(518)キッチンを15cmだけ移転したら想像以上にお金がかかった

お金のこと

今回も、前々回にご紹介した部屋について書きます。

予算の都合で既存のものを残すことにしたキッチンなのですが、

既存のブロックキッチンを残した

少しだけ位置を変えたいと思って15センチくらいだけ横にずらしてもらったら、思ったよりもお金がかかってしまいました。どうしてそんなことになってしまったのか、顛末をまとめます。


■洗濯機置き場が干渉してひどく使いにくいキッチン

まずは工事前のキッチンをごらんください。

既存のブロックキッチン

賃貸でよく見かけるタイプのブロックキッチンです。見栄えはしませんが、そこそこ広さもあって使いづらさはありません。状態も悪くなかったので、小物で手を加えれば十分使えると判断しました。

問題はこっち。

工事前のキッチンと洗濯機置き場

ガスコンロ置き場のほぼ向かいにねじ込まれるように設置された洗濯機置き場です。

工事前の間取り

もともと外にあった洗濯機置き場を先代の大家の時代のリフォームでむりやりキッチンの空きスペースに置いた結果、こんなレイアウトになってしまいました。

洗濯機置き場とキッチンの位置関係
※わかりやすいように反転しています

これは他の部屋で撮った写真ですが、ごらんのとおり洗濯機置き場とキッチンの間には人が立てるだけのスペースがありません。

洗濯機置き場とキッチンの位置関係
※わかりやすいように反転しています

ガスコンロに半分くらいかぶってしまっているので、斜めに立たなければ料理ができないのです。僕も同じ配置のキッチンをしばらく使ったことがありましたがひどく不自由で、洗濯機置き場が外にあるほうがまだマシだと感じたほどでした。


■キッチンを15センチ横に移転して使いやすく

こんなふうに中途半端にリフォームされて使いにくくなったキッチンをどう改善するか。

毎回、部屋をリノベーションするたびにいろいろなアイデアを試し、現在では業務用キッチンをL字に組み合わせるのが定番となっています。

しかし、今回ご紹介するキッチンを手がけた時点では、まだ途上でした。

このとき試したのが、キッチンを少しだけずらすというアイデアです。

キッチン横のスペース
※わかりやすいように反転しています

別の部屋の写真で説明すると、キッチンの右横にはこんな感じで冷蔵庫置き場に使うスペースがあるのですが、

間取り図

横幅を測ってみると80センチもあり、冷蔵庫を置くには少々広すぎます。

間取り図

冷蔵庫には60センチもあれば十分ですから、余ったスペースを利用してキッチンを15センチほど右にずらせると考えたのです。

キッチン移転後の間取り図

この配置ならばガスコンロはずいぶん使いやすくなるはず。

というわけで、現場で監督さんと話し、移転を決めました。キッチンとあわせて吊戸棚も移転してもらうことになりました。

移転工事の様子

これは工事中の写真。レンジフードが設置される場所の上部の壁に石膏ボードが張られていますが、これが吊戸棚をずらしたぶんだけ造作されて埋められた壁になります。

完成後はというと、こんな感じ。

完成後のキッチン

15センチ右にずらしたキッチンの端はちょうど窓の端とそろってきれいに収まりました。ガスコンロの上には新しい薄型レンジフードが設置され、既存のキッチンを残したわりにはきれいに仕上がったと思います。

キッチンの左にできたスキマ

柱にぴったり接していたキッチン本体が右にずれたぶん、左にスキマができました。ここはデッドスペースになってしまいましたが、ガスコンロ自体は使いやすくなったのでよしとしましょう。


■移転にかかった費用は約9万円で想像以上に高額だった

失敗だったのは、なんとなく想像していたよりも高額の費用がかかってしまったこと。

見積もりの抜粋をごらんください。

見積もりの抜粋

赤で囲ったのが、キッチン移転にまつわる費用です。

キッチン台、吊戸棚移設」で「45,000円」ですが、ここには配管を収めるための壁の造作費用(「キッチン背面壁フカシ」)が含まれています。さらに、水道管の移転(「キッチン移動給排水」)、ガス管の移転(「ガス台位置変更壁内配管」)の費用も加わります。たとえちょっとずらすだけでもキッチンの移転にはさまざまな手間がかかっていることを思い知らされました

これらを合算するとトータルで「82,000円」(税抜き)となり、税込みだと9万円ほどです。漠然と想像していた額の倍くらいかかってしまった印象です。

解体中のキッチン

実を言うと、キッチンを移転するというアイデアを思いつくのが遅すぎて、細かく見積もりを精査して判断する時間的な余裕がなかったのが問題でした。すでに解体は始まっていたところで「今ならギリギリ間に合うかな」くらいのタイミング。「できますか?じゃあ、細かいことはいいのでやってください」みたいな感じでお願いしたと記憶しています。

現在、うちのマンションで定番となった業務用キッチンとくらべてみましょう。

業務用キッチンを採用したキッチン

柱を挟んでシンク台とコンロ台をL字にならべています

業務用キッチンを採用した間取り

キッチン横のスペースに冷蔵庫と洗濯機置き場をまとめてあります。

こちらの費用はというと壁付けの水栓も含めて「94,830円」(税抜き)

移転だけで「82,000円」払うくらいなら、新しい業務用キッチンを設置したほうが費用対効果が高かったと思えます。

工事後のキッチン

まあ、当時はまだ思いついてもいなかったアイデアを元に振り返って後悔しても仕方ないのですが、有効な形でお金を使えなかったのは失敗でした。リフォーム・リノベーションはこういうところが難しいですね。

次回は同じ部屋のトイレの話。古いトイレの間取りはそのままに、タンクレストイレを設置します。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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