(546)シンプルな小型のアナログ目覚まし時計3種を比較する
今回は小型のアナログ目覚まし時計のお話。ブラウン、無印良品、カシオの3つの製品を比較して特徴をまとめます。
目覚まし時計に何を求めるかは人それぞれでしょう。「時計なんてちゃんと動けば十分」「とにかく静かじゃなきゃダメ」「おしゃれなやつがいい」などなど、ポイントもさまざまだと思います。
ちなみに、僕が目覚まし時計を比較検討するきっかけは熱海のマンションに来るゲスト用の目覚ましを選ぶためでした。宿泊に来たゲストが初めての使用で不自由なく使えるという点も重視したことをご承知おきください。
■リーズナブルでちゃんと使えるカシオの「TQ-750J-1JF」
最初に購入したのはカシオ(CASIO)の「TQ-750J-1JF」でした。
余計なデコレーションがなく安価であるというのが選んだ理由でした。
購入時の価格は「1,510円」。さすがに少々値上がりしたものの、現在でも2千円を切って購入できます。まずはこのリーズナブルさがメリットですね。
デザインでいえば、このあと紹介する2つとくらべると文字盤がごちゃついて見え、やや野暮ったさを感じなくはありません。
でも、「目覚まし時計 小型 アナログ」とかでググれば、本当にひどいものがたくさん出てくるなかでは、むしろシンプルで良い部類に属すると感じられます。
この製品のいちばんの特徴は電波時計ならではの正確さ。僕も初めて知ったのですが、電波時計とは「標準電波を受信し、自動的に時刻を修正する」機能を持つ時計のことなんだそうです。忘れた頃に急に針がグルグルと回り出して驚いたりすることがあります。
非常に高い精度で時間がわかるのが利点で「時計とは何よりも正確さが大事」という向きにはおすすめです。
しかし、場所によっては電波を受信しないのでただの時計になってしまう可能性もあります。僕が熱海で使用したときはプライベートの寝室ではきちんと受信できたのですが、お客さんと共有するリビングではいまひとつ受信しませんでした。
なお、目覚まし時計の場合、秒針のカチカチ音が気になるという神経質な方もいるかもしれません。このカシオの時計はふだんの状態では秒針がカチカチと動くのですが、
背面のスイッチでアラームをオンにセットすると秒針が止まってカチカチ音が止みます。
動画で見ると、分針だけが動いてちょっぴり奇妙な気分。
気の利いた機能ではありますが、「カチカチ音は止めたいが、アラームも使いたくない人」には痒い所に手が届かない機能かもしれません。いっそ秒針をオフにするスイッチをつければいいとも思ったのですが、どうなんでしょうか。
なお、アラーム音はというと、
だんだん音が大きく速くなるオーソドックスなタイプ。正直に言うと、寝起きが悪くない僕のような人にとっては、今回の3つの時計のアラーム音には大差を感じず、どれでも問題なく目が覚める音だと感じました。
ちなみに、前面の右上のボタンがスヌーズです。
価格もリーズナブルですし、使い勝手は悪くないのでしばらく熱海で使っていましたが、現在はのちほど紹介する別の時計に置き換え、「TQ-750J-1JF」は山の母屋の寝室で使っています。
■デザイン、価格、機能のバランスがいい無印良品の「MJ-AC2」
続いては無印良品の「アナログ目覚まし時計MJ-AC2」です。
無印らしいシンプルで見やすいデザインはどんなインテリアにもなじみそう。
「カチカチ音のしない連続秒針」(商品ホームページより引用)を謳うだけあって、今回取り上げた3つの中でもっとも静音な時計です。静かな状態で耳に時計を押し付けても、わずかに「ススーッ」と音がするだけ。就寝中にこれが気になるという人はさすがにいないでしょう。
アラームボタンは本体上部にあり、これを上げてセットすると、
設定した時刻にアラーム音が鳴ります。
スヌーズボタンは本体の側面にあります。
押すと、小さなライトが点く仕組み。
このとおり、ボタンを本体の上部や側面と一体化させることで、背面に余計なスイッチをつけないというシンプルなデザインを追求しています。
