(286)洗濯機の上にドローアラインを設置する
前回、洗濯機横の鉄板にマグネットの収納用品を設置しました。
今回は、洗濯機の上のスペースに設置した「ドローアライン」についてお話したいと思います。
■物干しワイヤーという選択肢もあったけれど……
リフォーム前の写真をどうぞ。
もともと洗濯機の上には突っ張り棒をつけていました。
お風呂あがりに使ったタオルを干したり、泡立てネットを吊るしたりしていました。
「突っ張り棒」って、この野暮ったいビジュアルが残念なんですよね。インテリアもクソもない工事前ならばいざしらず、リフォーム後の空間にこれは置きたくないかな、と。
最初に検討したのはランドリーロープでした。
森田アルミ工業の室内物干しワイヤー「pid」 です。
この本体の中にワイヤーが格納されています。
右側の丸パーツを引っぱるとワイヤーが出てきます。
反対側の受けパーツに引っかけ、
本体左のつまみでロックすればワイヤーにテンションがかかり、洗濯物を干すことができます。
使うときだけ引き出せる利便性と、使用していないときの控えめな存在感が特長です。
文句なしに便利な商品で、世田谷のマンションではリノベーションのたびに必ず設置していて入居者さんにも大変好評です。
でも、山小屋の洗濯機の上に設置するとなると問題がありました。 以前も書いたとおり、山小屋の水まわりの壁は砂壁です。
塗装で表面をリニューアルしたものの、強度は変わっていません。
物干しワイヤーは製品の性質上、壁面にそれなりの負荷がかかりますから、しっかりとした下地に取り付けなければなりませんが、砂壁はそんなに強度のある壁材ではないのでそのままでは設置はできません。何らかの補強をすれば可能かもしれませんが、物干しワイヤーを支えるだけの処理ができるかというと不安。
それに、使わないときに収納できるというランドリーロープのメリットについても、リビングルームならともかく、洗濯機の上ならばわざわざワイヤーを出し入れする必要もないかなと思ったのです。そんなわけで、ランドリーロープは見送ることとしました。
■おしゃれ系突っ張り棒「ドローアライン」
よくよく考えると、リフォーム前に洗濯機上に設置していた突っ張り棒は見た目が野暮ったいだけで、機能的にはまったく問題ありません。ならば、リフォーム後の空間にマッチする突っ張り棒を選べばいいのです。
突っ張り棒でおしゃれといえば「ドローアライン」でしょう。
突っ張り棒の老舗メーカー「平安伸銅」が2017年に発売し、それまでのダサい印象を一気に払拭した人気商品です。論より証拠、設置後の写真をどうぞ。
アイアンライクなマットブラックのポールにゴールドのネジが映えます。機能としては従来の突っ張り棒と変わりないのですが外見は全くの別物。これならモダンな空間にもマッチします。あっという間に定番アイテムとなったのもうなずけます。
僕自身、発売当時から気になっていて、インテリアショップの店頭で実物を手に取ったときもマットでザラリとした質感が素晴らしいなと思っていました。
購入したのは「テンションロッドA」という短めのタイプ。
75センチ~115センチの幅に対応しています。
では、実際に設置していきましょう。
説明書には細かい指示も書かれていますが、仕組み自体はふつうの突っ張り棒と大差なく、設置もわりと簡単です。
要点を3ステップにまとめてみました。
①ネジをセットした状態で設置する幅に合わせてポールを引き出します。
②ネジをしっかり締め付け、長さを固定します。
③壁に接するキャップをロック方向に回してテンションをかけて安定させます。
これだけ。いわゆる突っ張り棒とほとんど同じ手順なので、初めて設置する人でも苦戦することはないと思います。
■「ドローアライン」設置にあたっての注意点
ただし、設置にあたっては従来の突っ張り棒よりもやや丁寧&慎重におこなうことをおすすめします。
「ドローアライン」は太いポールと細いポールが二重になっている構造で、それをネジで貫いて長さを固定する構造です。ネジを固定した瞬間、細いほうのポールにネジが突き刺さって穴が開きます。今後、もしポールをさらに長く引き出そうとすると、この穴が見えてしまうことになるのを覚えておきましょう。
また、最初にポール本体にネジをセットするときもネジを回し過ぎると細いほうのロッドに穴が開いて動かなくなってしまうので注意が必要です。
「ドローアライン」を設置する際にはキチンと水平を取ることをおすすめします。僕は位置決めの際に水平器を使って確認しながら固定しました。
いや、水平を取るほうがいいのはふつうの突っ張り棒だって同じなんですが、「ドローアライン」は見た目がおしゃれなぶん、傾いているとかなりガッカリ感が漂いますから。
■壁の下地にも注意が必要~砂壁への設置は?
