(517)toolboxのウッドウォールパネルでアクセントウォールをDIY

前回、ホワイトの壁と天井をベースにダークブラウンの木目とブラックで差し色を入れた部屋をご紹介しました。
中でも気に入っているのがリビングの奥にあるアクセントウォールです。

toolboxで取り扱っている「ウッドウォールパネル」をDIYで張りました。
【toolbox】ウッドウォールパネル

これについては以前「日刊Sumai」の連載でご紹介し(2018年10月11日)、現在は「ESSE online」で再録記事をお読みいただくことができます。
今回はあらためて情報を整理し直し、「ウッドウォールパネル」のDIYについてまとめます。
■本物の木の質感がリーズナブルに手に入る
まずは「ウッドウォールパネル」について簡単にご紹介しましょう。

ベニヤ下地に薄くスライスされた天然木が4枚ならべて貼りつけられ、パネル状になっています。

本物の木なので質感は十分で、ふたつと同じもののない木目が魅力です。

こんな感じで色味が多少異なる板が混じることもあります。
サイズは「幅610ミリ×高さ2430ミリ×厚み4ミリ」で、木材を用いた壁材としてはリーズナブル。施工当時の価格は一枚「4,500円」でした(現在は「5,624円」)。
賃貸マンションのリノベーションでは予算の関係で木材を壁に張るのはなかなか難しいのですが、この価格ならなんとか手が届くと考えたのでした。
ただし、これをそのまま大工さんにポンと渡して施工してもらうとなると、それなりにお金がかかります。僕が見積もりを取ったときは、

税抜きで「29,000円」でした。必須の設備ならばともかく、インテリアのアクセントのためにこの金額を使う余裕はなく、DIYで張って費用を削減することにしました。
■パネルをカットしないで済むように壁を調整してもらう
「ウッドウォールパネル」の張り方については、toolboxのウェブサイトで詳しく紹介されています。
【toolbox】how to make「壁に板貼りパネルを貼って塗ってみた!」
基本的な手順について詳しく紹介されているので、ぜひ読んでみてください。
作業内容は①張りたい場所に合わせてパネルをカットし②ボンドと両面テープで接着し③オイルやワックスで塗装するという3ステップに分かれますが、「どんな下地の上に張るか」「どれくらいのサイズで張るか」「どのていどの完成度を求めるか」などによって、作業にかかる手間が変わってくるのがDIYの難しいところ。
山の家に張ったときは、

ざっくりサイズを測って、手持ちののこぎりで切りましたが、大雑把に作業をおこなったせいで、

張り付けたときに上部にスキマが空いてしまいました。DIYなんてこんなもんといえばこんなものなのですが、けっこうなお家賃で人様に貸すマンションの部屋でこれは困ります。
そこで、なるべくカットの手間がかからないように事前に入念に準備しました。
ウッドウォールパネルの幅は61センチですが、

張り付ける壁の横幅は約69センチ。このままでは、ほんのちょっと足りません。かといって、たった8センチのためにもう一枚買ってカットするなんてもってのほか。

電気工事の配線の関係で左横の柱をふかしてもらうことになっていたので、工事後の壁の幅がパネルとぴったりになるよう大工さんに前もってお願いしておきました。

こちらが柱を造作した後の壁で、幅が61センチ強に仕上げられています。これでタテの長いラインをカットする必要がなくなり、ホッとしました。
あとは高さを合わせるためのカットだけと思っていたら、手の空いた大工さんが他の作業のついでに切ってくれることに。

壁に合わせてみると、

きつくもなく、かといってスキマもないジャストサイズに収まりました。先ほどの僕の素人仕事とのちがいは一目瞭然。クオリティを求めるなら、やっぱりプロにお願いするのがよさそうです。
■ブライワックスで塗装してツヤのある仕上がりに
続いてはパネルの塗装をおこないます。

