(498) 【日刊Sumai再録】アイリスオーヤマの宅配ボックス2種を紹介する
今回は3年前に書いた「日刊Sumai」の再録記事「アイリスオーヤマの後付け宅配ボックス2種を試してみた。コスパと気になる点は?」(2021年1月19日公開)をお届けします。
最近、「物流がヤバイ」とは聞いていましたが、ブラックフライデーから今月に入ったあたり、僕のまわりでも「荷物が予定の日時になっても届かない」「配送途中で行方不明になってしまった」などのトラブルが頻発しています。こうなってくると宅配ボックスを設置して再配達の手間を減らすことの重要性がいよいよ高まってきたと感じます。
商品のアップデートが尋常ではない昨今、3年前に買った宅配ボックスの記事なんて今更再録しても仕方ないかと思ったのですが、調べてみるとどちらもアマゾンで現在も販売されているようです。
どこにでも設置できる置き型のストッカータイプと、シンプルデザインで壁に固定もできるスチール製の2種類を、それぞれの特徴を踏まえてご紹介します。
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【アイリスオーヤマの後付け宅配ボックス2種を試してみた。コスパと気になる点は?】
宅配ボックスは、もはや必須アイテムになりつつあります。そこで今回は、玄関先に後付けで設置できる宅配ボックスをご紹介。賃貸マンションの大家でもある日刊住まいライターが、アイリスオーヤマの2種類の商品の使い勝手とコスパについてレポートします。
■アイリスオーヤマの宅配ボックスは設置が簡単でコスパも良い
冒頭の写真は、筆者の自宅用に設置した「宅配ボックスTBP-540」。戸建ての玄関先でもよく見るストッカータイプの宅配ボックスです。
当初は壁付けのポストタイプを検討していたのですが「小型だと段ボール箱が入らない」「大型だと廊下のスペースが狭くなって通りづらくなる」というジレンマに悩み、結局、地面に置けるタイプを選びました。
決め手は大きめのサイズです。
商品ステッカーによると、外寸は「横55㎝・縦47㎝・高さ50㎝」。
内寸は「横45㎝・縦37㎝・高さ37㎝」ありますから60サイズや80サイズくらいの荷物なら大抵入ります。
固定用のワイヤーが付属していて、本体と自宅の柱などをつないで固定します。
うちでは屋外の露出配管にワイヤーを通しました。
これを付属の南京錠に引っかけて設置完了。設置時には南京錠のカギは外しておくのがポイント。配達時に宅配業者さんが荷物をボックス内に入れて施錠します。
付属のカギで開ければ荷物を取り出すことができます。
こんな具合にオーソドックスな造りの宅配ボックスですが、必要最小限なポイントはきちんと押さえられているので安心です。
フタの内側にはパッキンが仕込んであり、雨がかかっても荷物は濡れません。
使い方が書かれたシールも付属しているので、これを貼り付ければ不慣れな宅配業者さんでも使い方に迷うことはなさそうです。
市販のストッカーとワイヤー、南京錠を組み合わせれば、これに近いものはDIYで自作できるのでしょうが、「およそ4000円」で自作の手間を省略できると考えればコストパフォーマンスに優れた商品だと思います。
難点を言うなら、荷物が入っていない状態の宅配ボックスは南京錠がかかっていないので、本体自体の盗難が可能だというところでしょうか。
■シンプルなスチール製宅配ボックスもアイリスオーヤマで
続いてご紹介するのは、同じマンション内にある僕の実家の玄関先に設置した宅配ボックスです。
同じくアイリスオーヤマ製の「宅配ボックスPBX-5335」です。こちらはスチール製。先ほどのボックスにくらべると固定型の宅配ボックスに近い印象です。
設置前に使用方法を確認してみました。
まず、中に荷物を置きます。
扉を閉めたら、取っ手のすぐ横にあるシルバーのカギを押し込みます。これだけで施錠が完了。
開錠は付属の鍵で行います。直感的な操作が可能なので宅配業者さんが迷うことはまずないと思います。こちらも必要最小限の機能をしっかりと備えた便利な宅配ボックスです。
ポイントになるのは設置方法。
メーカーが説明書に記載している固定方法は付属のワイヤーと鍵による固定です。
