(501)フジタケワークスで天童木工のマットソンチェアを張り替えてもらった

お金のこと

あけましておめでとうございます。

熱海の夜明け

新年最初は椅子の張り替えの話から。

くどくど説明する前に、まずは張り替えが完了した姿からどうぞ。

張り替えたマットソンチェア

ふふ、いいでしょう?

プロに頼んだだけあって素晴らしい出来栄えです。

この椅子、以前もご紹介した天童木工のイージーチェア

ブルーノ・マットソンによってデザインされ「マルガリータ」という愛称でも知られているシリーズの一脚で「M-0561WB-NT」というタイプです。

今回は、こちらの椅子の張り替えの一部始終をまとめたいと思います。


■張り替え前は肘掛けが破れてボロボロだった

まずは張り替え前の状態をごらんください。

張り替え前のマットソンチェア

なんといっても目に付くのが肘掛けの損傷

破れた肘掛け

「M-0561WB-NT」は同シリーズの他のチェアとは異なり、肘掛けにクッションが付いているのが特徴なのですが、この部分のファブリックが破れてスポンジがむき出しになってしまっています。

この椅子、死んだ母親に頼まれてヤフオクで落札した中古品で、入手当時から肘掛けにやや難がありました。

入手当時の状態

もともとあった穴を甥っ子がむしって広げてしまい、先ほどのひどい状態になったというわけ。まあ、染み汚れもひどくて気になっていたし、張り替えを決めるきっかけになりました。


■張り替えにあたってのリクエスト

これまで秋田木工の剣持スツールのような簡単な椅子なら自分で張り替えてきましたが、こんな複雑なクッションの生地をDIYで加工するのは到底ムリ。

でも、どうやって椅子を張り替えてくれる業者さんを探せばいいのでしょうか?googleで「椅子 張替え」とかで検索?ちゃんとした業者さんが見つかるかちょっと不安ですね。

天童木工なら古い椅子の張り替えを受け付けていて「リペア(修理)に関するお問い合わせ」というページもあります。

【天童木工】リペア(修理)に関するお問い合わせ

製造元ですから安心感はありますが、メーカー指定の張地からしか生地を選べないので自由度が低いのが難点なのです。

実は、張り替えにあたっては「キャンバス生地で張り替えてみたい」という僕なりのリクエストがありました。

その理由は、これ。

窓辺に置かれたサファリチェア

熱海のマンションの窓辺に置いたコーア・クリントのサファリチェアです。

この椅子で用いられているのがキャンバス地なのです。

サファリチェアの座面のキャンバス生地

ザラリとしていて繊細すぎない質感が気に入っています。

サファリチェアとマットソンチェア

これまでは別のタイプのマットソンチェア(「M-0551WB-NT」)とならべて置いていたのですが、今回「M-0561WB-NT」をキャンバス生地で張り替えて、サファリチェアとならべて窓辺に置きたいと考えたのでした。


■張り替えはあきる野のフジタケワークスに依頼

そこで相談したのが、東京西部のあきる野市にある「FUJITAKE WORKS(フジタケワークス)」の藤武秀幸さん

藤武さんの仕事を初めて知ったのは、以前「日刊Sumai」で取材した「スミレアオイハウス」でした。

スミレアオイハウスの椅子

形の異なる椅子がどれも素敵な生地で張り替えられていました。手がけたのは山小屋からもそう遠くない場所にある工房だと聞いて、いつか機会があればと思っていました。

その後、D&Departmentの東京店でおこなわれた「わかりやすい椅子の張り替え」というイベントで藤武さんの話をうかがう機会なども経て、今回の相談となったのでした。

事前にメールで大まかな依頼を伝えたのち、マットソンチェアをクルマにのせて工房にうかがったのが10月後半のこと。

生地見本いろいろ

こちらの希望に沿った生地見本をいろいろと用意して迎えてくれました。

マットソンチェアは包まれるような座り心地が魅力のひとつですから、「キャンバス生地で張り替えるなんて変だ」と言われないかと心配していたのですが、そんなことはまったくなく、「座り心地がちょっと硬い感じになるかも」と注意点を挙げていただいたうえで僕のリクエストをいろいろ聞いてくれました。「椅子の張り替えは自由なんですよ」と言っていただき、背中を押してもらえたようで心強かったです。

OLTASのオリジナルリネン

さて、数あるサンプルの中でも一目で気に入ったのが「OLTAS」という日本のメーカーのオリジナルのリネン生地(L2538)でした。

生地見本と張り替え前の生地の比較

張り替え前の生地とくらべてみるとぎゅっと目が詰まっているのが感じられます。これならサファリチェアとならんだときに近い雰囲気が出そうだなと思いました。

生地見本をのせた張り替え前のチェア

とはいえ、生地サンプルを置いてみただけでは完成後の姿を想像することなんてできません。あとはプロに任せて仕上がりを待つことにしました。


■張り替え後の端正な仕上がりに感激する

12月の山小屋じまいまでに受け取りたいという僕の希望と、藤武さんのお仕事のスケジュールとをすりあわせ、12月のはじめに受け取ることになっていたのですが、11月の後半には藤武さんから仕上がった椅子の写真が送られてきました。

