(162)冷凍庫と電子レンジをあきらめてペルチェ式冷蔵庫と電気ケトルを設置した
僕たちの日常はたくさんの家電に囲まれて成り立っています。
でも、非日常である別荘でどれだけの家電が必要かは、また別の話。
とくにうちのような小さな小さな山小屋では、不要な家電を上手に見極めることが限られたスペースを有効活用することにつながります。
我が家で収納に充てられるのは階段下のスペースだけ。
今回はここに設置した冷蔵庫と電気ケトルの話をいたします。
過去の計画メモを振り返ると、いちばん最初のスケッチはこんな感じでした。
冷蔵庫、電子レンジ、ケトルをマストアイテムと考え、残りの場所に何を置くかという考え方です。
ゴミ箱や使用済みのタオルを入れる密閉ボックスなどを置こうと考えたこともありましたが、
前々回ご紹介したとおり、洗面ではタオルは使わず使い捨てペーパータオルを置き、ゴミ箱も洗面下だけに置くことに決めたので不要になりました。
完成が近づくにつれ、家電の取捨選択の考え方も徐々に変化していきました。
ポイントとなったのが「キッチンのない家でどこまで飲食が可能な環境を準備するか」です。
迷ったのが冷蔵庫のチョイスです。
当初は、冷凍庫付きでなるべくコンパクトな冷蔵庫を購入するつもりでした。
冷凍食品をストックしておけば小腹が空いたときに電子レンジで温かい食べ物が食べられます。
しかし、家電を置く主要なスペースが階段下の空間だけであることを考慮すると、冷凍庫付きの冷蔵庫はいささかオーバーサイズではないかと思えてきたのです。
冷凍庫をあきらめるなら電子レンジだっていらないかもしれません。
こうやって「いるかいらないか微妙なもの」をそぎ落とすと、家ってずいぶんすっきりするものです。
そこで冷凍庫なしの冷蔵庫を探してみると、これがなかなか魅力的に思えてきました。
ポイントなのは「ペルチェ式」が選択可能になるということ。
ごぞんじない方に簡単に説明すると、たいていの家庭用冷蔵庫はコンプレッサー式の冷蔵庫で「しっかり冷えるが「ブーーーン」という低い動作音がうるさい」のに対し、ペルチェ式の冷蔵庫は「冷却温度は弱いが、動作音が静かである」という特徴があります。
どういう原理の差があるかは素人の僕にはわかりかねますが、よくホテルなんかで見かける冷蔵庫はたいていペルチェ式だとわかりました。
冷却力が弱いため氷を作ったりアイスを保管したりできるほど庫内の温度を下げることはできないのですが、飲み物を冷やすていどなら問題なし。
うちの山小屋はとにかく狭いので、冷蔵庫の動作音がうるさいと寝ているときに気になったりするかもしれませんから「ペルチェ式を選ぶほうがいい」と積極的に思うようになりました。
電子レンジを置く場合とはちがって全体的に低く収まるので、圧迫感も感じずに済みそうです。
最初のプランでは忘れていたガスヒーターの置き場所も問題なく確保できます。
このプランでいこうと決め、選んだのがこちらの冷蔵庫。
電子冷蔵庫「冷庫さん」です。
僕がAmazonで購入したときは「12,800円」でした。
パッケージのサイズ表記を見ると超コンパクト。
奥行48センチ、横幅43センチ、高さ51センチ。
重さも13.5キログラムと軽量で、冷蔵庫なのに一人で簡単に持ち運べます。
設置してみるとコンパクトさが実感できます。
高さは膝くらいまでしかありません。
肝心の容量は48リットル。
広いとは言えませんが、一泊分のパットボトルやサンドイッチなどをしまうていどなら十分な広さです。
電源を入れた感じでは動作音は静かですが、念のため「防振パット」を冷蔵庫の下に敷くことにしました。
トラスコ(TRUSCO)の「防振パット」です。
これをカットして、
四等分しました。
冷蔵庫の脚はアジャスターも付いているので、これで微調整しつつ、
脚の下にパットを置きました。
ただでさえ静かな動作音がますます静かに。
これなら滞在中の邪魔になることもないでしょう。
コンパクトなペルチェ式の冷蔵庫を選んだ結果、駅前のコンビニで弁当を買って山小屋で温めて食べる、といったことはできなくなってしまいました。
代わりに温かいものを食べる手段として電子ケトルに活躍してもらうことにしましょう。
「あっというまにすぐに沸く」でおなじみの「ティファール(T-fal)」。
「ジャスティン プラス」というシンプルモデルです。
僕の自宅では、温度調整のできるハイエンドモデルを使っていることは以前「日刊Sumai」の連載で書きました。
この温度設定機能はいろんな種類のお茶を飲む我が家的にはめちゃくちゃ便利な機能なのですが、この山小屋ではお湯が沸けば十分。
機能よりも決め手は「カカオブラック」というカラーでした。
今回の山小屋にいわゆる「白物家電」的なカラーリングは入れたくありません。
先の冷蔵庫もそうですが、家電ゾーンはなるべくブラック系でまとめたいと思います。
冷蔵庫の上に直接ケトルを置くのもはばかられるので、こちらも購入。
いわゆる「レンジ上ラック」です。
キッチンの便利ツールをラインナップした山崎実業のtower(タワー)シリーズのひとつです。
パッケージによると、本来はこんなふうに電子レンジの上に置きますが、
山小屋では冷蔵庫の上に置きました。
この上に「ティファール」をセット。
このラックのおかげで、ティッシュペーパーなどを収納するスペースができたのも助かりました。
次回は、山小屋にどんな食品を準備するか検討します。