(203)天井を撤去するなら鉄筋マンションと木造戸建てのちがいに注意すべし

別荘管理&修繕

前回でキッチンの内装のDIYが終了しました。

いろいろありましたが、壁に張ったタイルを中心になかなかよく仕上がったと思います。

DIY完了したキッチン

部屋の一か所だけがきれいになると、以前は気にならなかった周辺部分が目に付くようになるもの。

妻から「床とか天井もやったほうがいいんじゃない?」という指摘を受けたのは前回も書いたとおりです。

幸い、今回はDIYに割く期間を長めに設定しておいたおかげでスケジュールに余裕がありました。

最初に作業しようと決めたのが天井です。

壁や床とくらべて天井は後から手を加えるのが大変な部分なので、キッチン本体設置前に作業を終えたかったのです。

作業前はこんな感じです。

既存の天井

今から10年以上前、もともとはいわゆる和室の天井だったところに壁紙を貼りました。 貼ったのはアサヒペンの「天井用パネルカベ紙」。

まったく同じ製品かどうかわかりませんが、現在でも後継商品が流通しているようです。

ロールになっているものとちがい、30センチ角の正方形なので1枚ずつ貼ることができて簡単DIYには最適なのですが、10年の時を経て少しづつ剥がれが目立つようになってきました。

壁紙の端の剥がれ

長期間が経過すると端がめくれてきてしまうのは壁紙の宿命なので仕方ないのですが、残念な見た目はやはり気になります。

ちなみに、壁紙を貼る前の天井はというと。

和天井

これは別の部屋の天井ですが、材質や形状はほぼ同じです。

いわゆる「和天井」と呼ばれる日本家屋によく見られる天井です。

我が家の場合、薄い天井板に木目状のシートが貼りつけてあるため「なんちゃって木材感」が漂っているので、なんとか上手にリメイクしたいところです。

その際にポイントとなるのは和天井の「薄さ」

下から壁を押してみるとベコベコとたわむのがわかるくらいです。

天井裏をのぞいてみると、その理由がわかります。

天井裏

ごらんのとおり、梁から天井板が吊るされている構造ですから、人が乗れるような強度はありません

巷の噂では猫が突き破って落ちてきたなんてことも聞くくらいです。

天井裏

いっそ天井を取っ払ってしまい、梁や柱が見える状態にしようかとも考えました。

僕が管理している世田谷のマンションではリノベーション時に既存の天井を撤去することが多いのです。

天井撤去後のマンション

構造部分に埋め込まれたボルト穴で、天井が吊るされていました。

これらをすべて撤去し、もともとの構造部分であるコンクリートの天井を露出させ、配管部分なども見えるようにします。

天井撤去後のマンション

「躯体あらわし」とか呼ばれるやり方ですね。

コンクリートのままで仕上げてしまうことも多いですが、うちのマンションでは壁と一緒に白のペンキで塗装してもらっています。

躯体あらわしの室内

ひと昔前なら配管などは隠して当たり前でしたが、現在は配管を「あえて」見せることでインテリアのアクセントにする物件も多いのではないでしょうか。

もともと天井を吊っていたボルト穴には丸型のアイボルトを設置して、グリーンを下げたり、

天井からグリーンを下げる

ハンモックを吊るしたりすることもできます。

天井からハンモックを下げる

躯体に直接ボルトを設置しているので強度も抜群。

天井に数か所フックがあるだけでインテリアの自由度も広がり、入居者さんには大変好評なのです。

また、古い天井を取り除くことで天井が高くなり、開放感がアップするメリットもあります。

マンションのケースでは、たった20センチほど天井が高くなっただけですが、それでも印象は大きく変わります。

山小屋のように人がかがめるくらいの屋根裏ならば、高いところでは1メートル近く天井が上がることになります。

天井裏

このぶんだけ部屋が広くなれば、まるで別の場所のような開放感が得られるはずです。

なんて想像をめぐらせていると、青梅のパン屋さん「noco」を思い出しました。

青梅「noco」の店内

天井が高くてとても居心地が良い空間で、ついつい長居をしてしまいます(2020年12月現在、コロナの影響でカフェは休止中)。

天井を撤去すれば、我が家もこんな広々としたキッチンダイニングになるかも。

これは面白そうだと知り合いの工事業者さんに相談してみたのですが、返事は芳しくないものでした。

かいつまんで言うと、「天井の撤去は技術的には可能。でも、夏は日光の熱がダイレクトに室内に伝わってきてしまうし、冬は暖かい空気が部屋の天井に逃げてしまう。冷暖房の効率が悪くなり、光熱費も高くなるだろう」とのこと。

なるほど、冷暖房の問題か。

避暑地ですから夏の暑さはガマンできるとしても、困るのは寒さです。

ただでさえ寒い山小屋がこれ以上寒くなってしまったら、冬どころか春や秋も遊びに来づらくなるでしょう。

それではキッチンを新しくする意味も半減してしまいます。

もちろん、しっかり屋根裏を断熱すれば外からの暑さ寒さはかなり抑えられるようですし、サーキュレーターなどを駆使して暖かい空気を床に送る工夫をすれば暖房効率は向上できそうです。

でも、そこまでやるとなると、かなりの費用と手間がかかります。

天井裏

もともと人に見られない前提で工事されているので、隣室との境界部分や電気配線などを整える作業だって必要になります。

さまざまな業者さんが関わる大がかりな工事になり、とても「キッチンをDIYしたついでにやる工事」の範疇には収まらなくなります。

残念ですが、天井の撤去はあきらめることにしました。

既存の天井

では、この壁紙が剥がれかけた天井をどうすればよいのでしょうか?

今後もますます剥がれてくると思われる以上、上から塗装という選択肢はありえません。

かといって、天井の強度を考えると、木材などを上から貼ることができるかは怪しいです。

可能かもしれませんが、DIYで適当にやって後から剥がれてきたりしたら目も当てられません。

う~ん、どうしようかな……まあ、剥がしてから考えるか。

天井の壁紙を剥がす

天井の壁紙をビリビリ剥がし始めてしまったのですが、これが今回の工事でいちばんの苦行となるのでした。

次回に続く。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営。 『日刊Sumai』(扶桑社)で「なんでも大家日記@世田谷」を連載中。 https://s...

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