(618)【後編】異なるサイズのモザイクタイルをランダムに張った

前編に引き続き、キッチンの窓枠にサイズの異なるモザイクタイルをミックスして張り付けたときの話です。
(617)【前編】異なるサイズのモザイクタイルをランダムに張った
今回は接着から目地入れまでをリポートします。
■最初に窓枠の側面部分から接着する
まず、窓枠の側面部分から接着します。

前回、仮置きしてみたらちょうど横幅ぴったりに収まったと書きました。
ラッキーはラッキーなんですが、今回のように一枚一枚手張りする場合、実際にボンドで接着していったときに目地幅に多少の誤差が生じ、ギリギリで収まらなくなってしまう怖れもあります。

そこで、側面に張る一列のタイルを平面部分に仮置きして収まることを確認したうえで、ひとつずつ側面に張り付けていけばズレないで接着できるはずと考えました。あらかじめ側面にタイルを張っておけば、次に平面部に張るときのガイドにもなるでしょう。

おなじみのタイル用ボンドを塗ります。
個人的にはタイル用ボンドにはこだわりがなく、その時々で入手しやすいものを選んでいますが、ホワイトで比較的安価なのはこのへんでしょうか。
まあ、(セメント系ではなく)樹脂系であれば、メーカーにはそんなにこだわらなくていいという印象です。

平面部分に仮置きしたタイルを、そのまま側面に移すイメージで張り付けます。

離れたところから確認しながら、目地幅を一定にキープしつつ張っていきます。

仮置きしたとおり、窓枠の横幅ピッタリに収まりました。よかったよかった。
■平面部にある段差の下地調整をおこなう
さて、続いて窓枠の平面部にタイルを接着したいところなのですが、ひとつ問題があります。

この窓枠、10年前のリフォームのときに壁をふかす際に既存の窓枠に新しい窓枠を継ぎ足したせいで、中央に若干の段差があるのです。

そのままだとタイルが斜めってしまいます。これだと見栄えも悪いし、物を置くにも心配です。
面倒くさい気持ちをおさえつつ、パテで段差を補正することにしました。

用意したのはセメダインの「かべパテ」です。
水を加えて練る必要もなくそのまま使え、サンドペーパーやヘラも付属している親切商品です。
1キロも必要ないという方には300グラムもあります。

これを付属のヘラやコテなどで塗り付け、乾くのを待ちます。

急ぎの場合はドライヤーを使って乾かすのもいいでしょう。

本来ならば紙やすりで滑らかにするのですが、キッチンで粉が舞うのは最小限にしたかったのでまずはカッターでざっくり整形したあと、

やさしく紙やすりをかけました。

このとき、ついでに側面のタイルからはみ出たボンドも削っておきました。

やすりがけの済んだところ。正直、まだ微妙な段差も残っているのですが、壁紙や塗装で仕上げるわけではなく、このあとボンドを塗るので多少の段差は問題ないと判断しました。
■側面のタイルをガイドにしながら平面部を接着する
ようやく平面部にタイルを接着することができます。

先ほどと同じようにボンドを塗って、

タイルをランダムにならべていきます。

この作業がなかなか楽しい。

すでに接着済みの側面のタイルがガイドとしての役割を果たしてくれるので、目地幅がズレる心配もありません。

施工面積が狭いせいか、夢中で張っている間に終わってしまいました。

こうして見返してみると、一部、表面の紙シートが残っている部分が色的に面白いアクセントになっているような気もします。今度張る機会があったら、もう1色くらい混ぜてみるのもありかもしれない。

濡らして紙をはがしたら、

接着が完了。

ランダム張り、なかなか個性的な表情が出ました。
■目地に色をつけたが、ちょっと薄めの色になって失敗
ボンドが乾いたら、今度は目地入れです。
使うのはいつもの目地材なのですが、

今回はダークブラウンの目地粉で色付けしてみました。

商品説明によると「白セメント500gに対して本品を1袋よく混ぜてお使い下さい」とのこと。

分量通りに入れたあと、色ムラがなくなるまでよく混ぜ、

水を入れて練り上げます。いい感じのブラウンです。

これを目地に入れ込み、

隅々まで伸ばしていきます。

目地材が全体に行きわたったら、

水に浸して絞ったスポンジで余分な目地材を取り除きながら、目地をなめらかにしていきます。

最後は固く絞った布巾で表面をきれいにふき上げます。

養生をはがしたら完成。

この時点で出来栄えにほぼ100%満足していたのですが、翌朝、失敗に気づきました。

目地がすっかり乾いてみると、水分が飛んで色が薄くなってしまったのです。

ダークブラウンにはほど遠い小豆色は自分のイメージよりもかなり薄めの仕上がり。もっとしっかり濃いブラウンにしたかったのですが、目地色の調整に失敗してしまったようです。
目地粉は500グラムに1袋とのことでしたが、倍くらい入れてもよかったのかもしれない。目地色の調整って本当に難しくて、僕も何度も失敗しています。
悪いことは言いません。少々価格が高くても、あらかじめ色の付いた目地材を買ったほうが無難です。
それでも、窓枠にタイルを張ったこと自体は英断でした。

この窓枠はシンクに面していて水切りラックも設置されているため、タイルを張ることで汚れが付きにくく、掃除もしやすくなりました。

これはDIYから8年が経った現在の姿ですが、目地も含めて劣化もなく、張ったときと大差ない状態。やはり、水回りにはタイルだなと実感した次第です。