(616)【後編】カットなしで壁の幅ぴったりにタイルを張ってみた

タイル

引き続き壁にタイルを張り付けていきます。

(615)【前編】カットなしで壁の幅ぴったりにタイルを張ってみた

前回書いたとおり、壁の幅ぴったりにタイルを収めるために、シートをいったんバラして列状にして、目地幅を調整しながら一列ずつ接着しました

タイル壁

位置を調整する手間はかかりますが、壁の幅ぴったりにタイルを張ることができました。

心配なのはヨコの目地幅「3ミリ」に対して、タテの目地幅が「4ミリ」と若干広くなってしまう点でしたが、

目地入れ前のタイル

実際に接着してみると違和感はない印象ですが、目地を入れたらさてどうなるでしょうか?

養生したタイル壁

目地入れ前にはまず養生。壁の両端のタイルの側面はあとあとコーキングで埋めるので、しっかり養生します。

目地材の色選びですが、目地入れ前のタイルの状態を見るかぎり、

目地入れ前のタイル

ノーマルな白で問題ないと考えました。

タイルの目地材

用意したのは、おなじみの内装用防汚目地材「スーパークリーン バストイレ MJS/SS-11K」のホワイトです。

なんだかんだでしょっちゅうタイルDIYをやってるせいか、8キロ入りを買ってもそれなりの速さで消費している気が。

タイル壁全景

施工する面積は幅48センチ、高さ232センチで、約1.11平米。高さもあるので、目地は2回に分けて練ることにしました。目地は塗ったそばから乾いていくので初心者は数回に分けたほうが余裕を持って作業できると思います。

1キロの目地材を量る

ひとまず1キロ測っていけるところまでいき、残りに必要な量は面積比で逆算する作戦です。

目地材に水を加える

1キロに対して260ミリリットルの水を加えて、

目地材を練る

グイグイ練り上げます。以前は作業しにくいので勝手に水を足したりもしていましたが、水が多いとヒビ割れが起きやすくなるリスクもあり、やはり分量どおりで練るのがまちがいないかと思います。

練り上げた目地材

ポロポロっとした目地。本音をいえば、もうちょっと柔らかいほうが入れやすいんですけどね。

目地材を目地に入れ込む

これを目地に沿って入れ込んでいきます。指先でざっくり押し込み、

目地材を目地に入れ込む

てのひらで伸ばしながら、余分な目地をこすり取っていく感じ。我流で恐縮ですが、ゴムベラよりも手の方がやりやすい気がするので、小粒のモザイクでないかぎり、最近はもっぱらこのやり方を取っています。

ざっくり目地を入れたタイル

これくらいまできたら、

スポンジで目地を拭きとる

濡らして絞ったスポンジで余分な目地をふき取ります。

スポンジで目地を拭きとる

だんだんと目地がきれいになっていくのが楽しい。

布巾で目地を拭きとる

仕上げは濡らしてからぎゅっと絞った布巾で表面をふき上げます。

1キロの目地を入れた壁

1キロでここまで目地入れできました。

目地入れしていない壁

残りはこれくらい。

400グラムの目地材を量る

1キロでだいたい7割強くらい目地入れできたので、逆算して400グラム練って同じ要領で残りの目地を埋めました。

目地入れ完了した壁

目地入れが完了したところ。

養生をはがす

乾く前に養生をはがしましょう。

目地入れしたタイル壁

きれいに仕上がって満足です。心配だったタテとヨコの目地幅の違いですが、目地入れをしたあとでもほとんど気になりませんでした。

完成後のタイル壁

これは後日、照明器具を設置した後の写真ですが、当初の目論見どおり、壁の幅ぴったりにタイルが張れてムダのない仕上がりになりました。

コーキングしたタイル側面

壁の両端のタイルの側面はコーキングで仕上げたのですが、作業の様子をうっかり撮影し忘れたので、以前別の場所で同じ作業をおこなったときの画像で説明させてください。

タイル面を横から見る

タイルを張り付けた壁を横から見ると、こんな感じでスキマができてしまいます。接着時にボンドを塗りすぎないように注意すると、端がこうなるのは仕方ないこと。このスキマをコーキング材で埋めて保護してあげるのです。

コーキング

コーキングを施すのはタイルの側面のみなので、タイルの表面と壁にはマスキングテープを貼って養生し、コーキング材をびゅ~と絞ります。

これが存外難しく、少なすぎるとスキマができるし、多すぎると取り除くときにこぼれ落ちてしまうのです。

コーキングを指でぬぐい取る
※わかりやすいように実際の写真を反転して使用しています

塗り終えたら、指先で表面をなぞるように余分なコーキングを取り除きます。やり直しがきかない一発勝負なので緊張します。

コーキングしたタイルの側面

余分なコーキング材を取り終えたら、

養生をはがす

乾く前にマスキングテープを慎重にはがします。

コーキングしたタイルの側面

これにてコーキング完了。

コーキング前と後の比較

ビフォー(左)とアフター(右)をくらべると、仕上がりの差がはっきりわかると思います。

で、今回の壁に同じ手順でコーキング材を入れた結果をあらためてごらんください。

コーキングしたタイルの側面

スキマが目立ったりすることもなく、きれいに仕上がりました。

見た目だけではありません。シーリングは目地材とちがって柔軟なので、タイルと木材の壁のような異素材のスキマを埋めるには最適なのです。もし目地材で埋めてしまうと、経年劣化でヒビ割れが生じやすくなります。

コーキングしたタイルの側面

この作業、目地が乾いてからになるので別日におこなわねばならず、DIYだとつい端折ってしまいたくなりますが、今回のようにタイルの側面が見える場合にはぜひおこないたい作業と言えましょう。

完成後のタイル面

かくして素敵なタイル壁が出来上がりました。

この壁が我が家のキッチン空間に贅沢な余白を生み出してくれていることは前々回も書いたとおりです。

(614)あえて壁面収納を撤去してタイル壁でインテリアに余白を設ける

次回もタイルの話。だいぶ前に窓枠に張り付けたモザイクタイルについてご紹介します。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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