通常ならば接着してから塗装という手順になるのでしょうが、今回は壁まわりを塗装屋さんにペンキ塗装してもらうこともあり、事前に塗装してから張り付けることにしました。

使ったのは「ブライワックス(BRIWAX)」です。

カラーは「ジャコビアン(JACOBEAN)」を選びました。
濃い目のブラウンで今回の室内の雰囲気にもマッチしそうなカラーです。

ブライワックスの塗装にはウェスと呼ばれる布を用いるとされますが、僕はゴム手袋の上から100円ショップで買った靴下をはめ、そこにブライワックスをつけて木材にこすりつけるように塗るようにしています。

ワックスは気温が低いと固まって塗りにくいのですが、夏場だと溶けて柔らかくなり、塗りのばしやすくてラクでした。

塗装の難所でもあるパネルの溝部分にもすいすいワックスが入っていきます。

溝を塗るために歯間用歯ブラシまで準備していたのですが、出番もなし。

パネル全体を塗り終えたところ。

続いては手にはめた靴下を180度回転させ、きれいな面で表面をごしごしこすります。こうすることで余分なワックスを落とし、表面にツヤを出していきます。

ウットリするような光沢が感じられてきたら塗装完了。
■釘が効かない壁には超強力な両面テープでしっかり接着
一方、塗装屋さんによる壁まわりの塗装も終わりました。

ここにパネルを接着するのですが、実はこの作業が最後の難関。
木材の張り付け方については、このブログでもたびたび書いてきました。

厚手の両面テープと床用のボンドを併用して接着します。

両面テープが板を保持している間に、徐々にボンドが乾いて定着するのです。

たまに両面テープでは板を保持しきれず、板が反ってくる場合があります。そんなときは隠し釘(打ったあと、頭を取り除いて目立たないようにできる釘)で浮きを抑えて固定します。
しかし。
今回の壁は下地がブロックなので釘が効かないのです。
となると、パネルが反ってしまわないように両面テープで強力に固定することが非常に重要になります。
今回は予算を度外視し、いつもよりも強力で高額な両面テープをぜいたくに使用することにしました。

ニトムズのPROSELFシリーズの「超強力両面テープ粗面用No.577」です。
僕はホームセンターで1,680円(税抜)で買いました。木材の接着に対応しているものでは、もっとも強力かつ高価なもののひとつだと思います。

これをいつもよりも入念に惜しげもなく貼りつけます。

空いている場所に塗るのがおなじみのコニシのボンド「床職人」。
木材の接着ならこれという商品です。

両面テープの合間にまんべんなく塗りましょう。
テープの裏紙をはがしたら慎重に壁に張り付け、浮いてこないように力を込めて上から押さえて圧着します。

遠目に見るときれいに張れたように見えるのですが、

張り付ける際にパネルの上部を柱にこすってしまい、壁にワックスの色がついてしまいました。張ってから塗装するのが定石なのはこういうトラブルを避けるためなのですね……。幸い、このあと現場の塗装屋さんの厚意でタッチアップしてもらい、きれいに仕上げることができました。

こうして振り返ると、DIYと言いながら現場の職人さんたちの厚意に甘えまくってますね。ありがたいことです。まあ、プロの力を借りれるならそれに越したことはないということで。
■本物の木材ならではの木目が塗装で際立つ
かくして、ギャラリーのような雰囲気のある壁ができました。

「ジャコビアン」のこげ茶色はブラックのアクセントカラーや植物などと組み合わされると、ナチュラルカラーの木材とはまたちがった落ち着いた雰囲気を演出してくれます。
ちなみに、山小屋の離れに張ったときはオスモカラー(OSMO COLOR)のウッドワックス「オーク」で塗装しました。

色としては今回よりも浅めで、やや黄色味がかったブラウン。

どんな色を選ぶにせよ、塗装によって木目が際立つので、空間のグレードを引き上げてくれるのはまちがいありません。ウッドウォールパネル、ぜひインテリアに取り入れてみてください。