張替え後のマットソンチェア
※フジタケワークスさんからいただいた写真を転載しました

一目見た瞬間に鳥肌が立つくらい感動しました。

なんというか、いい意味で想像を裏切られたというか。

張替え後のクッション
※フジタケワークスさんからいただいた写真を転載しました

キャンバス地なんでもっとざっくりした感じになるかと思ったのですが、思ったよりも端正な風合いに驚いたのです。藤武さん曰く「リネン生地が硬かった為、ステッチなど少しオリジナルとは変えて製作」してくれたとのことで、そのへんも仕上がりの印象に影響を与えたのかもしれません。

写真を見て仕上がりへの不安はゼロになったので、あとは実物を手にするのが待ち遠しい日々でした。ウキウキして取りに行ったのが12月のはじめ。

張替え後のマットソンチェア

藤武さんも仕上がりには満足している様子で、自身がお持ちのマットソンのハイバックチェアもこれで張り替えようかなとおっしゃってました。

気になる座り心地ですが、実際に腰かけてみるとまったく問題なし。事前に言われていた生地の硬さも気にならず、マットソンの言う「「sit on」ではなく「sit in」」という包み込まれるような座り心地も損なわれておらず、大満足でした。

帰宅後、張り替え前との比較写真も撮ってみました。

張り替え前と張り替え後の比較

くたびれた生地と新しい生地という落差を差し引いても、生地のちがいでずいぶんと印象が変わるのが感じられると思います。人生で初めて椅子の張り替えを頼んだのですが、プロに依頼したかいがあったとしみじみ思いました。


■熱海でサファリチェアとならべてみると…

では、肝心のサファリチェアとの組み合わせはどうだったかというと、こんな感じ。

サファリチェアと張り替えたマットソンチェア

生地の質感がそろったせいか、以前よりも雰囲気に統一感が出たような気がします。

あらためて眺めてみると、

張り替えた生地

生地の質感、

張り替え後のボタン

ボタン、

張り替え後の肘掛け

肘掛けなど、どれを取っても素晴らしい仕上がりです。

張り替えたマットソンチェア

しばらくは熱海を訪れるたびに腰かけたり眺めたりしてニヤニヤする日々が続きそうです。


■張り替えにかかった費用は「64,350円」

最後にお金の話。

見積もり金額64,350円

張り替え価格は「64,350円(税込)」でした。

内訳としては以下のとおり。

  • 張替え作業代(補充込)「42,000円」
  • 生地代 3m使用「15,000円」
  • 生地送料「1,500円」
  • 消費税「5,850円」

個人的にはこの価格を払った価値は十分あったと感じていますが、「すでに持っている椅子を張り替えるだけでこんなにかかるの?」と思われる方もいるかもしれませんね。

もともとの椅子がヤフオクの中古で「26,883円(送料込)」だったのを考えると、実に本体の2倍以上の金額を張り替えに費やしたことになりますから、決して安くはない買い物です。

しかし、天童木工がホームページで公開している張り替えの目安を見てみても、

張り替え料金の目安
天童木工のホームページから引用しました

「43,000円~」という価格設定ですから、今回の費用も特別に高いわけではないのです。

むしろ、生地選びから相談できて、好きな張地で仕上げてもらった点を加味するとリーズナブルだったとすら感じます。

なお、生地のグレードは価格にモロに反映されるので高い生地を選ぶと費用は容赦なく高額になります。たとえば「クヴァドラ」や「ミナ ペルホネン」なんかを選ぶと、今回の見積もりに+3万とか4万とかいくんじゃないかと思います。このへんは要注意です。

張り替えたマットソンチェア

僕の場合でいうと、本体は「26,883円」、張り替えに「64,350円」使ったので、この椅子を手に入れるのに合計で「91,233円」使った計算になります。

参考までに挙げると、「M-0561WB-NT」を新品で購入したとすると、いちばんリーズナブルなグレードの生地(D)を選んで「140,800円(税込)」、高い生地なら「167,200円(税込)」します。中古で好きな生地にカスタマイズして「91,233円」なら悪くないと思うのですが、いかがでしょうか。

張り替えたマットソンチェア

なにより、中古の椅子を日々使いながら張り替えに思いをめぐらせておく準備期間があったからこそ、今回の張り替えにたどりつけたという思いもあって、結果としては非常に満足しています。

今回で張り替えの楽しみに目覚めてしまいました。また機会があれば別の椅子もお願いしたいなあ、なんて思ったりしています。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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