価格は「2,990円」。お手頃だと思います。さすが無印良品だけあって、とてもバランスの良い商品です。
しかし、個人的にひとつ引っかかってしまった点があります。それが「アラーム設定」です。
あらためて背面を見てみてもアラームのボタンが見当たりません。どうやってアラームを設定すればいいのでしょうか?本体のどこを見てもそれらしいボタンはありません。ひょっとして時刻設定のホイールを引っ張るとアラームが設定できるのか?と思っていじったりしてみましたが、ダメ。
挙句、裏面のカバーまではずして探してしまいましたが、見つかりません。
しかたなく説明書を見ると、
なんとベゼルを回すとアラームが設定できるという仕組みになっていたのです。
正直、これは直感的にはわかりませんよね。試しに妻にも何も言わずにわたしてアラーム設定してみてもらいましたが、やっぱり知らないと操作できませんでした。
説明書の冒頭に明記されているところを見ると、やはり気づきにくいという認識はあるのかなあ。
無印良品の名誉のためにいうと、一度理解すればむしろ使いやすいくらいの仕組みなのですが、初見の人が直感的に使えないのはゲストが来る宿泊施設に置くには致命的。
というわけで熱海には置かず、世田谷の自室のベッドサイドに置いて使っています。
■デザインと機能を兼ね備えた定番「ブラウン アラーム クロック BC02XBW」
では、結局、熱海のマンションでどんな目覚まし時計を使うことになったのかといえば…
BRAUN(ブラウン)社の目覚まし時計「BC02XBW」です。
この時計、小型の目覚まし時計としては「ザ・定番」ともいうべきもので、僕も以前から知っていたのですが、価格がけっこうお高いのでちょっと手が出せずにいたのでした。
僕が購入したのは2年前で「3,350円」でした。海外の製品は年々高くなっているので、現在だと4千円強くらいでしょうか。
文字盤もすっきりと見やすく、秒針のイエローも差し色としてきれい。
アラームの針の先端にはグリーンが用いられているのですが、
アラーム関連のボタンなどがグリーンで統一されているので迷いなく直感的に操作できるのもうれしいです。
アラーム音は先の2つと大差ありませんが、最初の音がやや小さめなので徐々に大きくなってほしいという人にはうれしいかもしれませんね。
右上のボタンがスヌーズで、押すとライトが点きます。
サイズも最初のカシオのものとくらべてもひとまわり小さいコンパクトサイズ。旅行などにもストレスなく持って行けそう。
デザイン、機能、両面で「本当に必要なポイント」をしっかり押さえて作られています。ロングセラーとして定番になっているのもうなずけます。
強いていえば、アラームのスイッチを上に押し上げるのにやや力がいることが気になります。写真のように片手ではムリかもしれない。
また、無印のものとくらべると秒針のカチカチ音はしっかり聞こえます。カシオのもののように消すこともできないので、神経質な人はひょっとしたら気になるかもしれませんが、個人的にはまったく気になりませんでした。
カラーバリエーションも豊富で、文字盤も黒いタイプもあれば、ホワイトやグレーなどもあります。ブルーやレッドなどの変化球も。
高価ではありますが、デザイン性と直感的な使いやすさを考慮すれば決して高すぎるとは感じません。
熱海ではテレビのわきにちょこんと置いていますが、サイズが小さいので邪魔にもならず満足です。
■3つの目覚まし時計の特徴のまとめ
いかがだったでしょうか?
最後にざっくりまとめてみましょうか。
【カシオ・TQ-750J-1JF】かなりリーズナブル、電波時計で正確、やや野暮ったさを感じるデザイン
【無印良品・MJ-AC2】シンプルなデザイン、お手頃な価格、直感的には使えないアラーム設定
【ブラウン・BC02XBW】洗練されたデザイン、必要最小限な機能とコンパクトサイズ、高価なのがネック
といった感じでしょうか。
サイズ・機能・価格はそれぞれなので、自分が目覚まし時計に求めるものを考えて選ぶことをすすめます。