(531)解体した家具をワックス塗装するならやすりがけが大事
今回は解体した家具の板材をステインとワックスで再塗装します。表題のとおり、やすりがけを丁寧におこなえるかが完成度を大きく左右しますので、そこにご注目ください。
■とにもかくにもやすりがけこそが大事
この春、ちょっと時間ができたので実家の片付けをして、不要になったベッドを解体しました。
焚き火の薪にでもできればと思っていましたが、バラしてみると意外に再利用できそうな板材の宝庫でした。
ちょうど飾り棚をDIYしようと思っていたので、いちばん長い板材を棚板として用いることにしたのです。
表面もきれいなのでこのまま使ってもいいのですが、ミディアムブラウンが我が家のインテリアにマッチしない気がしたのでワックス塗装し直して色を濃くすることにしました。
そのために必須の作業がやすりがけです。
僕らのような素人から見ると無塗装に見える木材でも、市販の家具の大半は汚れを防止するためのウレタン塗装が施されています。このままではステインやワックス塗装は不可能なのです。
かく言う僕も、以前、山小屋のドアにそのままステインを塗ろうとして失敗して初めて知りました。
このときは古いドアの上からステインを塗ったのですが、
弾かれてしまってぜんぜん浸み込みません。たとえて言えばプラスチックに絵具を塗ってる感じ。
ふき取ってみたら、みごとにぜんぶ落ちてしまいました。
そんなわけで、既存の家具をステインやワックスで塗装する場合、表面にやすりがけを施して木材を無塗装の状態に戻してやる必要があるのです。
まず、粗目の紙やすり(僕は40番から始めました)で全面をしっかりと削ってやるのが大事。のちほど書きますが、このやすりがけが甘いと思いっきりできあがりに悪影響を及ぼしますので、がんばってまんべんなくやすりがけしましょう。
80番、150番、320番と細かいやすりにシフトしながら仕上げていきます。
320番をかけ終えたころには、表面の触り心地もだいぶ滑らかになっているはず。
粉をきれいにふき取るのを忘れずに。
これくらいの見た目になっていればステインもワックスも問題なく入っていくでしょう……と思ったのですが、甘かったのです。
■やすりがけが甘いとステインも浸み込まない…
以前も書きましたが、ワックス塗装をする場合、その前にステインを塗ってやると色に深みが出るのでおすすめです。
このときはブライワックス専用のウッドダイを使用したのですが、今回は別のステインを使ってみました。
ワシンの「ポアーステイン」です。
「オールナット」というこげ茶色。ステインは安価でよいですね。
一塗りしただけですごい浸み込み方。
どんどん塗り進んでいったのですが、
途中でステインが浸み込まない箇所がチラホラ。
塗装前の写真を振り返ってよく見ると、部分的にやすりがけが甘く表面の保護塗装がうっすら残ってしまっているのがわかります。しっかりやすりがけをしたつもりでも、削り残しがあったというわけ。やすりをかける際に、もっと注意深く表面を見ておくべきでした。
ちなみに、壁に接して隠れるのでほとんどやすりがけしなかった側面にステインを塗ってみると、
やはりまったく浸み込みませんでした。やすりがけ、ほんとに大事です。
塗り終えたあと、布などで表面の余分なステインをふき取ったら塗装完了。
きれいにやすりがけできた場所はしっかりステインが入りましたが、
甘いところはこのとおり。
ここなんか、ちょっとひどいですね。後悔先に立たず。先に進むしかありません。
■ステインとワックスを重ね塗りすると深みのあるブラウンに
ステインの次はワックス塗装。
使うのは「ブライワックス」の「ジャコビアン」。
こちらも濃い目のブラウン。僕が愛用している色です。
塗り方はいろいろありますが、僕は使い捨てのビニール手袋の上から百均で買った靴下をかぶせて塗装することが多いです。
ワックスをちょこっとつけて、
表面にすりこむように塗り広げます。
ステインにワックスを重ねると、色に深みが出るのがいいですね。
当然ですが、やすりがけが甘くてステインが入らなかったところにはワックスものりません……。
ワックスを塗り終えたら、反対のきれいな面をおもてにして、
ゴシゴシと表面を磨き上げます。
すると、表面になんともいえないツヤが出てきます。うまくいった部分を見てしまうと、やすりがけが甘かった箇所が悔やまれます。
これくらいは「古材っぽい味」と見えなくもないですが、
これは完全に塗り残しにしか見えませんね。
というわけで結論は「塗装済みの板材を塗り直すなら、とにかくやすりがけを丁寧にせよ」ということでした。
とまあ、失敗してしまったのではありますが、ゴミになるかもしれなかった木材が棚板になったと思えば得した気分もあります。
次回はこの板の裏面をペンキで塗装してから、棚受けを使って飾り棚にしてみます。