(575)和天井を解体する費用とメリット&デメリットについて
前回、客間のリフォームを思い立ち、「天井」「床」「窓」の3つのポイントを中心に工事をおこなうことを決めました。
まず今回は天井の話。和天井を解体して天井裏をあらわしにしてみて感じたメリット&デメリットやかかった費用などについてまとめたいと思います。
■ただ天井を解体してもらうだけなら10万円もかからない
最初にお断りしておきますと、僕はけっこうな高所恐怖症です。
脚立にのぼって天井裏の写真を撮るだけで鳥肌が立つくらい。よく屋根の掃除や防水塗装をDIYでこなしてしまう人がいますが、僕には死んでも真似できません。絶対にプロに頼みます。
和天井は強度も低くて素人でも解体は十分可能だと思いますが、大事を取って大工さんにお願いすることにしました。
では、この広さ(およそ16平米)の天井を解体してもらって一体いくらかかるんでしょうか?
いつもお世話になっている大工さんに見積もりを取ってみたところ、
こんな感じになりました。解体と処分で「81,200円」。消費税を加算しても約9万円です。思ったよりも安いなと感じました。のちほど書くとおり、天井を解体した場合、その他の工事も必要になることが多いので9万円ぽっきりというわけにはいかないのですが、この価格ならひとまず解体だけはしてみようと思えました。
発注からほどなく解体が完了したという連絡を受けて山小屋に。
おおー、天井がきれいさっぱりなくなっている!
見上げると開放感がすごいです。これこそ天井を解体する最大のメリットですね。
白いのは増築前に外壁だった部分です。ここを塗装したり、屋根裏に板材を張って見た目を整えてもらったりすればぐんと費用がかかってくるでしょうが、個人的にはこのラフな雰囲気が気に入りましたし、このままで十分満足です。補強に使われている鉄も面白い。
■天井裏のスキマを埋めるのにも費用がかかった
しかし、いろいろと問題もあります。
早急に対処しなければならないのがスキマの問題。
あらわしになった天井裏には、隣り合う部屋の天井裏とつながっている箇所がところどころにあります。
都会の家ならばそのままという選択肢もあるのかもしれませんが、ネズミをはじめとする小動物たちが走りまわる天井裏と居住空間がダイレクトにつながってしまってはダイニングがとんでもないことになってしまいます。
よくよく見ると、事前に想像していた以上にたくさんのスキマがあるのがわかります。これは大工さんになんとかしてもらわねばなりません。話し合った結果、パンチングメタルを加工して埋めてもらうことになりました。
天井裏や梁の形に合わせての加工なので、なかなか面倒な作業だったにちがいありません。この工事に8万円(税別)がかかりました。天井の解体処分とほぼ同額です。
■電気工事も含めてぜんぶで「258,720円」かかった
そして、天井を解体した場合、必須ともいえるのが電気工事です。
もともと電気配線は天井裏に無造作に敷かれているもの。
天井を解体してしまうと、こんな感じにぶらんとしてしまいます。
配線を固定するだけなら素人でもできますが、これを必要に応じて延長して再配線するとなると、きちんとした資格を持った電気屋さんに頼まねばなりません。
どうせ工事するならということでライティングレールを梁に直付けで設置してもらいたいと考えました。
梁の幅に合わせて部屋を横断するように3本のレールを取り付けてもらうようリクエストしました。
完成後はこんな感じ。なるべく既存の配線を残しつつ、必要に応じてコードを延長したりスイッチを増設したりしてもらいました。
かかった費用はというと、電気配線「27,700円」、増設したスイッチ「6,200円」、ライティングレールの材料費「17,100円」、ライティングレールの施工費「23,000円」で、合計「74,000円」(税別)でした。
お金はかかりましたが、ライティングレールがあると照明のレイアウトの自由度が格段に上がるので後悔はありません。
あらわしにした高い天井から吊るすと、ふつうの家なら大きすぎると感じられるようなインパクト大な照明も違和感なく取り入れることができます。これも大きなメリットでしょう。
かかった費用をまとめると、
- 天井の解体:89,320円
- スキマ埋め:88,000円
- 電気工事:81,400円
となり、和天井の解体工事に合計で「258,720円」を費やしました。初めての工事なので相場はわからないのですが、個人的には想像していたよりもややお安いくらいの感覚で工事できたので満足しています。
■暑さ寒さよりも湿気が気になる
では、デメリットはどうでしょうか?
以前、天井の撤去を業者さんに相談した際にはこう忠告されました。
「夏は日光の熱がダイレクトに室内に伝わってきてしまうし、冬は暖かい空気が部屋の天井に逃げてしまう。冷暖房の効率が悪くなり、光熱費も高くなるだろう」
前回書いたとおり、これについては覚悟していましたが、やはり室内の温度は昨年よりも高くなったように感じました。しかし、今年は記録的な猛暑だった去年の夏をも上回る殺人的な暑さでしたから、天井を解体したせいで暑くなったのかがいまひとつわからず……。
むしろ、暑さより気になったのは湿気です。夏の暑さで室内の空気が温められたせいでしょうか、以前よりも湿度が高まってしまいました。
10日も部屋を空けると、せっかく張り替えた床にもうっすらカビが……リフォーム直後でこれは悲しい。個人的にはこの「湿度の上昇がいちばんのデメリット」に感じられました。来年の夏までに何か対策を施さねば。
一方、寒さについてですが、もともと秋になると冷え込みのひどい部屋で晩秋から初春までは使わない部屋でしたから、そこまで気になっていません。
春や秋にも寒い日はありますが、お客さんが来るときだけは灯油ヒーターを運転すればしのげます。とはいえ、天井を抜いたせいで部屋が温まりにくくなったのはまちがいなく、暖房効率の悪さもデメリットといえばデメリットです。毎日暮らす家なら光熱費への影響が重いかもしれません。
そもそも、窓が多くて冷え込みやすいこの部屋を本気で温かくするなら、ガラス窓をすべてペアガラスに替えるとか、床に断熱材を入れるなどの対策も必須でしょう。なので、天井うんぬんだけで寒さ対策は語れないのです。
■天井裏から虫のゴミが落ちてくる?
最後に、予想外のデメリットだったのが天井から落ちてくる謎のゴミ。
家を空けると、いつのまにか部屋の壁際に木くずのようなゴミが落ちているのです。
これ、よく見てみると、以前見たことあるような……。
キクイムシが落としてくる木くずに似ています。きっと天井のところどころにムシが巣くっていて、ゴミを落としてくるのでしょう。
あらためて写真を見返すと、工事前に天井裏をのぞいたときはいたるところにゴミが散らばっていました。天井がなくなってしまえば、これがダイレクトに室内に落ちてくるというわけ。これもデメリットでしょう。
以前、駆除業者さんに相談したときは「虫コロリアース」を使えばいいと聞いたので、対策法はわかっています。
しかし、六畳に満たない広さで天井の低い離れ小屋とちがって、それなりに広くて天井も高いこの部屋に完璧に対応するのは簡単ではありません。あるていどのゴミが落ちてくるのはガマンしなければならないでしょうね。幸いなことに、ゴミが落ちてくるのは壁際で部屋の中心ではないので、食卓にはほとんど被害はありません。
いろいろとデメリットはあるものの、天井を解体してもらって満足しています。やっぱりこの開放感は何物にも代えがたいなと思います。お客さんを呼ぶのが楽しみ。
次回からは床の張り替えを始めます。