(578)ヒノキ合板の床にステインとワトコオイルを重ね塗りする
前回、客間の床にヒノキの合板のパネルを張り付けました。
続いては、このパネルをステインとワトコオイルで塗装して、着色をしつつ表面を保護していきたいと思います。
このブログでは何度も書いてきましたが、ステインとオイル(やワックス)を重ね塗りすると色に深みが出て仕上がりのグレードがアップするのです。
このときはオークの薄板にブライワックス(BRIWAX)のステインとワックスを塗り重ねました。今回はダークブラウンの仕上がりをめざして重ね塗りをしてみたいと思います。
■ヒノキのパネルにステインを塗ったら、クセ強な見た目に…
まずはステインから始めましょう。用意したのはこちら。
ワシンのポアーステインの「オールナット」色です。耳慣れない色名ですが、ダークブラウンと言っていいと思います。
塗りやすくてリーズナブル。愛用しています。
今回はドカッと1リットル。一度塗りで「14~28平米」ですから、二度塗りは厳しいかもしれませんが、さてどうでしょう。
付属のカップと百均で買ったハケで塗装開始。
木目に沿ってすいすい塗っていきます。色はすぐに浸透するし、難しくありません。
小さいほうきで表面のゴミやほこりを払いながら、どんどん塗り進めていきます。
乾くとヒノキの木目が際立ってきました。けっこう個性的だな。
塗装前と後ではかなり印象が変わります。
塗り終えました。二時間弱くらいの作業。
ちょっぴりしか残らなかった。ぎりぎり一度塗りできたくらい。
塗装面を踏まないように気をつけて現場から出ます。
にしても、かなりパンチのあるビジュアルですね。ちょっとクセ強すぎ。ワトコオイルを重ね塗りして少し落ち着いてくれることを願います。
■ワトコオイルの「エボニー」を塗る
翌朝。
夜の照明よりも、昼の自然光のほうがマイルドな印象を受けます。
この上に塗るのはワトコオイルの「エボニー」。
手持ちの余りに、1リットルの缶を追加で買い足し、二度塗りしたいと思います。
こちらも塗装は簡単。木目に沿ってハケで塗るだけ。
塗った直後ということもありますが、ぐっと深みが出てきました。
こちらも2時間ほどで塗り終えました。
ワトコオイルは塗った後、しばらくしたら(15~30分)ウェス(布)でふき取るのがセオリー。今回は着なくなったTシャツを小さくカットして使いました。
家具や壁の場合とちがい、床を塗る場合は塗装面の上を歩かねばなりません。靴下は捨てるつもりで作業に入ります
塗料が多めに塗られた箇所を中心にふき取っていきます。
布はすぐに汚れてしまうので、じゃんじゃん使い捨てていきましょう。
心配していた木目のクセが和らぎ、落ち着いた仕上がりになってきました。ホッとした。
■二度目の塗装は塗布量少なめにしないとこんな失敗も?
一度塗りでも十分に素敵なのですが、しっかり保護する意味で二度塗りすることにしました。
3時間ほど間を置いて、二度塗りスタート。一度目と同じ感覚ですいすい塗ったのですが、今思えばこれが失敗。ハケにオイルをたっぷりつけ過ぎています。
缶の裏に書かれた説明書きによると、二度目の塗装の「塗布量は1回目の1/4程度が目安」だというのをすっかり忘れていました。
二度塗り完了後。テカテカしていて明らかに塗り過ぎ。
塗り過ぎてもふけばいいんですが…
余分な塗料が多いとすごく大変だし、これでは塗料もウェスもムダ使いになります。
極めつけは、この失敗。
作業が終わって汚れた靴下を脱ぎ、リビングに戻ったのですが、
無残な足跡が……(泣)。塗り過ぎたオイルが靴下の中に浸透し、足の裏にまで付着していたのです。
二歩目で気づいたので大惨事は免れたものの、無垢の床材についたオイルの足跡はそう簡単には落とせません。
不幸中の幸いはこの床が置くだけのユカハリタイルだったこと。足跡がついたパネルははずすことができたのです。
家具などに隠れて目立たない場所と交換して、なんとかごまかせました。
靴下をはいていれば大丈夫だと過信したのも愚かでしたが、何より二度目の塗り過ぎが原因。
こちらはウェスでのふき取りを終えた床。まだちょっとテカテカしてる。
なお、翌週訪れたときはすっかり乾いて、色味も落ち着いてきれいに仕上がりました。
不思議なもので「別の色で塗った床材を交互に張ったの?」と思うくらい、市松模様が際立つ仕上がりです。同じ材を同じ塗料で塗っても、木目の方向によってこんなに表情が変わるんですね。木材の奥の深さを実感しました。
仕上がりには満足しているのですが、残念なことも。先日、天井について書いたときにも触れましたが、今年の猛暑のせいで室内の湿気もかなり高まり、
張ったばかりの床にもうっすらカビが生えてしまいました。一方、隣接しているリビングの床(ユカハリタイル)にはカビが生えていません。
窓が多い部屋とない部屋、天井があらわしになった部屋とそうでない部屋と、環境にちがいがあるので一概には言えませんが、厚みのある無垢の床材と、薄い合板とで吸湿性の差が出たのかな、と感じました。予算的な制約があったので仕方ないとはいえ、山小屋のように湿度が高い空間では床材選びも大事なのだなと実感しました。
次回からは先ほどの写真にもチラ見えしている窓とベンチの話です。