(95)バーベキューで塊の肉を焼く【後編】「さあ、食べるぞ!」
焼いた肉はアルミホイルで包んで、じっくりと休ませます。
最低でも、焼いた時間と同じくらいは置きたいですね。
待ちきれずにすぐにカットしてしまうと…
こんなふうに肉汁が流れ出てしまいます。
見た目もビシャビシャになって残念です。
焼き時間よりも待ち時間のほうが大事かもしれませんね。
あせらず、じっくり待ちましょう。
このへんの理屈はローストビーフと同じではないでしょうか。
40分ほど焼いたので、40分(or more)は待ってから、アルミホイルから肉を取り出します。
ビジュアルのインパクトはありますが、真っ黒でとても美味しそうには見えません。
肉というよりは石?
でも、カットしてみると、
中はパサパサどころか、きれいなピンク色。
脂身が多めの肉だとこんな感じ。
口に入れると、肉汁のジューシーな旨味が楽しめます。
生っぽさはまったくなく、レアの焼き加減が苦手な方でも楽しめる火の通り具合。
もう少ししっかり火が入ったほうが良ければ、5~10分ほど炭火で焼く時間を長くするといいかもしれません。
肉は部位が同じでも形や脂の入り方が異なりますから、毎回、できあがりも異なります。
こんな感じのときもあれば、
こんな感じのときもありました。
幸いなことに落ち込むほど失敗したことはありません。
腕とか経験とかいうより、炭火の偉大さに拠るところが大きいのでしょう。
そういえば、味付けのことを書き忘れていました。
僕は、基本的には焼く前に肉の全面に塩コショウをしっかりめに振るようにしています。
ですが、もし忘れてしまったら、お皿に塩を取り、カットした肉をつけて食べても大丈夫です。
少しだけお醤油をつけるのもアクセントになっていいですね。
ちなみに、アルミホイルに包んだ肉は時間が経ってから食べるのも全然アリ。
写真は、バーベキューの翌日にカットしたお肉です。
肉が冷たくなっていることもあり、焼きたてのジューシーさは影をひそめますが、包んで寝かせたあいだに肉汁がしっかりと肉に戻っているので、場合によっては焼いてすぐより美味しく感じることも。
おすすめは、うすくカットして、
炊きたてのご飯を用意。
ここに薄切り肉をならべてステーキ丼にします。
しばらくすると白米の熱で固まったお肉の脂がじわりと溶け出してきます。
あとは、わさび醤油やバター醤油やニンニク醤油など、好みのたれをかけていただきましょう。
人によってはバーベキューよりこちらのほうが好みだという人もいるくらい。
やっぱり脂多めの肉はご飯に合わせるとちょうどいいバランスになるんだよなあ。
スケジュール的には、お昼に多めにお肉を焼いておいて一部は取って置いて、夕飯や翌日の昼ごはんにするという感じ。
せっかく手間をかけて炭火を熾すのですから、一度で二度分の楽しみを味わってしまうほうがお得感も出ます。
僕は山小屋の庭にある自作の炉を使いましたが、バーベキューセットでもやり方は同じ。
とくに高い道具を用意する必要もなく、そのへんのホームセンターで数千円で買えるもので問題ありません。
僕自身、高価なバーベキューセットを購入したことは一度もありません。
ただ、何度もバーベキューをやるのなら、網だけは太めでしっかりとしたものを選ぶと長持ちするのでいいかもしれません。
僕の場合、昔買ったセットに付属していた細い針金の網は数回でダメにしてしまい、あらためてホームセンターで1,000円ほどの網を購入しました。
ところが、こちらも数回の使用で歪みが出てきてしまいました。
最近は、網くらいは奮発して高めのものを買おうかと思い始めています。
狙っているのはこれ。
「スノーピーク(snow peak) 焼アミ Pro. M [3~4人用]」
サイズもうちの炉にピッタリだし、網が太くて丈夫そう。
来年はこれをゲットして、さらにバーベキューライフを満喫したいと目論んでいます。
そのときは使い心地等もリポートしたいと思います。
最後に。
ここで紹介した焼き方は、あくまで僕の自己流です。
焼き方については人によってそれぞれのやり方があるので、僕のやり方もあくまでそのひとつとして捉えていただければ幸いです。
僕が炭火焼を自分でやってみようと思い立ったのは、世田谷某所のイタリアンレストランで炭火焼のステーキを食べたときの衝撃がきっかけでした。
最近とある料理雑誌がそこの厨房の様子を紹介していましたが、炭火すれすれに肉を置いてじっくり焼いているんだとか。
ぜんぜん想像できないけど一度は試してみたい。
今後もいろいろ試しながら焼き方を改良していきたいと思っています。