(376)「ザ・昭和」な古いブロックキッチンをどうリフォームするか

前々回、キッチンのガス栓が無事に復旧しました。
今回からキッチンをリフォームする作業に取りかかります。
現状はこんな感じ。

「ザ・昭和」なブロックキッチンですね。

現在主流となっているシステムキッチンと異なり、シンクやガスコンロ台などが分かれているのがブロックキッチンの特徴で、最近では「MY SET(マイセット)」が有名ですね。
ちなみに写真のキッチンには「IZUMI」というロゴが。

寡聞にして知らなかったので調べてみたところ、かつて存在した「東海シンク株式会社」が手がけた製品に付けられたブランド名だったようです。
それはさておき、時の流れとともにくたびれたブロックキッチンをどうリフォームするか、築古物件のオーナーさんの多くが直面する問題だと思います。

これまで、世田谷のマンションでは、状態が悪くないキッチンはそのまま残してクリーニングし、イケアのキッチンオーガナイザーなどの小物を追加してリニューアルしたことがありました。

一方、リフォーム後の部屋にはマッチしそうもないほど古かったりデザインのテイストがズレたりしている場合は撤去し、

新しいキッチンに交換しています。

では、熱海のキッチンはどうかといえば、トビラにプリントされたレトロな柄など、今回めざす「躯体あらわし」のインテリアにはそぐわない部分も多いので、本音としては交換したいところです。
しかし、キッチン本体を交換するだけの資金的な余裕もありませんし、こういう古いキッチンに手を入れて再生してみたいという気持ちもあったのでDIYでリフォームしてみることにしました。

収納についたトビラや小棚などをどんどんはずしていきます。

だいぶすっきりしました。この状態を見てポテンシャルを感じることができたので、これをベースにオープン収納のキッチンを造ろうと決めました。

気になるのは、シンクとコンロ置場に挟まれた作業スペースが狭いこと。
個人的な経験でいえば、料理のやる気は作業スペースの広さに比例するので、食材をならべたり、下ごしらえした材料を入れたボウルを置いたりできる場所がもっとほしいのです。

そこで、目をつけたのがこの空間。ここに業務用キッチンのガスコンロ台を置いてみるのはどうでしょうか。

あわせて頭上にも新しいレンジフードを設置します。

古い換気扇はスイッチを入れるとゴロンゴロンとイヤな音が鳴るので取り替えたいと思っていました。既存の換気扇のすぐ隣に新しいレンジフードを設置するので配管の取り回しもしやすいはず。

L字型のキッチンになればコンロ台に充てられていたスペースのぶんだけ作業スペースが広がりますが、そのためには天板を追加設置して隣の作業台と同じ高さに改造する必要があります。

おなじみ渋谷の東急ハンズで板材をいろいろと購入してきました。

地下一階の木工房でカット加工してもらったものです。

まず両サイドに天板を支える板をネジと接着剤で固定し、

背面には作業台とそろえてバッグガードの板をのせます。

上から天板をかぶせれば完成。かんたん。

このカット部分は何のためかというと、

ガス栓をひねるための開口でした。東急ハンズはこういう曲線カットも加工してくれるので重宝しています。

これで作業台はずいぶん広くなりました。

しかし、離れて眺めてみると、吊戸棚はホワイト、キッチン本体はグレー、タイルはピンク、追加した部分は木材と、継ぎはぎ感は否めません。
全体を塗装して統一感を出したいのですが、異なる素材を塗りつぶすことができ、かつ、キッチンのような水はねや油汚れがある場所でも耐えられる塗料となると、僕的に思い浮かんだのはこいつだけでした。

toolboxが扱う「シュペンパンザー(Schuppenpanzer)」のアイアン塗料です。
このブログでは何度もご紹介してきましたね。
さまざまな素材を塗装でき、独特の鉄感が出せるのが特徴ですが、屋外のロートアイアンの補修に使われることからもわかるように汚れに強いのもポイントです。
以前、山小屋の母屋のキッチンをリフォームした際には壁のカウンターと棚板にアイアン塗料を塗りました。


シンクからの水はねもコンロからの油汚れにも強く、ゴシゴシふいても塗膜ははがれません。キッチンまわりにこそ便利だと実感できました。このときはカウンターと棚板のみのピンポイント的な使い方でしたが、今回は同じ「シルバーグレー」でキッチン全体を塗ってみようと思います。

しかし、いくらアイアン塗料といえど、壁のタイルまで塗ることはできるのでしょうか?
次回は、東急ハンズの店員さんに教えてもらったタイル塗装のやり方の話。