(244)洗面にモザイクタイルをDIY【後編】~黒の目地を入れる
世田谷のマンションの一室が空室になったので、洗面のニッチにモザイクタイルを張ってリニューアルしています。
前回は平田タイルの「クローシェマーブル」をボンドで接着しました。
気温や湿度にもよりますが、一晩待てばボンドは乾きます。
今日はここに目地を入れる作業をおこないます。養生が不十分な部分は修正してあります。
使用する道具はこちら。
左上から①雑巾②ボウルとヘラ③計量カップ④目地材⑤カラーパウダー⑥ビニール手袋⑦スポンジ⑧キッチンペーパー。
作業に入る前に目地の色について考えます。 以前、山小屋の離れに同じタイルを張ったときはこんな感じでした。
十分きれいな仕上がりですが、グレーが思ったよりも薄くなってしまい、せっかくのヘリンボーン模様がいまひとつ際立たない結果になってしまいました。できればもう少し濃い目に仕上げたかったという気持ちがありまして。
これは目地を入れた直後で乾いて色が浅くなる前の写真ですが、ほんとはこれくらいの濃さに仕上げたかったんですよ。
というわけで、今回はしっかりダークグレー、いや、ブラックの目地を目指してこんな目地材を用意してみました。
右がダークグレー色の目地材。左はセメントに着色するためのカラーパウダー(色粉)のブラック(ともにトーヨーマテラン製)。ダークグレーの目地に黒のパウダーを混ぜてしっかりと濃い目の目地を作ろうというわけです。
目地材をどれだけ使うかですが「幅35センチ×高さ28センチ=約0.1平米」と小さな施工面積ですから、一袋500グラムではちょっと多すぎるくらいです。でも、目地量についてはこれまで何度か足りなくなるという失敗をしてきたのであえて一袋まるまる使います。
カラーパウダーの量ですが強度の問題で全体の10%にとどめなければなりません。最大量の50グラムを加えます。
色ムラがなくなるまで入念に混ぜましょう。
目地材の袋に書かれている分量の水を入れ、
粉と水が一体となるまでしっかり練ります。
けっこう固めに練りあがりました。先日、キッチンの壁の目地入れで痛恨の失敗をした際は、今思うと目地材がちょっとゆるすぎた気がします。毎回、分量どおりの水を入れてるはずなんだけど……。
ゴムベラでタイルのスキマに押し入れるように力強く塗りつけます。
目地が狭いせいもあってけっこう力が要ります。
隅まで塗り広げていきましょう。
いちばん端はゴムベラでは塗りにくいです。
今回は我流を避けるため手で直接目地を入れることはしなかったのですが、ここばかりは指先を使ったほうがラクでした。
全体に目地が行き渡ったら、タイル表面についた余分な目地材を削り取っていきます。
少しずつヘリンボーン柄が見えてきました。
ゴムベラではこれくらいが限度か。
次は水を含ませて絞ったスポンジで表面をふきます。
目地材が溶けて黒くなると見た目的に作業が後退したような錯覚を覚えますが、ひるまず続けます。スポンジはすぐに目地材で真っ黒になるので、水洗いしたり別のスポンジに交換したりすることをおすすめします。
スポンジによるふき取り終了後。なんだかあまり進んでいない感じがしますが、ヘラで削り取ったときにくらべるとタイルの輪郭が見えているのがわかるはず。
今度はよくしぼった雑巾で表面をふきます。
だんだんタイルがはっきりしてきました。
汚れてきた雑巾を途中で取り替えてもうひとがんばり。
仕上げにキッチンペーパーでふき上げました。
ここまできたら、ふき取りはいったん終わり。
目地が乾かないうちに養生テープを剥がします。
あ、はみ出てる……。
ゴムベラでちょんちょんとつついて取り除いてあげましょう。
こんなもんでOK(細かい汚れは後でふけば取れます)。
本日はこれにて完了。
よく見るとまだちょっと汚れていますが、これは翌日にふき取ることができるていどの汚れなので大丈夫だと思います。
目地材はこれくらい余りました。100グラムくらいかな?余裕を持って作業できたので、500グラムまるまる使ってよかったと思います。
油断できないのが後片付けです。
これは以前撮った写真ですが、作業後にはこんなふうに目地材が溶けた水が残ってしまいます。目地材はセメントなのでこのまま排水口に流したりすると、水道管の中で固まってとんでもないことになります。
しばらく放置して水とセメントに分離したら、上澄みの水だけを慎重に流して捨て、どろりとした部分は使用済みの雑巾やペーパーに吸わせてゴミにしましょう。
後片付けが済んだら、仕上げは翌日に。
目地もすっかり乾きました。
乾いた目地をかたくしぼった雑巾でふきます。
タイルの表面についた汚れが取れてきれいになりました。
これにて完成!
ほとんど黒と言ってもいいダークグレーの目地で、ヘリンボーン柄もパキッと際立ちます。
ちょっと離れてみてもきれい。
ビフォーアフターをならべてくらべてみると…
空間に高級感が出た気がしますが、いかがでしょうか。
ただ、ここまで離れるとタイルの柄が視認しづらくグレーっぽくしか見えません。遠目にもはっきり柄がわかるように仕上げたい場合は大きめのタイルを使うべきでしょうね。
これは一昨年リノベーションした部屋の洗面。壁一面タイル張りなので簡単に比較はできませんがタイル選びの参考になれば。
空室のグレードアップはまだまだ続きます。次回は脱衣所に折りたたみ棚を設置します。