(695)【後編】乾太くんの設置プロセスと費用をリポートする
前回、リンナイ(Rinnai)のガス衣類乾燥機「乾太くん」の設置方法について検討しました。
(694)【前編】乾太くんを後付け設置する難しさを実感した
今回は、実際に設置工事をおこなった際の一部始終をリポートしたいと思います。あわせて設置にかかった費用も公開します。
■工事は大工さんによる窓ガラスの加工からスタート

設置前の様子はこんな感じでした。
いろいろ検討した末、業者さんから提案いただいたのがこちらの案。

大工さんに洗濯機の上に棚を造作してもらい、そこに乾太くんを置くという設置方法です。なお、洗濯パンはそのままで洗濯機は乾太くんに合わせて向きを変えます。
業者さんによると工事は二日に分けて二段階でおこなうとのこと。
【一日目】大工さんによる棚の造作工事など
【二日目】専門業者さんによる乾太くんの取り付け工事など
まずは初日の作業ですが、

洗濯機の向きを動かすところからスタートしました。
後ろの窓が開いているのは、ガスの配管作業の準備のため。

というのも、乾太くんの設置にはガス給湯器からガス管を引っ張ってくる必要があるので、窓ガラスをアルミ複合パネルで入れ替え、配管を通す必要があるのです。

大工さんが窓ガラスとまったく同じサイズに切り出して交換してくれました。
■壁内の下地を確認しながら造作棚を取り付ける

続いて、造作棚の設置位置に目印を付け、

壁内の下地を探りながら、棚受けをビスで固定する位置を検討していきます。

どうしても下地の都合がつかない箇所があったらしく、コンセント穴から角材を壁の中に入れて補強するという裏技(?)も駆使していました。

取り付け位置が決まったら、ビスをもんで棚受けを固定していきます。

レーザーで墨出しして位置を確認しながらの作業でした。

サイズぴったりに切り出した棚板をのせ、

先ほど取り付けた棚受けにビスで留めていきます。

かくして造作棚の設置が完了しました。
前回もご紹介したとおり、

コンセントや、

パネルなどと干渉しないギリギリの位置を攻めつつ、

既存の洗濯機のフタが開く高さに設置してくれました。
たった棚板一枚の設置にも丁寧な作業と緻密な計算が詰まっているのを目の当たりにして、さすがプロだなと唸らされました。

初日の作業はこれにて終了。朝イチから始まってお昼休みを挟んで午後3時くらいまでの作業でした。
■二日目はガス屋さんの配管工事から
二日目。乾太くんの取り付け業者さんが来る前に、まずガス屋さんが配管工事をおこないにやってきました。

前の日に取り付けたアルミパネルに穴を開け、ガス配管を取り付けていきます。

配管をたどっていくと、元々のガス管から乾太くん用に分岐が設けられたのがわかります。

室内側にはガスコンセントが。ここに後ほど乾太くんを接続します。
■下準備が整っていれば、本体の設置は短時間で済む

ちょうど作業が終わるタイミングで、乾太くんの設置業者さんが到着。

今度は、乾太くんから出る排気が通るダクト用の穴を開けます。ガスの供給用の配管に加え、排気用のダクトも必要だとは、なかなか大変です。この配管の取り回しが可能かどうかも設置の可否に関わってくるそうです。

この穴にダクトを通し、

いよいよ乾太くんが造作棚の上にのりました。

ダクトをつないで、運転確認をしたら設置完了。
もろもろの下準備さえ済んでいれば、設置作業は一時間もかからないで終わります。
■最後に物干しポールを移転してすべての工事が完了
しかし、まだ終わりではありません。
昨日の大工さんが再度やってきて作業が始まりました。
実は、乾太くんの上に若干のスキマが残ったので、

もともと付いていた物干しポールを付け直してくれたのです。

位置はちょっと高めではありますが、手を伸ばせばなんとかハンガーがかけられる高さ。

これがあるとやっぱり便利です。ありがたい提案でした。

これにてすべての作業が完了。

想像以上にきれいに収まったので大満足です。右横にスペースが余ったので、ちょっとした収納にも使えそう。

早速、洗濯物を乾燥してみました。中に洗濯物を放り込んで、

ピッと押すだけ。公式ページの説明では「ガスならではの温風が繊維1本1本を立たせて乾燥させるから、ふんわりやわらか」に仕上がると謳っていますが、たしかに一時間ほど待つだけでフワッフワに乾きます。これは本当に便利!妹夫婦も便利になったと喜んでいました。よかったよかった。
■設置にかかった費用はすべて込みで「36,2000円」
最後に気になる費用をまとめましょう。

乾太くん本体の代金も含めてかかった総額は税込み「36,2000円」でした。
税抜き価格で、内訳を見ていきましょう。

まず、本体の価格が「12,4100円」。ちなみに、メーカーの希望小売価格「146,000円」ですから掛け率は「85%」でした。

大工さんによる工事が「57,000円」。現場の養生からガラスの交換、棚の造作など含めての価格です。

一方、ガスまわりの配管工事などは「42,000円」。

乾太くん本体の設置作業費は「80,000円」でした。
以上に現場管理費などが加わり、端数の値引きをしていただき、消費税を加えて「36,2000円」となりました。
■デメリットは「費用がかかること」と「スペースを取ること」
「36,2000円」という総額だけ見ると「けっこう高いなあ」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。実際、ネットなどで調べた相場よりも若干高めの設置費用となりました。
しかし、こういう個別の事情に左右される類の工事において相場はあってないようなもの。我が家のケースでいえば、設置が難しい状況の中でいろいろと知恵を絞っていただいた業者さんをはじめ、大工さん、ガス屋さん、乾太くんの設置業者さんなど、多くの職人さんがかかわってくれたことを考えると妥当な金額だと感じています。既存の洗濯機を買い替えることなく乾太くんを設置できたという意味でも満足感はありますし、個人的には納得しました。
前回も書いたとおり、乾太くんの設置方法はさまざまですから、我が家の設置費用もあくまで参考ていどにお考えいただきたいのです。個々の住宅で個別の事情があるでしょうから、もっと安価にできる場合もあれば、もっと高額になる場合もあるはず。信頼できる業者さんに見積もりを取ってもらって費用対効果も含めて検討するのが大事です。
そもそも、最新のドラム式洗濯機とくらべても高額なのは事実ですから、気軽に導入できるものではないでしょう。もし現状の洗濯機の乾燥機能に不満がないのであれば、わざわざ導入する必要はないかもしれませんから慎重に考えるべきです。
もうひとつ難点を挙げるならば乾太くんが設置されるぶん室内が狭くなってしまうこと。

乾太くん設置前と後を比較してみました。いくらすっきり収まったとはいっても、圧迫感はありますし、窓が半分以上ふさがったので、だいぶ室内が暗くなってしまいました。
うちの場合のように後付けで乾太くんを設置する場合は、かなりの確率で上下の重ね置きになると思いますので、この点はあらかじめ覚悟しておくべきでしょう。

