もっとも注意が必要なのは「設置場所の強度」と「耐荷重」でしょう。
正直に言いますが、今まで突っ張り棒を設置するのに、設置場所なんて気にしたこともありませんでしたし、今回もあまり考えずに固定してしまいました。
説明書によると…
「コンクリートの壁や柱など十分に強度のある面」はともかく、「石膏ボードやベニヤ板などで下地に桟のある場所」というのはいまひとつわかりにくいですね。っていうか「桟」ってふつう読めなくないですか?僕は現場で「さん」という言葉は聞いたことがありましたが、こう書くなんて知らなかったです。
意味はともかく、要は石膏ボードやベニヤの下地に木の角材が入っているところを狙って設置しなければいけないということ。昔、突っ張り棒をギリギリ締めたら、壁がたわんでバキッとイヤな音を立てたことがありました。きっと下地がないところに設置しちゃったんだな……。
では、砂壁はどうかというと強度はあまり強くありません。
とはいえ、細い竹などを下地に土を塗り込んで造ってある壁ですから、中に空洞があるわけではなく、その意味で下地に「桟」のない部分のベニヤや石膏ボードよりも強度が高いと思います。
実際、リフォーム前に設置していた突っ張り棒も安定感がありましたし、今回の「ドローアライン」もまったくぐらつきもなく、外れて落下する気配はありません。ただ、設置の際にポールをロックするときは、壁に必要以上の負荷をかけないよう締めつけすぎには注意が必要でしょう。
というわけで、大して重いものを吊り下げるのでなければ、砂壁に「ドローアライン」はアリと言えるのではないでしょうか。
■耐荷重はキャップのサイズによって異なる
なお、説明書によれば、耐荷重はこんな感じ。
従来の突っ張り棒とちがって「ドローアライン」はパイプの両端につけるキャップを付け替えることで耐荷重が変わります。
「大丸キャップ」を装着した場合の耐荷重は「25~15kg」、
「小丸キャップ」では「20~10kg」となるそうです(ともに横取付の場合)。
これはメーカーの推奨している下地に設置した場合なので、それ以外の壁に設置した場合には耐荷重はもっと下がってしまうでしょう。
我が家では「大丸キャップ」を選びましたが、ハンガーに使い終わったタオルをかけるだけなので耐荷重の問題については心配ないと思っています。
むしろ、こんなふうに濡れたタオルを干していると、湿気の多い山小屋ではあっという間にイヤな臭いを発するようになってしまうのが悩みです。
その問題を解決すべく、今回のリフォームでは洗濯機の後ろの壁に「カライエ」を設置してもらいました。
「24時間365日除湿」してくれるおかげで、じめじめしがちだった洗濯機まわりがカラッとして、以前よりもタオルに臭いがつくことがなくなりました。
「ドローアライン」と「カライエ」、そして前回ご紹介した鉄板のマグネット収納を組み合わせたことで、洗濯機&脱衣所周辺は本当に便利になりました。リフォームしたかいがあったというものです。
次回は「カライエ」の除湿可能面積について考えます。