感に秀でた「551」が最適でした。

M-0551WB-NTとテーブル

しかし、テーブルを置いて食事もできるようにすると不自由を感じるようになったのでした。

そんなとき、思い浮かんだのが使用感がふつうの椅子に近い「561」のほうを張り替えるというアイデアだったのです。

張り替え前のM-0561WB-NT
※張り替え前の「M-0561WB-NT」

破れや染みも目立つ「561」は状態的にもリニューアル向けでしたので渡りに船だったというわけ。

マットソンチェアとサファリチェア

前回もご紹介したとおり、張り替えた「561」はサファリチェアと一緒に窓辺に置いていますが、この二脚の組み合わせならば、座って海を眺めるのはもちろん、

マットソンチェアとサファリチェアとテーブル

テーブルと組み合わせて食事してもあまりムリは感じません。

「561」を張り替えて「551」と交換したのは正解だったと思っています。

マットソンチェアの比較

とまあ、こんな感じで細かいちがいをまとめてきましたが、結論としてはただただ座ってリラックスしたいのならば「551」、テーブルと組み合わせて食事や作業も兼ねたいなら「561」ということになりそうです。


■ハイタイプも含めて用途に合ったチェアを選ぼう

ちなみに、天童木工のマットソンシリーズには、もう一種類「M-0571WB-NT」(以下、「571」と略)というハイタイプが存在します。僕はこのタイプは所有していないので「Yahoo!ショッピング」のリンク画像でごらんください。

写真のとおり、座面が奥に向かって傾斜しているロータイプにくらべ、ハイタイプはほとんど傾斜がないのが特徴です。天童木工的には「551」をロータイプ、この「571」をハイタイプと位置付けているようです。

「571」の寸法図を見てみましょう(画像には「Yahoo!ショッピング」へのリンクが張ってあります)。

座面高は「385mm」で、「370mm」の「551」よりは高いものの、「415mm」の「561」よりは低め。ただし、座面の傾斜が平坦に近いため、「561」よりも「571」のほうがよりふつうの椅子のように使えそうに見えます。そのぶん座ったときのリラックス感は減じるはずなので、これも用途によって選ぶ分けるということになるのでしょうね。

「551」→「561」→「571」の順にリラックス感が薄れ、ふつうの椅子に近づいていく感じなのでしょうか。

M-0561WB-NTとテーブル

そう考えると「561」は両方の間を取ったような使い心地で、我が家のように「イージーチェアとしてもリビングダイニング用のチェアとしても使いたい」というわがままに応えてくれるチェアなのかなと思いました。

マットソンチェアを比較検討する材料になれば幸いです。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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