(640)破れた傘の生地を古いスツールに張ってリメイクした

今回は自宅の玄関に置いてあるスツールのお話です。

クリームとオレンジカラーが中心の我が家の中でブルーの座面にピンクの脚が異彩を放っているこのスツール、もともとはこんな感じでした。

座面にはレザー風のビニール生地が張ってあって、金属の脚はホワイトに塗られていました。たしか祖母の家にあったもので、行き場がなくなったのでとりあえず自宅で使うことにした、と記憶しています。前々から機会があればリメイクしようかなと思っていたのですが、このたびちょうどいいチャンスがめぐってきました。

ここ数年愛用していた傘が壊れたのです。だいぶ前に「niko and …」で買ったビニール傘で、『A LONG VACATION』のジャケットなどで知られる永井博さんのイラストがあしらわれています。
とても素敵な柄なので壊れたからといって捨てるには忍びなく、この傘の生地をスツールの座面に張り付けてみようと思いついたのでした。
■傘から生地を切り離して座面に張り付ける

まず、カッターで骨から生地を切り離します。

それなりに汚れが付着しているので厚手のウェットティッシュでゴシゴシと拭き掃除。

試しに座面の上にのせてみると、どう配置しても生地の継ぎ目が座面の上に残るのは避けられないとわかりました。

継ぎ目が見えてしまうなら、いっそセンターに持ってきてしまおうと考え、裏面で留める余白をキープしながら生地をざっくりカット。

座面のちょうど真ん中でイラストが切り替わるレイアウトにしてみました。

座面をはずしてから生地を重ね張りします。薄手の傘の生地にくらべて、もともと張ってあった生地は厚手で耐久性もありそうなので、これをはがしてしまうよりも上から張り重ねたほうがいいと判断した次第です。

生地にシワがよらないように引っ張ってテンションをかけながら、一か所ずつ慎重にタッカーを打ち込んでいきます。
タッカーはアマゾンで買ったリーズナブルなもの。

シワがなくなってくるとイラストがきれいに見えるようになり、ぐっと印象がよくなりました。真ん中の継ぎ目もいいアクセントになっているようでひと安心。

残念ながら中央にシワが残ってしまいましたが、やり直しても直るかわからないのでこのままでいくことに。
■金属製の脚はピンク色に塗装する
この座面を脚の上にのせてみると…

これだけですでにいい感じなのですが、座面がきれいになると脚の汚れが目立つような気もします。せっかくなので座面に合わせて色を選んで塗装することにしました。

金属を塗装した経験はあまりないのですが、塗料が塗りにくいことだけはわかっていたので、まずはサンダーで表面を荒らして足付けすることから始めました。
以前、熱海のマンションのドア裏を塗装するときに使ったグリップサンダーです。

このあとサンドペーパーなども併用しながら、表面が滑らかに感じられるまでやすりがけしました。

塗装がすべて落ちたわけではありませんが、まあ、やらないよりはましでしょう。

続いてはアサヒペンの「メタルプライマー」で塗装の下準備をします。

これを吹き付けてあげることで塗料の密着性が上がります。
金属に水性塗料を塗ることだってできるのです。

さて、この脚を何色に塗るかはお好み次第ですが、直感的に選んだのはピンクでした。

ちょっと派手になるかもしれないけれど、自宅用だし冒険してみるかということで、おなじみのアサヒペイント「オールマイティーネオ」でピンク色を購入しました。
「コスモス」という色の200ミリリットル入りです。

ハケで塗り付けていきます。水性塗料でちゃんと塗れるか心配でしたが、やすりとプライマーによる下準備のおかげで、ちゃんとのりました。

とはいえ、一度塗りではところどころに塗り残しが。

塗料が乾くのを待って二度塗りしましたが、

今度はハケの跡がちょっと気になります。

そこで、手元にあった800番のサンドペーパーで表面を軽く整えてあげてから、再度塗装しました。

仕上がりはこんな感じ。まだハケ跡は残っていますが、色はちゃんと付いたのでこのへんでよしとします。

あとはこの上に座面を固定するだけ。

なかなか素敵に仕上がりました。ブルーの座面とピンクの脚もマッチしたと思いますが、いかがでしょうか。

気に入っていた傘がムダにならずに再利用できてよかったです。傘の生地なので耐水性も高く、スツールに張るのは意外にありかもしれません。

このスツール、ふだんは玄関に置いて外出時の荷物のちょい置きに活用していますが、キッチンの吊り棚から物を取り出すときに脚立代わりにしたり、お客さんが来たときのサブの椅子として使ったりしています。傘の生地をリメイクしたと話すとみなさんビックリしますが、そのリアクションを見るのも楽しいものです。

基本的には「クリーム×オレンジ」のインテリアの中で、「ブルー×ピンク」のスツールは異彩を放っていますが、これはこれでカラフルで気に入っています。