(472)庭の地面にDIYでコンクリートを敷く
前回、庭にタープを張りました。
天幕のおかげで外で過ごす時間がぐっと快適になってうれしいのですが、そうなってくると他の部分が気になってきます。それがここ。
以前、庭の一部を占拠していたベランダを撤去してもらった際にあらわになった地面の部分です。
土が露出していたところにレンガを敷き詰め、なんとかごまかしたものの、ツギハギ感は否めません。
何より、地面の上にレンガをならべただけなので、ちょっと手入れをサボるとスキマから草たちがぼうぼうと生えてきます。こうなるともうレンガが敷かれていることすらわからない状態です。いちいち草むしりするのはとにかく面倒。
今回はこの部分にDIYでコンクリートを敷いてみたいと思います。
測ってみると幅は2メートルあるものの奥行きは狭く、施工面積は「1.158平米」。たいして広くないので、わざわざ職人さんに頼むのはもったいないです。
以前も書きましたが、こういう工事は「安かろう悪かろう」で済ませようとすると、プロに頼んでも不満の残る出来になることもあります。
ならば、いっそ自分でできないかと思っていたら、何かと手を貸してくれる友人の陶芸家いざきあつしくんがアトリエでコンクリートをDIYしたというので、やり方を教わりながら一緒に作業してもらえることになりました。
作業当日に時間をムダにしないように、前日までに下準備をすることに。
草をむしってレンガをどけていくと、
重みで平らになった地面が現れました。この状態ではコンクリートは敷けないので、
ショベルでざっくり掘り起こしておきました。
工事当日、あらためていざきくん持参の道具で土を掘り起こしました。
材料と道具を確認しておきましょう。
ホームセンターで、ホームモルコン、砕石、角スコップなどを購入。モルコンは、砂や砂利があらかじめ混ぜられた商品でやや割高ですが、水を加えて混ぜるだけで施工できるので僕のような初心者にはうってつけだと思います。砕石はコンクリートの下地に使います。のちほど詳しく書きますが、角スコップも必須アイテムです。
コテなどの施工道具は、いざきくんが持参してくれました。いろいろ用意してありますが、今回の面積ていどなら、トロ舟と呼ばれる角型の大きな容器と、小さなショベル、コテがひとつあればなんとかなります。
まずは砕石を敷くところから開始。
まんべんなくならしたら、
コンクリートブロックなどでドンドンと重みをかけて全体を平坦にします。
1.158平米で20kgの袋を2つ使い切りました。
続いてコンクリートの登場です。トロ舟とバケツに水を用意しておきましょう。
袋を開けて舟の中に投入。勢いよく入れるとまわりが粉だらけになるので要注意。
水を入れて、角スコップで混ぜ合わせていきます。
パッケージには「加水量2.8l」と記載がありますが、一度には入れず3回くらいに分けながら練り上げていきました。
体力的には、この作業が一番の難関。
僕もタイルDIYの際にセメントを練った経験は豊富なのですが、粉を水と混ぜ合わせて滑らかにするのはなかなか骨の折れる作業です。
それが庭にコンクリートを敷くとなると量が多いので、作業が段違いにハードになります。ひさしぶりのザ・肉体労働。作業したのはまだまだ残暑厳しい日でしたが、正直真夏にやる作業じゃありません。
水の行きわたっていない底の部分を掘り起こし、水をなじませながらザクザクとかき混ぜていきます。舟の角型に合わせて角スコップを使うことでまんべんなく混ぜやすくなります。角スコップが必須であるゆえんです。
苦労して混ぜ合わせたコンクリートはこんな感じ。正直、「あれ?なんかボソボソじゃない?水が足らないんじゃ……」とか思ったのですが、これくらいでちょうどいいんだとか。
砕石の上にざっくりコンクリートをかぶせ、
ショベルで隅々までスキマのないように広げていきます。
続いてはコテの出番。上からぎゅっと押し固めるように抑え込みながらならしていくと、
徐々に水分が浮き上がって表面がコンクリートっぽくなってきます。作業を進めるほど表面が柔らかく滑らかになってくるのはなんだか不思議な感じがします。これを見ると練り上げたときの硬さが正しかったのがわかります。混ぜにくくても余計な水を足さないのは大事なポイントですね。
あとはコテを使って表面を整えていきます。見た目に影響する作業なので技術的に一番の難関でした。慎重になりすぎてこまめに動かすとコテがコンクリートを引っ張ってしまい、かえって表面が荒れてしまいます。思い切って大きいストロークでサッサッとならしていくのがいいみたいです。
