(694)【前編】乾太くんを後付け設置する難しさを実感した

世田谷のマンション

今回から二回にわたってガス乾燥機の乾太くんを導入した際の体験談をお届けします。

ポイントは「どうやって乾太くんを後付けで設置するか?」です。前編は、試行錯誤の末に最終的な設置方法にたどりつくまでのプロセスをお話します。


■素早くしっかり乾燥できる「乾太くん」で家事の手間を減らしたい

僕が管理するマンションの中には、老いた父と妹家族が暮らす「実家」部分があります。十年ほど前にリフォームしたのですが、主に家事をこなしてくれていた母が亡くなり、妹夫婦に甥っ子が生まれるなどして、家族を取り巻く状況がずいぶん変わりました。妹夫婦は共働きで子育てをしているので、なるべく家事の負担を減らせればという思いがあり、乾太くんの導入を決めました

既存の洗濯機

もともとあった洗濯機には乾燥機能が付属していますが、性能はいまひとつ。時間がかかるうえに、ところどころ生乾きで若干の臭いが残るのが気になっていました。

浴室乾燥機

浴室乾燥機も使っていましたが、こちらの乾きもいまひとつな上、帰宅後のバタバタの中で洗濯物を回収しないと、お風呂に入れないという弱点がありました。

そこで検討したのがリンナイ(Rinnai)のガス衣類乾燥機「乾太くん」でした。

【リンナイ公式ページ】ガス衣類乾燥機「乾太くん」

公式ページによれば「洗濯物がわずか1時間で乾く。パワフルな温風で繊維が根元から立ち上がり、ふんわり仕上がる」とのこと。「衣類乾燥を速く、心地よく」というのは、忙しい共働き夫婦にとってはかなりありがたいでしょう。


■公式ページの簡単診断では設置可能とのことだったが…

ただし、乾太くんが設置できるかは、その住宅の個別の事情にかなり左右されます

まずは、公式ページで簡単診断できるので、そちらを試してみるのがおすすめです。

【リンナイ公式ページ】置ける!? 乾太くん

「戸建てかマンションか」「賃貸か分譲か」「ガスを使用しているか否か」「給湯器の設置位置は玄関かベランダか」などのQ&Aに答えて診断していきます。

診断の結果はというと…

乾太くん設置診断結果
公式ページより引用しました

我が家は無事に設置できるという結果だったのですが、この「条件次第で」の部分がなかなかシビアだということをこのときの僕はまだ知りませんでした。


■設置スペースをどう確保するかが難しい

いつもうちのマンションのリフォームをお願いしている業者さんに相談してみると「スペースに限りのあるマンションで、後から乾太くんを設置するのはなかなか難しいんですよ」と言われました。

乾太くん設置前の脱衣所

乾太くん設置前の脱衣所です。洗面の横に洗濯機がならんで置かれていて、比較的ゆったりとしたスペースです。

乾太くんについてよく知らなかった僕は、洗濯機の向きを変えて、隣にならべればいいんじゃないかと思っていたのですが、ノーマルな5キロタイプで横幅は「65cm+9cm」が必要で、コンパクトな3キロタイプでも横幅「55cm+9cm」は必要。洗濯機よりも大きいくらいのサイズ感です。

脱衣所の空きスペース

当然ながら、このていどの空きスペースでは床置きはできません。


■乾太くん専用台の設置もムリ

続いて検討したのが、専用の架台を使って、洗濯機の上に乾太くんを設置するという方法でした。

リンナイの公式ページによると、

乾太くん専用台
公式ページより引用しました

乾太くんにはさまざまな専用台がラインナップされていて、屋内・屋外を問わず設置できるようになっているのです。

これを使って、洗濯機をまたぐように真上に設置できればと考えましたが、これもムリ。

洗濯パン

ひとつめの障害は洗濯パン。壁にぴったりと寄せられて設置されているので、専用台の脚の置き場がないのです。台を置きたければ洗濯パンの位置をずらす必要がありますが、そうすると水道屋さんに作業をお願いする必要があり、工事の手間がかかります。

頭上の太い梁

さらにふたつめの障害は、頭上の太い梁。専用台にのせると乾太くんが梁にぶつかってしまうことがわかりました。仮に専用台が置けたとしても、これでは洗濯機の上には収まりません。

現地調査をしてくれた業者さんも悩んだ様子で、ひとまず持ち帰ってアイデアを練ってもらうことになりました。


■棚の造作で奇跡的な収まりが実現した

しばらくして、業者さんから新しい提案をいただきました。

先日の提案どおり、洗濯機の上に乾太くんを設置するのですが、専用台を使うのではなく、大工さんに棚を造作してもらうというアイデアでした。

乾太くん設置イメージ

図にしてみるとこんな感じ。洗濯機の上に壁付けの丈夫な棚を造り付け、そこに乾太くんを置くのです。なお、洗濯機の向きは乾太くんとそろえて前を向かせます。

このやり方ならば棚の高さは融通が利くので、洗濯機のフタが開き、かつ、天井に乾太くんがぶつからないくらいように設置位置を調整することができるのです。

とはいえ、既存のスイッチやコンセント類との絡みもあり、収まりをつけるのがなかなか難しくなりそうですが、なんとかいけるだろうというのが業者さんの判断でした。個人的には、これで収まるなら見た目もスッキリしそうだと感じ、工事をお願いすることにしました。

工事の詳細については次回に譲るとして、設置後の様子をごらんください。

乾太くん設置後

洗濯機の上に見事に乾太くん(スタンダートの5キロ)が収まりました。横幅が洗濯機と同じくらいなので、見た目の幅もそろって、想像以上にスッキリと仕上がりました。

懸案だった棚の位置も、

造作棚の収まり

既存のコンセントや、

造作棚の収まり

浴室乾燥機の操作パネルのギリギリを攻めた見事な収まりです。

洗濯機のフタ

洗濯機のフタだってちゃんと開けられます。

さすがプロ!と感動しました。

次回は、この設置工事の一部始終をリポートし、かかった費用をまとめます。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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