本体裏の金具にワイヤーを通し、柱などに結んで鍵をかけます。先ほどの宅配ボックスと同じ固定方法ですが、正直に言っておすすめできません。スチール製ですが本体は思いのほか軽く、本体を押さえずに片手でドアを開けようとすると、宅配ボックス自体が動いてしまうのです。
■壁付けで固定する手間をかけて本格的な宅配ボックスに変身
今回は工事業者さんにお願いして、この宅配ボックスを壁面に固定して設置することにしました。
実は、この宅配ボックスには裏に4つの穴が開いていて、ゴムキャップがついているのです。
キャップをはずせばボルト穴として使うことができ、背面の壁に固定することができます。
設置する壁面はこちら。
ここに業者さんがボルトで固定して設置してくれました。
同じ商品を2個重ねて設置しました。壁面の壁と幅がそろったのできれいに収まりました。タイル面への固定だったので業者さんに工事を依頼しましたが、木製の壁面への固定ならDIYでもできそうです。
ボルトによる固定を施したおかげで、トビラの開閉もスムースになり、使用感は本格的な宅配ボックスにも劣りません。このタイプは床置きにするよりも、しっかり固定することをおすすめします。
■宅配ボックス選びは、コストとリスクのバランス次第
さて、この「宅配ボックスPBX-5335」のお値段は1個あたり約8000円ほど。きちんとした見た目の宅配ボックスがこの値段で手に入ると考えれば、かなり安いと思います。
参考までに挙げると、うちのマンションの入居者さん用に設置した宅配ボックスは本体だけで182,000円(2個の価格)もしました。もちろん造りもずっと頑丈で精密ですし、単純に金額だけで比較はできません。
ダイヤルキーが付いているので複数の入居者さんが自由に使えます。この便利さは賃貸マンションには欠かせません。
でも、自分のためだけに使うならそこまでハイスペックな機能はそれほど必要ではありません。自宅用にシンプルで安価な宅配ボックスを利用するのも、ひとつの選択肢かと思います。
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この記事を書いてから3年が経ちましたがどちらも元気に活躍中で、コストパフォーマンスに優れた便利な宅配ボックスだという印象は変わっていません。
ただ、置き型の宅配ボックスTBP-540については、雨ざらしの廊下で使用し続けたことで、汚れが目立ち、カギの不具合も生じてきました。
使い始めてから1年ほど経ったころ、宅配業者さんに「カギがかからないんです」と言われて確認したところ、南京錠がサビて回らなくなってしまっていました。すぐに百均で新しいものを買って取り付けましたが、そちらも半年ほどでダメになってしまいました。
耐候性の高い錠を探せばいいのでしょうが、なかなかその手間とお金をかける気持ちになれないまま時は過ぎ、現在はカギをつけないで使用しています。顔見知りの宅配業者さんにはその旨を伝えているので配達時に特にトラブルはありませんが、荷物を盗まれてしまうリスクがあるのは事実です。
また、使い方が記載されたシールもこのとおり。現在では跡形もなくなってしまいました。まあ、今やカギなしで使っているので問題ないのですが。
カギにしてもシールにしても雨ざらしの環境には耐えられないのだとわかりました。
一方、屋根の下で使用しているスチール製の宅配ボックスPBX-5335はというと「荷物を入れて横のカギを押して施錠」→「手持ちのカギで開錠して荷物を取り出す」というシンプルな構造のおかげで故障もありません。でも、スチール製ですから、もし雨ざらしの環境で使用すればサビなどで不具合が生じてくるかもしれません。
宅配ボックスを選ぶときには使用する環境や設置方法なども考慮して選ぶといいでしょうね。
そして。
荷物が宅配ボックスに入りきらなくて持ち帰られてしまう経験をして以来、こんなものをドアに貼っています。
「宅配BOXに入らない荷物は置き配OKです」と記されたステッカー。
何がいいってマグネットなのがありがたいです。
古い玄関ドアにも貼れますし、
スチール製の宅配ボックスにもくっつきます。どうしても対面で受け取りたいときは簡単にはがせるのも便利。シール方式ではこうはいきません。
何かと荷物の増えそうな年末年始、こういうアイテムを活用して少しでも宅配業者さんの負担を減らしたいものです。