(587)山小屋の客間はリフォームでどう変わったか
長々と書いてきましたが、母屋の客間のリフォームの話も最終回。
今回はリフォームで生まれ変わった客間をご紹介したいと思います。
ちなみに、母屋では2020年にはキッチンを、
翌21年には洗面とトイレ、玄関をすでにリフォームしています。
ご興味ある方はあわせてご一読いただければ幸いです。
■リフォームのポイントは「天井」「床」「窓(ベンチ)」
リフォームにあたっては3つのポイントがありました。
家具を撤去したあとの室内です。
第一のポイントは和天井です。木目柄がプリントされた安っぽい見た目をなんとかしたいと考えました。
天井裏をのぞきこんで思いのほか広々とした空間であることを知り、解体して天井裏をあらわしにすることに。
第二のポイントはニスだかウレタンだかでガッチリとコーティングされたツルツルテカテカの表面が残念な床。
かなり昔にロール状になった安価なフローリング材を敷いたものですが、ちゃんとした床材と取り換えたいと思いました。
第三のポイントは窓。すりガラスで外は見えませんでした。
外の緑が目に入ると気持ちいいので透明ガラスに交換してみたのですが、予想したよりも景色が良いので、急遽、予定を変更。
大工さんにお願いして、本棚を撤去してベンチを造作してもらうことにしたのでした。
■マスタードイエローをアクセントカラーにしたベンチ
工事後の室内をご紹介する前に間取り図もどうぞ。
うなぎの寝床のような部屋なので、ベンチとダイニングという2つのスペースにゾーニングして空間にメリハリをつけました。
まずはベンチからごらんください。
大工さんに造ってもらったベンチにDIYで木材パネルを張って、オスモカラーで塗装しました。
アクセントカラーに選んだのはマスタードイエロー。
ベンチの隣にはマリメッコのタペストリー。
このイエローを拝借してアクセントカラーを決めました。
■あらわしにした天井と窓で開放感のあるダイニングに
ベンチに座って室内を眺めると、部屋の反対側にはダイニングテーブルが見えます。
工事前とは家具のレイアウトを変更し、四枚の引き違い窓の前にテーブルを置いたことによって明るい食卓になりました。
テーブルの後ろに立ってベンチのほうを見たところ。
たくさんある窓から外の緑があふれるさまが気持ちいいです。
あらわしにした天井の開放感もポイント。
これだけ天井が高くなると、ふつうの部屋にはなかなか設置しづらい大きめのペンダントライトも圧迫感なく吊るせます。
一方、足下の床には50センチ角のヒノキの合板を選んでDIYで市松張りにし、ステインとワトコオイルを塗りました。
木漏れ日が差し込んだところも素敵です。
朝日が入る時間帯に動画を撮ってみました。
ちなみに、タペストリーはフックがあればどこにでもかけられるので、
こんなふうにダイニングテーブルのわきにかけて、日除けを兼ねたインテリアとして使うこともあります。かけ替える手間はかかりますが、全面を覆うカーテンやブラインドのような圧迫感がないのは気に入っています。
テーブルにはふだんは汚れを落としやすい撥水性のクロスをかけていますが、気分によっては以前もご紹介したリネンのテーブルクロスで落ち着いた雰囲気を楽しむこともあります。
パンを盛り付けたお皿なんか置くとレストラン気分。リフォームしたおかげで、食卓を積極的に楽しむ気持ちが湧いてきました。
■夜ならではの落ち着いた雰囲気もよい
夜の顔もごらんいただきましょう。
外の鮮やかな緑が見えないのは残念ですが、アクセントカラーのおかげで寂しさはありません。
ベンチからダイニングを見たところ。床をダークブラウンに塗った一方、ラグやテーブルクロスは明るい色なので、窓からの光がなくなる夜にはベンチとテーブルの間のスペースが際立ちます。
低めに吊るしたペンダントでテーブルだけを照らすと、ゆったりした時間が流れます。
静かな山奥に位置することもあり、ゲストと食事していると時間を忘れます。気がつけば日付が変わっていた、なんてことも。
ダイニングの後ろ、壁を背にして部屋を眺めてみました。窓が多いので晩秋などは冷え込みが厳しいのですが、灯油ヒーターで室内をしっかり温めて秋の夜長を過ごすのも楽しいです。
いかがでしたでしょうか。
以前とくらべてぐっと居心地の良い空間になり、気兼ねなくゲストを母屋に招くことができるようになりました。やっぱりリフォームはいいですね。今後も時間を見つけて母屋を少しずつ改善していこうと思っています。