(552)タイルを張るにはスクレイパーで壁紙をはがさねばならない
引き続きサブウェイタイルのDIYのお話。
前回、目地幅を決めて大まかな割り付けを考えました。
今回はタイルを張るために欠かせない下地の準備をおこないます。
■壁紙の上からタイルは張れないので、はがすしかない
張り付けるのはこちらの壁。
塗装してあるので遠目にはわかりにくいのですが、
壁紙が張られています。
残念ながら、壁紙が張られた壁にタイルを直接張ることはできません。
というのも、もし壁紙の上からタイルを張った場合、重さに負けてタイルごと壁紙が剥がれ落ちてしまう危険があるからです。
面倒ですが、壁紙をはがす作業から始めなくてはなりません。
以前、熱海でも使ったスクレイパーを使います。
OLFA(オルファ)の「ハイパースクレーパー200」です。
幅広のカッター刃でザクっと切り込み、
バリバリとはがしていきます。
最初のうちはサクサク進むのでラクです。
はがし終わったところ、ではありません。
はがしたのは表面の紙だけで、裏紙と呼ばれる壁紙の下の層がまだ残っています。
裏紙ははがれにくいので霧吹きで水を吹きかけてふやかしながら作業します。
シュッと吹きかけ、
壁紙がふやけるのを待ってから、
スクレイパーではがします。
この作業を全面におこなっていきます。地味で苦しい作業です。
ようやくすべての壁紙をはがし終えました。全体が黄色っぽいのはおそらく壁紙を張る前の壁が左官仕上げだったからだと思われます。
よく見ると、ところどころ下地のコンクリっぽい部分が見え隠れします。ここまでやればタイル用の接着剤がばっちり効くはずです。
ちなみに、壁紙の下地が合板だった場合、今回のようにスクレイパーできれいにはがし切るのは難しいです。
その場合、裏紙は浮きがあるところだけきちんとはがせば、あとは残っても問題ないと思います。
■合板、古いタイル、砂壁……タイルの下地を考える
さて、接着の作業については次回に譲るとして、ここからはタイルをさまざまな下地に張ったケースをご紹介したいと思います。
いちばんポピュラーな下地は合板などの木下地です。
たとえば、大工さんに合板で下地を造作してもらった壁。
ボンドを塗って張り付けるだけで文句なしに接着剤が効きます。
塗装された壁に張るのもOK。
合板と同じ要領で接着できます。
既存のタイルの上から新しいタイルを張るのはどうでしょうか?
この場合、既存のタイルがしっかりと壁に張り付いているか確認するのがポイント。
こんな感じに経年劣化でタイルに浮きが見られる場合は要注意。このまま重ね張りすると新しいタイルが古いタイルごとはがれてしまう怖れがあります。
でも、既存のタイルがちゃんとくっついている状態であれば、
専用のボンドをしっかり塗ってからタイルを圧着して重ね張りすることができます。
既存のタイルの目地をグリッドに見立てることができ、ずれにくいというメリットもあります。
意外なところでは、マンションの廊下などに張られている長尺シートの上からも直接接着することができます。
シートの上から接着剤を塗ってタイルを張ります。
プロならシートをはがして下地に戻してから接着するのでしょうが、素人のDIYの場合、防水の効果なども考慮すると重ね張りしてしまったほうが安心かと思います。
古めの民家でよく見かける砂壁(聚楽壁、土壁)にタイルを張りたいと思う方もしるでしょうが、なかなか厄介です。
表面がポロポロとしていて、接着剤は効きません。
この場合は砂壁の上から合板を重ね張りしてからタイルを張るのがいいと思います。
こんな感じで合板を張れば下地としては問題ないのですが、タイルDIYのためにこの準備までしなければならないのはツライところですね。
これにくらべれば、今回のように壁紙をはがすだけで下準備が済んだのはまだマシだったかもしれません。
次回は、壁紙をはがした壁にサブウェイタイルを接着していきます。