(13)ドア探しの旅1:まずはフラッシュドアを見てみよう
今回から数回にわたって室内ドアについて考えます。
ドアに代表される建具全般は、とにかくお金がかかる代表選手。
うちのマンションのリノベーションでは、こんな感じにクローゼットのトビラのような建具は省略してロールカーテンに換えたり、古い建具を塗装して済ませたりして、利便性をそこなわない範囲で予算を削減するようにしています。
新しいドアを設置する場合も、フラッシュ一択です。
フラッシュドアというのは、すごくざっくり言うと「骨組みに面材を貼ったタイプのドア」で、大手住設メーカーが扱う安価なドアの大半がこれにあたります。
本体とドア枠がセットで販売されていて、価格は安価。
設置も容易で、しかも軽くて使いやすい。
デザインや質感にこだわらなければ、フラッシュドアがもっとも実用的でしょう。
でも、今回の山小屋では、本物の木材でできたドアを採用したいと思いました。
きっかけは自宅の引き戸を木製の建具にしたこと。
日刊Sumaiの連載でも書きましたが、木の良さを実感しました。 しかし、引き戸にくらべて開き戸は設置の手間がかかり、費用も高いと言われます。
幸い、今回の山小屋では室内の建具はトイレのドア1枚だけ。
ならば、ちょっとぜいたくして本物の木製ドアを入れられるかもしれません。
よくよく考えてみると「木製ドアは高い」って言いますが「フラッシュドアとくらべてどれくらい高いのか」すら、僕は知りません。
あきらめるにしても、よく金額を確かめた上で断念したいと思いました。
しかし、そもそもフラッシュドアの価格がわからんという方もいらっしゃるでしょう。
今回は、言わずと知れた超大手、Lixil(リクシル)のドアを取り上げます。
うちのマンションでの導入例を見ながら、最新のフラッシュドアの質感と価格をごらんください。
価格も利便性もすばらしいフラッシュドアですが、近年はホワイト~ブラウン系の基本カラーに加え、カラーバリエーションも豊富になってきています。
たとえば、うちで導入したのはファミリーラインのパレットカラー(現ラシッサD)。
淡いブルーグレイの色合いが手塗り風に表現されています。
他にも、渋めのインテリアとマッチするヴィンティアというシリーズでは、かなり濃い目でつやのないブルーやグリーンといったカラーもラインナップされています。
どれも、ひと昔なら塗装屋さんにお願いしなければならないような色合いで、マーケティング力&商品開発力の凄さを思い知らされます。
木製ドアを選ぶにあたって参考にしたい「表面の質感」についても、昔の「木目調」建具から感じる「ニセモノ感」がかなり軽減されています。
こちらはヴィンティアの「チーク」。
昨年、うちの物件でシューズボックスに導入しました。
素人の写真で申し訳ありませんが、立体加工と木目のプリントの完成度が高く、少し離れたところから見ると「あれ?本物?」と見まごうようなクオリティです。
すごいね、Lixil!
ちなみに、このグレードのドアを一枚取り付けた場合の費用はこちら。
本体と設置費の合計でおよそ6万円。
うちでお願いした業者さんの見積もりですので、あくまで参考ていどにお考えください。
まずは、この金額が今回のドア探しの出発点になります。
ここにいくら上乗せすれば、木のドアが導入できるのか。
「今やフラッシュドアもここまで来てるぜ」ということで、この質感や色合いをしかと脳裏に焼き付け、次回は木製ドアを扱うショップを訪ねます。