(173)シャークのエヴォパワーはスモールハウスのための掃除機である
ふだん管理人が常駐しない山小屋では、メンテナンスを上手におこなうことが重要です。
そのためにはゲストのみなさんの協力も欠かせません。
飲食の際の食べこぼしの掃除や帰宅前の簡単な清掃などは、できるかぎり宿泊者ご自身でおこなっていただくようお願いしています。
なるべく掃除がストレスにならないようにと購入したのがこちらの掃除機。
ハンディクリーナー「エヴォパワー」(EVOPOWER)の「W10」というモデルです。
日本では「シャーク(shark)」の名で知られるアメリカのメーカー「shark ninja」社の製品。
以前、日刊Sumaiの連載でもご紹介しましたが、
このときは山小屋に置く前の試用のレビューでした。
今回は実際に山小屋で使ってみた感想を中心にご紹介したいと思います。
コンパクトでスッキリとしたデザイン
僕はふだん世田谷の自宅ではマキタ(makita)の「CL100DW」を愛用しています。
だいぶ前に妻が気に入って購入したのですが、コードレスで扱いやすいおかげで掃除がおっくうだった僕もまめに掃除する習慣がつきました。
家電選びで生活習慣も変わるんだなと実感したものです。
そんなわけで山小屋にもマキタを置こうと考えていたのですが、掃除機の設置を考えていた階段下のスペースは狭くて空きがありません。
さらにコンパクトな掃除機はないかと探したところ、出会ったのがシャークの「エヴォパワー」でした。
手に持ってこのサイズは、いわゆるハンディクリーナーの部類。
マキタとくらべるとこのちがい。
ノズルを取ってくらべても、胴回りのちがいが明白です。
クレイドルに置いたときのシンプルな収まりもグッド。
あまりに小さいので、本棚の横の空きスペースに収まりました。
本棚とならぶとコンパクトさが際立ちます。
デザインも「掃除機感」のないシンプルさなので、目に入りやすい場所に置いても目障りでないのもうれしいです。
スリムなボディでスキマや高所の掃除がラク
使うときも簡単。
さっと持ち上げて、スイッチをオンするだけ。
ゴミが気になったらすぐに掃除できます。
ノズルが短いせいか、吸い取りパワーも十分パワフルです。
細身のボディのおかげで使い心地も抜群。
隅やスキマがすいすい掃除できます。
窓枠を掃除したり、
家具のスキマを掃除したり、
マキタならぶつかって掃除できないようなところも、エヴォパワーならスッと入ります。
しかも、ボディが軽いのでちょっと高い場所も簡単に掃除できますし、
二階の柱の上も軽々と掃除できます。
この機動力こそ「エヴォパワー」の最大の長所だと思います。
デカいことが美徳なアメリカ(偏見)でこんな商品が開発されたことが驚きです。
短所は長所:広い場所の掃除には難あり
しかし、長所は短所にもなってしまいます。
「エヴォパワー」は広い平面の掃除が不得意。
吸い込み口が小さいので、まんべんなくゴミを吸い取るには時間がかかります。
しかも、コンパクトなボディのため、床のゴミを吸うにはどうしても姿勢が前かがみにならざるをえません。
これが長時間続くと、膝や腰に負担がかかります。
体力の衰えを意識せざるをえない中年には厳しいところです。
この点はノーマルな掃除機よりも劣る点と言えるでしょう。
ただ、うちの山小屋のように屋根裏部屋のようなスペースではもともと中腰にならざるをえないのでちょうどいいとも言えますが。
さて、「エヴォパワー」で広い面を掃除したい場合、延長ノズルが付属したモデルを購入すれば、ふつうの掃除機のように使うこともできます(画像をクリックするとyahooショッピングのサイトに飛びます)。
しかし、個人的には不要であると感じます。
「エヴォパワー」の良さはシンプル&コンパクト。
もし延長ノズルをつければ収納時にかさばってしまい、ふつうの掃除機と大差なくなってしまい、せっかくのデザインやコンパクトさが損なわれます。
延長ノズルを別に収納するという考え方もありますが、サッと使える機動力が損なわれますし、やはり要らないかな。
ダストカップは小さいがゴミ捨てはワンタッチ
「エヴォパワー」のコンパクトさは、ダストカップのコンパクトさも意味します。
ごらんのとおりの小ささ。
まめに掃除していたら、あっというまに満杯になってしまうかもしれません。
スリムな胴回りゆえのデメリットと言えるでしょう。
その意味では、ゴミの集塵量は胴回りが太いマキタの掃除機に軍配が上がります。
とはいえ、ワンタッチでゴミ捨てができるので困りません。
ゴミ箱の上に持ってきて
スイッチを押すと、
ゴミパックがパカッと開き、ゴミが落下します。
ゴミに触らずに捨てることができ、衛生的です。
掃除が面倒だなと思う人にとってはうれしい工夫だと思います。
使用時だけでなく、ゴミ捨て時にも手間がかからないことで、掃除への心理的ハードルが下がるので、結果的にまめに掃除する習慣がつくかもしれません。
このように「エヴォパワー」は得手不得手が明確な掃除機ですが、我が山小屋のようなスモールハウスにおいてはメイン掃除機として十分活躍できると実感しています。
広い面の掃除には向きませんが狭い家ではほとんど気になりませんし、掃除時間が短ければバッテリーが切れることもないでしょう。
では、広い家には絶対に不向きかというとそうでもなく、セカンド掃除機的な立ち位置ならアリだと思います。
思いつきですが、ふだんはルンバに広い平面を掃除させ、気がついたときにはエヴォパワーで細かい掃除をする、なんて使い分けをすると効率的に掃除ができるような気がします。
バリエーション豊富だが、シンプルなW20(W25)で十分か
最後に、お値段とモデルごとのちがいについて。
我が家に置いてある「エヴォパワー」は、W10というバッテリー内蔵モデル。
シャークの中では最安値のモデルですが、現在はこのタイプは生産が終了している模様です。
現行の最安値モデルは、うちの実家でも使用しているW20というバッテリー交換型のモデル。
購入当時はW10よりも気持ちお高いくらいの価格だったと記憶しています。
マキタの掃除機と同じくらいの価格帯。
どちらか悩んでいるなら、掃除する場所や掃除頻度、置き場所などを考えて、自分にどちらが必要か考えて選ぶといいでしょう。
ちなみに、シャーク的にイチオシは、W20に交換バッテリーがひとつ余計に付属しているW30というモデルのようです。
正直、狭い家で「エヴォパワー」を使っているとバッテリーに困ることはないので、スモールハウスなら交換バッテリーはいらないと思います。
というか、バッテリーの持続時間を重視するなら、もうちょっと大型の掃除機を選ぶほうがいいのではないでしょうか。
なお、現在、W20とW30には、それぞれマイナーチェンジを施した最新モデルW25とW35が出ています。
残量バッテリーが一目でわかるという便利な機能がついていますが、わざわざ買い替えたりするほどではないと感じます。
先述したとおり、延長ノズル付属の製品も。
個人的には、このタイプを選ぶくらいならマキタのほうがコストパフォーマンスに優れると思っています。
結論としては、余計なオプションも予備バッテリーも付属しない、いちばんシンプルでリーズナブルなW20(W25)がベストではないでしょうか。