(658)【前編】トイレ詰まりの対応に右往左往した挙句、交換になった話

今回はトイレの詰まり問題について書きます。
表題のとおり、トイレが詰まって流れない事態にさまざまな対策を講じてみたものの、結局解決することはできず、トイレ本体の交換となったという話です。一部始終をまとめます。
■とりあえずラバーカップでその場を乗り切ったが……
詰まりが発生したのはリフォームからまだ3年ほどしか経っていないお部屋のトイレ。

リクシル(Lixil)製の暖房便座一体型の新しいトイレが設置されていたので、入居者さんからトイレが詰まって流れないという相談を受けたときは驚きました。
駆けつけてみると見事に詰まって、便器のフチのちょっと下まで水がたまってしまっています。あたりまえですが、汚物も流れずに水も汚い状態で入居者さんも恐縮した様子です。どうやら、以前からどうも水の流れが悪かったらしく、そのつど便器掃除用のトイレブラシでつっついて解決していたそうなのですが、今回はついに流れなくなってしまったんだとか。

うちでは、こんなときのためにトイレ詰まりを解消するラバーカップ(スッポンとか呼ばれているアレ)を倉庫に置いてあります。
といってもいわゆるカップ型のものではなく、先端がデコボコしていて柔軟性のあるパイプクリーナーです。

シリコンヘッドが便器の排水管の形状に合わせて変形してくれるので奥までしっかり届き、単なる詰まりであればけっこうな確率で解消してくれます。このときも便器の奥までつっこんで何度もグイグイ動かすと見事に詰まりが解消されました。家庭に置いておける詰まり対応アイテムとしては非常に便利でおすすめです。
しかし、これはあくまでその場しのぎの対応策で、詰まりの原因を根本的に解消できるわけではありません。
このときも無事に流れて一件落着と思われたのですが、後日、また詰まりが発生。そのときもこのラバーカップを持参してなんとかしたものの、このくりかえしは入居者さんにも迷惑だと思い、業者さんに相談することにしました。
■業者さんによる点検で水量を増やしたものの…
業者さんに話を聞くと「実は、リフォームの場合、トイレが新しくなったからといって詰まりが起きないかというと、そうじゃないんです。水量が多くて勢いよく流れる古いトイレにくらべて新しいトイレは節水仕様になっているので、古い配管に詰まってしまうこともあるんです」とのこと。
なるほど、言われてみれば昔のトイレでこういうトラブルが起こったことはありませんでした。

うちのマンションにもともと設置されていたフラッシュ式と呼ばれるトイレは、タンクに水を貯めず水道管に直結させて流すタイプです。

レバーを引くと高い水圧を利用して「ジャーッ」と一気に水を流す仕組みです。これにくらべると、最近の節水性能の高いトイレの水流は頼りない感じがするのは否めません。
うちのマンションの配管構造はこのフラッシュ式のトイレを前提に造られたため、新しい節水トイレだと十分に流しきることができない場合があるということのようです。

業者さんと一緒に現場を訪れてトイレの現状を確認しましたが、故障らしき問題は見当たりません。やはり新しいトイレの水流だと足りないからなのではないかということで流れる水の量を増やすという対策を提案されました。

ごぞんじの方も多いかもしれませんが、トイレのレバーを引くと、その先のチェーン(写真の黒い部分)が上に上がり、引っ張られてフタ(ゴムフロート)が上がり、水が流れる仕組みとなっています。
そこで、このチェーンを調節することで流れる水の量を増やすことができるんだそうです。

入居者さんとも相談してチェーンの調節でできるかぎりたくさんの水が流れるように設定してもらいました。このおかげでその後しばらく詰まりが起きることはなかったのですが……。
■結局、トイレ本体を交換してようやく詰まりが解消した
しかし、半年ほど経ったある日、またトイレが詰まってしまったという連絡を受けました。結局、水量を増やしても根本的な解決にはならなかったのです。
残念ではありますが、業者さんに再度相談して、これはもう交換するしかないという話になり、節水性能の高くないノーマルなトイレを手配してもらうことにしました。

というわけで、入居者さんと調整して工事を実施。水道屋さんがトイレを取り外し、

新しいトイレを設置してくれました。ご家庭でよく見かける、非常にオーソドックスなTOTOのタンク式トイレです。

困ったことに新しいトイレは交換前とくらべてやや背が低く、塗装されていない背面の壁があらわになってしまいました。

後日、簡単に張れるタイルシートで隠しました。

さて、問題の詰まりはというと、この交換以降、6年の間で一度も発生していません。トイレの交換のおかげでようやく詰まりの問題が解決したということになります。
しかし、ここで疑問が残ります。

実は、今回、詰まりが発生したウォシュレット一体型トイレとまったく同じ型のトイレがほぼ同時期に別の部屋にも設置されていたのですが、そちらでは一切何のトラブルも起こっていないのです。これはどういうことなのか?
もし今回の詰まりの原因が「節水トイレと古い配管との相性の問題」に起因しているのであれば、同じトイレが設置された他の部屋でも詰まりが起こるはずではないでしょうか?
次回は、この点を掘り下げて、引き続きトイレの詰まり問題について考えます。