(99)カライエとルームドライヤーを比較してわかった(地味な) ちがいをまとめます
既存の「ルームドライヤー」を新しい「カライエ」で置き換えたのが前回のお話。
背面の取り付け方法や排湿ホースの径などフォーマットにちがいがあるため、両者の置き換え設置は意外に大変だということがわかりました。
今回は、母屋に「ルームドライヤー」を移設し、両者を実際に使ってみて感じたちがいをまとめます。
「ルームドライヤー」と「カライエ」のちがいについては、「日刊Sumai」の連載でダイキンのショールームを取材した際にも書きましたが、実際に使ってみると新たに気づくこともいろいろありました。
【「ルームドライヤー」はタテ置き可だが「カライエ」はヨコ置きのみ】
母屋に「ルームドライヤー」を設置することになった経緯については、前回と前々回の原稿をお読みいただくとして、問題は設置場所です。
かつて床の間だった場所ですが、今はエアコンが設置され、下にはマンガ棚。
棚との兼ね合いもあり、マンガを一部片付けても、空けられるスペースはこれだけ。
これだと「ルームドライヤー」はタテに設置しなければなりません。
前回も書きましたが、後継機種の「カライエ」はヨコ位置にしか設置できません。
これが「ルームドライヤー」を「カライエ」で置き換える上でのポイントで、幅の狭い壁やスキマに「ルームドライヤー」を設置している方は「カライエ」に置き換えることはできないので注意が必要です。
では、業者さんに設置してもらったところをダイジェストで。
まず、「ルームドライヤー」を引っかけるためのネジを2つ打ってもらいました。
排湿ホースが通る穴を室内側に開け、
外壁からも穴を開けます。
うちの母屋は木造ですが、それでも古いモルタルは穴を開けるのがなかなか大変なんだそうで。
これがくり抜かれた外壁。
う~ん、これは素人じゃできない感じがする。
ちなみに鉄筋マンションにこういう穴を開ける場合、専門の穴開け業者さんを呼ばなければならないということでハードルはさらに上がります。
分譲の場合は規約の関係で穴を開けることすら叶わない場合もあるので、よく検討してから考えましょう。
穴が開いたら、ホースを通しつつ本体をネジに引っかけて固定します。
前回も書いたとおり、「カライエ」の場合は、エアコンのように据付板を固定してから本体を設置します。
上下をネジで留めることもあり、安定感は「カライエ」のほうが上でしょう。
外壁に出たホースにカバーを付けたら完成。
問題なく動作し、室内の湿度も改善されました。
【本体とリモコンのデザイン(と分かりやすさ)のちがい】
では、「ルームドライヤー」と「カライエ」の違いについて具体的に書いていきます。
まずはデザインですね。
やや時代を感じさせる「ルームドライヤー」にくらべ、
シンプルでムダのないデザインの「カライエ」は洗練された印象を与えます。
山小屋にはエアコンも設置していますが、こうやってならべてみても、テイストがそろいますから「ルームドライヤー」よりも統一感が出ます。
リモコンも同様。
左が「カライエ」の、右が「ルームドライヤー」のリモコン。
本体ほどではないものの、やはり「カライエ」のほうがモダンですね。
「カライエ」にはリモコン用ホルダーも付属していますので、
こんな感じで本体の横にならべて置いておけます。
エアコンとちがい、リモコンを操作することの少ない機械ですから、こういう定位置があるほうがはるかに便利です。
こういう点はさすがに後継機種ですね。
でも、今風に洗練されたデザインのせいで、以前のユーザーにはちょっぴりわかりにくくなった点もあります。
さあ、停止するとき、どれを押すでしょう?
正解はここ。
パソコンの始動でおなじみのマークです。
「ルームドライヤー」と同じように「自動」ボタンなどを押しても運転できることを考えると、機能が重複するボタンが存在するとも言え、以前からのユーザーとしてはやや混乱する側面もあります。
ただ、このボタンで「運転」と「停止」の基本的な操作が完結できるので、初めての人にはわかりやすいのかもしれません。
始動マーク、カッコいいけど「運転/停止」でもよかった気もする……。
本体の表記もおしゃれな分、直感的には少しわかりづらくなりました。
「ルームドライヤー」が
このとおり一目で運転状況がわかる本体表記だったのに対し、「カライエ」はこう。
パッと見ではわかりませんよね。
説明書によると、こういうことだそうです。
運転モードが色で判別できたり、タイマーが働いているところが可視化されたりした点は進化したところなのですが、直感的なわかりやすさは減りました。
まあ、複雑な機械じゃないので大して困らないのですけど。
【肝心の性能面の違いはマイナーチェンジレベル】
では、性能面での違いはどうでしょうか?
「室内の湿気を外に排出する」という基本機能については劇的な進歩は感じられません。
こちらが「ルームドライヤー」の説明書に記載されている仕様で、
こちらが「カライエ」の仕様。
動作音や電気代については「カライエ」のほうが若干パフォーマンスが良いのですが、それも体感できるレベルではありません。
でも、それは決してネガティブな話ではなく、もともとの「ルームドライヤー」がすでに完成された機械だったということ。
一度は生産中止になった「ルームドライヤー」が再生産されるにあたり、機能やデザインがマイナーチェンジされたと理解するべきでしょう。
その意味では、「ルームドライヤー」では「自動運転(通常運転)」と「パワフル運転」の2種しかなかったモードが、「自動運転(通常運転)」、「ひかえめ自動運転」、「パワフル自動運転」、「ターボ運転」の4種に増えました。
湿気が少ない春先や秋冬には「ひかえめ自動運転」を、部屋の湿度にかかわらず徹底的な除湿をおこないたいときには「ターボ運転」を駆使することで、より細やかな調湿ができるようになった点は便利です。
僕のように冬季は別荘を閉めてしまう場合だと、「ひかえめ自動運転」で電気代を節約することができるのはありがたいですね。
そして、性能面でひとつ決定的に改善された点が運転状況を遠隔で確認できる「遠隔監視」機能が備わっていることです。
「おお、すげえじゃん!」と思うのですが、導入のハードルが高いのが苦しいところで。
必要になるのが「別売」の無線LANアダプター(BRP087A42)。
これを本体に組み込むことで、専用のアプリによる動作状況の確認ができるようになります。
以前、エアコンの遠隔操作について書きましたが、あれと同じです。
本体に何らかの異常が発生した場合、アプリに通知が来るということで、別荘を管理する者には大変ありがたい機能。
が。
このアダプター、19年11月時点で、12,000円ほど。
専門業者による設置費も含めて考えると2万は予算を見る必要があります。
しかも。
できるのはあくまで「遠隔監視」のみで、操作はできません。
たとえば、「ひかえめ運転に切り替えるのを忘れちゃったから、アプリで運転モードを変えよう」なんてことはできないのです。
運転状況の確認のためだけにこの追加予算を割ける人はあまりいないのではないでしょうか。
僕も当面のあいだは導入の予定はないかな。
とまあ、重箱の隅をつつくような細かい比較をいたしましたが、それも僕が「ルームドライヤー」と「カライエ」を愛用していればこそ。
このブログではたびたび書いてきましたが、あえて繰り返します。
別荘の湿気対策なら「カライエ」(「ルームドライヤー」)がベストな選択です!