表面が滑らかになることに気を配りつつ、全体的に盛り上がりやへこみができないようにコンクリートをならす意識も大事。ときどき離れたところから見て、全体のバランスを見ながら作業するといいと感じました。
ひとまず半分くらいが完成。両サイドにレンガで仕切りをしたのは、作業開始早々の時点で用意したコンクリート20kg×3袋ではぜんぜん足りないとわかったから。
原因はコンクリートを敷く厚みを読みまちがえていたせい。当初は2センチ厚くらいかなと思っていたのですが、いざやってみると意外に深さがあり、4センチくらいの厚みになり、足らなくなりました。
このあとさらにモルコン3袋を買い足してぴったり使い切ったので、DIYにトライする方は面積だけでなく厚みもしっかり考慮することをすすめます。
レンガの仕切りをはずして、右に残ったスキマにちょうど1袋。
左に残ったスキマで2袋。ちょうどぴったり、というかほんのちょっぴり足りないくらいだったのですが、そこはごまかして仕上げました。
作業を中断して買い出しと昼食に出かけたものの、最初に作業してからそんなに時間を空けずにコンクリートを追加したので、後から施工した部分との継ぎ目もちゃんとならすことができました。
いちばん最後の仕上げはいざき師匠にお願い。表面が少し乾いてきたら写真のような小さなコテを使って丁寧に整えてあげるとよりきれいに仕上がるようです。僕は横で撮影してただけなので楽ちんでした。いつもひとりで独習して孤独に作業しているのにくらべると、教えてくれて手を貸してくれる人がいることのありがたさが身に染みます。
最後に境目付近の既存部分に付着した余分なコンクリートをそぎ取り、
まわりに付いた汚れを掃除したら作業完了。
これにて完成。素人仕事にしてはなかなかの出来ではないでしょうか。
そもそも、今回の作業はコンクリートの施工としてはかなり手を抜いた簡易版。プロが作業する場合には、コンクリートの中にメッシュを仕込んで耐久性を上げたり、事前にきちんと水平を確認し、下方向にかすかに傾斜をつけ、水はけをよくしたりもするらしいのですが、今回は狭い面積のDIYだったので、そのへんはぜんぶ端折ったことを書き添えておきます。
急な雨や近所の猫から施工面を守るために上からブルーシートをかぶせて養生して本日の作業はおしまい。
一日を振り返ると、朝イチでホームセンターで買い物を済ませ、10時半から作業開始。途中、追加のコンクリートを買い出しに行ったのを含めて完成したのが午後2時。清掃と撤収作業も含めてすべて完了したのが午後3時でした。作業時間だけでいうと2~3時間ほどでしょうか。
汗だくになりながらの作業でしたが、2人で作業したこともあって思ったより時間がかからなかった印象です。ひとりでモタモタしながらやったら確実に日をまたいでいたことでしょう。
で、翌日朝。ブルーシートを外してみました。
夜の間に温度が下がったのか、シートの裏が結露してコンクリートの表面が少し濡れていました。
しばらく日光に当てて乾かします。
だいぶ色も落ち着いて周囲となじみました。
触れた感じでは完全に硬化しています。ここまでくれば、このまま放置しても大丈夫かな。
冒頭でもご紹介しましたが、以前、工事を頼んだ業者さんは施工後に養生なしで帰ってしまい、雨が降って軒下にこんな跡がついてしまいました。
コンクリートが固まるまでの時間を考えると、工事当日と翌日はなるべく雨の心配のないピカピカの晴れ予報の日を狙い、念のための養生も忘れないようにするのがいちばんのポイントかもしれません。
いざきくんが仕上げてくれた表面。さすがにプロ並みとはいきませんが、素人としてはかなりクオリティ高いと思います。そういえば、ずっと昔、母屋の壁に珪藻土を塗ったときも、友人の中でいざきくんがいちばんうまかったのを思い出しました。
既存のモルタル面との境目はこんな感じ。これから風雪を受けて似たような質感になっていくのかな、なんて思っています。
最後に費用のまとめを。
- 砕石20kg(294円)×2袋=588円
- ホームモルコン20kg(757円)×6袋=4,602円
- 角スコップ=1,188円
合計「6,378円」でした。
舟やコテはいざきくんのものを借りたので費用には含まれませんが、すべて自前でそろえても3,000円くらいだと思います。
ということは、1.158平米の地面に1万円たらずでコンクリートが敷けたことになるわけで、やはりDIYは費用が浮くのでうれしいなと実感しました。
秋にこの場所で焚き火するのが楽しみです。