(645)洗面の頭上にDIYで着脱可能な棚板を自作してみた

引き続き自宅の洗面まわりのリフォームをおこないます。
前回と前々回、洗面台の下にタイルをあしらった棚をDIYで設置しました。
(643)【前編】洗面台下の空きスペースにDIYで収納棚を追加する
(644)【後編】洗面台下の空きスペースにDIYで収納棚を追加する
今回は洗面の上の天井近くに棚板を設置してみようと思います。
■DIYで頭上に棚を自作するならリスクは覚悟すべき

もともと洗面の頭上には金属製のタオル棚が設置されていました。

置いているのはトイレットペーパーやティッシュペーパーなど軽いものばかり。実用的にはこの棚で困らないのですが、洗面台とその下の収納をタイル張りでそろえたので、ここにもタイル張りの棚を自作してみたいと思うようになりました。
あらかじめお断りしておくと、素人が頭上に棚をDIYで設置することはあまりおすすめできることではありません。大工さんのようにちゃんとした知識と技術がない人間が棚を設置した場合、強度に問題があって棚が破損・落下してしまったときにケガを負う危険があるからです。以下でご紹介する方法はあくまでアサクラが独自で考えた設置方法であり、強度的な保証はありません。
次回に詳しく書きますが、今回は棚板の裏面、つまり下から目に見えるところにタイルを張りたいので、棚板自体を着脱可能にするという条件も加わっており、強度的なリスクが増していることにもご注意ください。
僕のやり方を真似するにせよしないにせよ、頭上などの高所に棚を自作する場合、万一の落下のリスクを承知のうえで自己責任でトライすることを忘れないでください。
そんなこんなを考慮しつつ、自分なりにいろいろ考えて設計図を描いてみました。

ちょっとわかりにくいのですが、壁に沿ってコの字型の角材を固定して棚受けにして、そこに平べったいI型の棚を差し込むという仕組みを考えました。これなら手前方向に引き抜けば外すことも可能です。
なお、奥行きを23センチに設置したのは、収納するペーパー類がすっぽり収まるサイズにしたかったからです。
■棚受けとなる角材を壁に固定する
では、木材を加工していきましょう。

角材を切り出して、

コの字型の枠を用意します。この枠をしっかりと壁に固定することが強度を担保するうえで大事になります。
既存の棚は背後の壁2点でしっかりと固定されていましたから、この背面の壁に下地が入っているのはまちがいありません。

となると、まず背面の壁に角材をしっかりと固定するところから始めるべきでしょう。

長めのビスでがっちり固定します。

問題は両サイドの壁への角材の固定。

前回の洗面下の棚と同じく、ここも下地は石膏ボード。中に下地がない可能性が高く、ビスは効かないと考え、まず木工用ボンドで接着しました。

頭上の棚にボンドだけでは頼りなさすぎるのでL型の金具で補強します。背面の壁にしっかりと固定された角材と接続することで強度を増そうという狙いです。

さらに、ダメ元でビスを打ってみたところ、意外なことに手ごたえがあり、しっかり固定できました。どうやら横方向に間柱が入っていたようです。これでかなり強度が出たと思います。

かくして、まずは棚受けの役割を果たすコの字型の角材が固定できました。
■棚板を組み立てて取り付ける
続いては棚板本体の作成です。

今回は4ミリのベニヤから棚板を切り出すのですが、精度がほしいのでのこぎりではなくカッターを使いました。

4ミリのベニヤはカッターで切れるギリギリの厚み。根気強く何度も切れ目を入れて切り離します。気持ち大きめを狙いました。

はめ込んでみてサイズを確認しながら、

薄く切ってサイズを微調整していきます。カッターだとこの作業がやりやすいのです。

ぴったりはまる板ができました。同じ要領でもう一枚、同サイズの板を切り出しておきます。
次は、この2枚の板でサンドする棚板の枠を造ります。

角材を切り出して接着剤とビスで組み立て。当初は四角い枠のみで考えていましたが、ちょっと頼りない感じがして間に2本の角材を追加しました。

先ほどの板で挟み込んで、ビスを打って固定します。

後述するように、棚板の表面は見えなくなるのでビスの頭は気にする必要はありません。

棚の前面にも板材を張ります。ここには前回と同じボーダータイルを張ることになります。

ようやく棚本体が完成しました。この溝部分に壁側の角材がはまって安定する仕組みですが、

はたしてちゃんとはまるのでしょうか。

精度にこだわったので、けっこうタイトです。壁に傷を付けないように注意しながら慎重に差し込んでいきます。

どうしても引っかかる部分を何度かカッターで削って調整し、なんとか無事に取り付けることができました。

ペーパー類もすっぽり収まります。軽いものしか置くつもりがないので、棚にかかる負荷はかなり少ないと思います。当面は破損の心配はないでしょう。
ですが、「今後もずっと壊れないのか?」と問われれば、そこはしょせん素人仕事。正直、なんとも言えません。壁にビスで留めた角材が外れることはまずないでしょうが、棚板本体の4ミリベニヤに割れが生じてしまえば落下する可能性も考えられないわけではなく……自宅で自分のためのDIYをするならアリかなあ、といった感じ。お客さんが入居する部屋に提供できるレベルではないですね。
では、なぜ強度面でのリスクを負いながらも着脱式の棚にしたかと言いますと、それは棚の裏面にタイルを張りたかったからなのです。続きは次回。