(602)マチコVをクッションフロアの上からDIYで重ね張りする
前回、我が家の水回りに張ったコンポジションタイル(マチコV)についてお話しました。
(601)クッションフロアにフロアタイルを重ね張りして感じたこと
今回はDIYでおこなった張り付け作業について詳しく書こうと思います。
■2ケース(100枚)買っても「11,486円」で済む
まずは施工したい場所に何枚のマチコVが必要かを計算していきましょう。
張り付けるのは赤で示した場所、玄関からキッチンまで。
一方、マチコVのサイズは約30センチ角(303ミリ×303ミリ)。
ざっくり採寸して割り付けをしてみました。
手描きなのでお見苦しいのはご容赦ください。半端なぶんも含めて最低でも57枚は必要な計算ですが、これが微妙な枚数なのです。
実はマチコVはバラ売りをしておらず、ケース単位での販売しかないのですが、1ケース50枚入りなのです。57枚必要となると、なんと43枚も余ることになってしまいます。
「施工面積を少なくできないか」とか「余るぶんをどこかに張ることはできないか」とか、いろいろ考えたのですが、いいアイデアは浮かばず。泣く泣く2ケース=100枚を注文することになりました。
1ケース約5,000円で2ケース買って送料込みでも「11,486円」。床材としては圧倒的にリーズナブルな価格なので、あきらめもつきました。
前回も書いたとおり、実売価格で平米単価約1,200円、職人さんに施工してもらっても平米単価で4,500円ほど。「床材最安値」ともいえる価格がマチコVの大きな魅力です。
■いちばん目立つ箇所から張り進めていく
では、実際に施工していきましょう。
前回も書いたとおり、今回は既存のクッションフロアの上からマチコVを重ね張りしました。張り方は以前、熱海にコンポジションタイルを張ったときと同じ。
フローリングの上から張り付けた熱海のケースとちがい、クッションフロアは弾力がある素材なので本来は重ね張りはNG。
強度を出したい方はちゃんと床材をはがしてから張りましょう。
後述しますが、今回はキッチン作業台の下まで張らねばならず、既存のクッションフロアをはがす手間を省き、リスクも承知で重ね張りすることを選びました。
で、どこから張り始めるかというと「見た目的にいちばん目立つ箇所」から始めるのがよいと考えました。
玄関から張るのもありだったのですが、自分にとっていちばんきれいに見えてほしいところはキッチンのガスコンロと食器棚の周辺でした。
ポイントとなるのは業務用キッチンの脚まわり。
ノーマルなキッチンであれば床から立ち上がっているので張り替えしやすいのですが、業務用キッチンの場合、脚の下まで床材を張らねばなりません。
そこで、アジャスターになっている脚を回転させて短くして、
その下をくぐらせるように床材を張ることにしました。
ボンドは東リの「エコAR600」。
メーカー指定のボンドなので安心ですが、もし少量しか必要ないなら、
アマゾンでも扱いのあるクッションフロア用ボンド「FL200」で代用が効くと思います。
ボンドを塗って張り付けたところ。
原理的には奥の壁際までぴっちり張ることも可能ですが、屈んでのぞきこみでもしないかぎり見えないところまで頑張って作業するのも面倒なので、ムリなく作業できる範囲で張ることにしました。
通常ならば床のほうにボンドを塗るのですが、今回は脚との絡みなども考慮してタイルの裏面に塗ることにしました。
端までぴっちり塗ると圧着したときにボンドがはみ出るので、縁に沿ってちょっぴり余白を残してあげるのがコツ。
張ったらぎゅっと圧着。
壁伝いに張っていくことで壁際の端部がきれいに収まるのです。
加工しやすいコンポジションタイルとはいえ、素人がカットするとサイズがそろわないことがよくあります。壁合わせでカットなしで施工することで、いちばん目に付く部分をきれいに仕上げるのが狙いです。
あとは同じ要領で張っていきます。
作業台の下を張り終えてすぐに脚をフルの状態までのばすと、脚裏にだけ圧力がかかり過ぎてタイルに歪みや浮きが出たりしそうなので、スポンジなどを挟んで圧力を軽減しながらボンドが乾くのを待ちました。
キッチンまわりを張ったら一日目の作業は終了。ムリすれば一日でぜんぶ張れた気もするのですが、集中力が切れてくると仕上がりのクオリティがガクンと下がるので、大事を取って半分で終えることにしました。
■カットも簡単なので、素人でもそれなりにきれいに仕上げられる
翌日。
二日目は玄関まわりです。あらためて既存のクッションフロアの汚れが目に付きますね。初日とちがってカットが必要な箇所が多いので気を引き締めて臨みます。
端部のスキマに合わせてカットするのですが、コンポジションタイルは加工がラクなので心配はありません。
しっかり採寸して、
油性マジックで印をつけて
カッターで切り込みを入れ、
力をかけてあげてパキッと割ります。
ピタッとはまりました。丁寧に採寸すれば、露骨なサイズのズレは生じないはずです。
少しずつ慎重に切れば、曲線カットも可能。配管などを避けるのも簡単です。
いちばん手がかかったのは玄関の上がり框。
10年前のリフォームのときにL字型のアルミのアングルが付けられています。強度的にはこれがベストなのはわかりますが、どうにも野暮ったい気がして、取り外してマチコVを張り合わせて仕上げることに。
まずは框側の立ち上がり部分から張り付けます。高さは既存の床にそろえます。
その上から平面のタイルがかぶさるようなイメージで、
垂直面にあわせてカットして張り付けました。
厚さ2ミリですからわかりにくいのですが、側面から見たイメージはこんな感じになります。
水平方向に張られたタイルの側面が正面に見える張り方です。
玄関を張り終えました。
アップで見ると、断面がわかると思います。コンポジションタイルは均質な素材なので側面が見えてもおかしな感じにはなりません。
そんなこんなで、なんとか完成。時間にすると10時間くらいかな?
一日だとツライですが、二日かければあせらずにじっくりできるくらいの作業量でした。
素人仕事でもそこそこの精度が出るのがコンポジションタイルのメリットですね。
ビフォーがこれでしたから、印象もかなり変わりました。
赤(オレンジ)の床、思ったよりもなじんで見えます。我が家の壁が真っ白ではなく、クリーム色なのも相性がよかった気がします。
ポップな雰囲気も気に入っています。
部屋がきれいになると掃除のモチベーションも高まります。これもリフォームのメリット。まめに掃除してクリーンな状態を維持していきたいと思えるようになりました。
次回は余ったマチコVを食器棚に張り付けてみます。