(321)【ピクセルタイルDIY①】玄関土間にモザイクタイルを張る下準備
前回に続き今回もタイルの話です。
この玄関土間にモザイクタイルを張り付けます。
玄関はドアを開けて最初に目に入る「住まいの顔」ともいえる場所。土間にモザイクタイルが加わるだけで第一印象は大きく変わります。
たとえば、こちらは僕の部屋。ブラウンのヘキサタイルをDIYで張りました。
うちのマンションでは部屋をリノベーションするたびにさまざまなタイルを採用してきましたが、今度の部屋ではtoolboxで見つけた「ピクセルタイル」という小粒なタイルを張ってみました。
【toolbox】ピクセルタイル(公式ページへのリンク)
これから数回にわたってその模様を詳しくリポートしていきます。
■玄関土間にモザイクタイルを張るメリット&デメリット
玄関土間にタイルを張るメリットとデメリットについては以前「日刊Sumai」の連載でまとめました。「ESSE online」に転載されていますのでご興味ある方はどうぞ。
【ESSE online】玄関土間にモザイクタイルを貼るメリット&デメリット
かいつまんでまとめると……
【メリット】タイルならではの質感で印象を一変できる・DIYなら材料費だけで済む
【デメリット】濡れていると滑ることがある・専門業者に頼むと施工費用が高い
といった感じでしょうか。
陶製で表面がツルツルとしたモザイクタイルを玄関土間に用いるのは一般的にNGとされていますし、ピクセルタイルも公式ページの情報では「屋外床×」となっています。玄関土間は屋内ではありますが土足で歩く空間なので推奨はされないと思います。
実際にタイル土間の玄関を五年間ほど使った経験でいうと、雨や雪の日にグリップの効かない靴で帰宅したときにツルっと滑ることがごくたまにあります。我が家のように狭い玄関なら万一滑っても壁やドアに手をつくことができるので大事にはなりませんが、広い玄関の家やお年寄りがいる家では注意が必要だと思います。あらかじめリスクを検討したうえでの採用をおすすめします。
■「ピクセル」で遊ぶようにデザインを考える
今回の部屋のインテリアはモノトーンでまとめるのがコンセプト。
洗面とキッチンには平田タイルの「SAVON」を張りました。
玄関土間もモノトーンのタイルを選ぶと決めていましたが、
「ホワイト・ブラック・グレー」の3色がそろうピクセルタイルはぴったりだと感じました。
一粒のサイズが1.5センチにも満たないというミニマムなサイズ感も気に入りました。
のちほど詳しく書きますが、一粒のサイズが小さいと施工時の収まりがつきやすくタイルカットの必要がなくなるので、手間が省けてDIYの難易度も下がるのがうれしいです。
こんなふうに異なる色を混ぜてならべられるのもモザイクタイルの魅力ですが、一粒が小さいと模様の自由度が高く、少量で控えめなアクセントをつけることも可能です。
toolboxの商品ページの写真を拝借して加工し、複数枚ならべたときの施工イメージを作ってみました。
これがグレーだけをならべた状態。
ホワイトでぐるりとラインのアクセントを入れるだけでもかなり印象が変わります。ちょっと上品な雰囲気になったかな?
ちなみにブラックをベースにホワイトのラインをいれるとこんな感じになります。グレーよりも主張が強め。
さらに外周にホワイトをもう一列足してみたり、
ラインに一粒ずつ交互に追加してみたりするのも面白そうですし、
ランダムに白を散りばめてみるのもかわいいかな……まさに「ピクセル」で遊ぶような感覚でシミュレーションできます。
ただ、画面上の合成加工とちがって実際の施工はやり直しもきかず、レイアウトをいじったぶんだけ手間も増えていきます。やり過ぎると素人のDIYでは手に負えないものになる怖れも……。
というわけで、今回は比較的シンプルなこのデザインに決めました。
ホワイトのラインがズレないようにうまく張れるかどうか不安もありますが、DIYは同じことの繰り返しよりもどこかで新しいチャレンジがあったほうが楽しいですものね。
■施工スペースの測量からタイルの購入まで
タイルを張る土間です。すでに周辺の塗装などは完了し、タイル張りを待つだけの状態。
測量の結果、横幅が約84センチ、奥行が82センチでした。ほぼ真四角といっていいサイズです。
ピクセルタイルは1シートのサイズが30センチ×30センチ。細かい収まりを計算するまでもなく3×3の9枚あれば足りることがわかります。というわけでグレーを9シート。アクセントに入れるホワイトのタイルについては1シートをカットすれば足ります。
合計10枚をサクッと注文しました。
都内への配送で送料は650円、合計10,440円でした。
タイルが届きました。
タイルシートにはこのように表面に貼られた紙でつながった「表紙貼り」と、裏がネットでつながった「裏ネット貼り」との二種類があります。
ちなみに裏ネット貼りだとこんな感じになります。
どちらも基本的な施工方法は変わりません。
■土間に仮置きして収まりを確かめる
早速、土間に仮置きして、収まりを確かめていきましょう。
シートの左上に矢印マークが見えますが、これはタイルシートの向きを示すもの。複数枚をならべるときは必ずこの矢印をそろえましょう。
ピクセルタイルのサイズは一辺約1.5センチ。
モザイクタイルの中でもかなり小さい部類に入りますから、仮置きするときも表の紙を折り曲げるだけで収まりが簡単に確認できます。曲線でもないかぎりタイルカットも不要で初心者には張りやすいタイルだと思います。
カットなしで、ここまで置けました。
最後の1シートのみ、表面の紙を切ってならべます。
きれいに収まりましたから、やはりタイルカットの必要はありません。よかったよかった。
折り曲げて仮置きしたシートをカットしたら仮置き完了。かんたんです。前々回のキッチンカウンターのときとくらべて雲泥の差だ。
続いてはアクセントとして加えるホワイトのライン部分の加工をおこないます。
シートを1列ずつ切り離します。
重なる部分のグレーのシートをカットしてホワイトと入れ替えていきます。
仮置きが完了しました。
タイル表面に紙が貼ってあるのでいまひとつ完成イメージがわきません。表紙貼りの難点ですね。この点では裏ネット貼りのほうが事前に出来上がりがつかめて便利です。表紙貼りタイルには施工中に表面に汚れや傷がつきにくいという長所もあるので一長一短ではありますが。
張り付けの準備はこれにて完了。次回はタイル専用のボンドで接着作業をおこないます。