(77)窓に設置するロートアイアンのサイズが合わない!
前回、2階のアクセントウォールにDIYで輸入壁紙を貼り、失敗してしまった話をしました。
でも、この壁についてはもっと大きなトラブルがありました。
今回は、窓に設置する予定だったロートアイアンのサイズが合わなくて困った話です。
当初からこの窓にはサンワカンパニー(sanwa company)で見つけた45センチ角のロートアイアンの窓グリルを設置するつもりだったので、施工会社にも窓枠のサイズを指定してお願いしていました。
「ロートアイアンとは何ぞや」ということについてはググっていただくとして、サンワカンパニー製のロートアイアンの素晴らしいところは、いわゆるヨーロピアンでクラシカルなデザインにとどまらない、さまざまなデザインをとりそろえているところです。
実物が気になるなら外苑前のショールームに足を運ぶことを勧めます。
(展示されているのは45センチ角ではないものが多いので、その点はご容赦ください)
まずは、クラシカルな雰囲気の「フローラル」から。
草花をあしらったデザインはヨーロッパ風ですね。
もうひとつ花をモチーフにしたのが「メリア」。
規則的な配置になると、少しシャープな印象になってきます。
これは「サークル」。
いわゆるロートアイアンという言葉から思い浮かべる古めかしい印象はまったくありません。
同じく幾何学的な模様の「ブオリ」。
これならモダンなインテリアにもマッチしそうです。
そして、僕が選んだ「ウェービー」。
波型の模様が「ノーチラス」とマッチすると思いました。
こんなふうに壁紙との組み合わせを考えるのも楽しいものです。
さて、問題が発覚したのは、壁紙が貼られるよりもだいぶ前。
大工さんによって小窓が設置され、壁紙の下地処理が済んだ頃です。
ロートアイアンが届いたので、試しに窓に仮置きしてみようと思いつき、窓にはめてみようとすると…
えっ……。
ロートアイアンが窓よりも大きい!
これにはあせるのを通り越して、血の気が引きました。
「ひょっとして窓のサイズを指定するのをまちがえたか」と。
あわてて自分が描いたリクエスト図を引っ張り出して確認すると、やはり窓の枠内のサイズはロートアイアンに合わせて45センチ角と指定していました。
こちらの落ち度ではないにせよ、致命的な誤りが生じてしまったのは事実。
あわてて工事会社のKさんに電話し、もろもろ事情を確認してもらうことになりました。
後日、現場を確認してくれた担当者からの説明はこうでした。
「窓枠のサイズを大工さんにまちがえて伝えてしまった」というのです。
なんてこった……。
本来なら窓枠の内側(青の部分)を45センチにしなければならないところを、窓枠自体も含めた幅(赤の部分)を45センチに設計してしまったというケアレスミスでした。
ひとまず事情は理解できましたが、気になるのは「どうリカバーするか」です。
なんせ、窓は外壁の加工も含めて造作済みです。
一方、ロートアイアンも45センチ角で枠までできあがった鉄製の製品。
これはヤバイのでは……。
担当者曰く、
「窓はもう作ってしまったので、やり直すのは難しいと思います」
うむ。
「できれば、ロートアイアンのほうを加工させていただけないでしょうか」
でも、これ、鉄製ですよ?
ちょっとやそっとで加工できるようには思えないんですが……。
「専門の業者に頼んで一度切断し、枠の長さを直してから再接合して塗装します」
つまり、
こういうことか。
「デザイン的にムリがでないようにしますので、なんとかこれでお願いできませんか」
こちらとしては、窓枠内にムリなく収まってくれさえすればいいと思ったのでOKを出しました。
ロートアイアンを業者さんに引き渡し、僕は僕でアイアン塗料を塗ったり壁紙を貼ったりして、この状態にたどりついたのです。
ようやくできたこの窓に、ロートアイアンは無事に設置できるのか。
やきもきしながら待っていましたが……
ある日、現場を訪れると、無事に設置されてました。
デザインも損なわれた印象がなく、元からこうだったと言われれば信じてしまうような出来ばえ。
なんか、心配して損したくらい。
しかし、よく直したもんだ。
マンションの工事でもたまに起こりますが、現場で発生したミステイクとそれに対する復旧を見るたびに感じるのは「工事業者のリカバー力はすごい」ということです。
もともと畑違いの業界から大家業に飛び込んだ身からすると、「こっちが図まで描いて指定してるのに、なんでまちがえるんだろう?」と素朴な疑問を感じることがわりと頻繁にあります。
しかし、おそらくその背景にあるのが「たいていのミステイクは現場でリカバーできちゃう」という現実なのでしょう。
わりと細かいことにうるさい自分からすると「ちゃんとダブルチェックとかしてミスがないようにしたほうがラクなんじゃないの?」とか思ったりするわけですが、業界的には「ミスったら直せばいいじゃん」的なムードが大勢を占めているんじゃないでしょうか。
結果オーライ的な世界観と言いましょうか。
まあ、それぞれの業界にはそれなりの歴史もあって成立していることを考えると、僕も郷に入っては郷に従うということで「結果オーライ」的精神で受け入れることにしています。
もちろん、ミスが起こってからの対応が迅速で丁寧だったことはポイント。
これがなければ、もろもろの修正作業を気持ちよく受け入れることはできなかったと思います。
でも、終わってから思うのは、
こういうデザインじゃなくてよかったよね、ということでした。
これ、ちょっと切ったり貼ったりじゃどうにもならないよね?
ま、それも現場でなんとかするような気もしなくはないですが。