(699)【テーブルDIY④】失敗した木部塗装にやすりがけして塗り直す
ここ数回、テーブルDIYをおこなってまいりました。
前回は、天板に木枠を接着し、ワトコオイルのナチュラルで塗装しました。

濡れ色がしっかり付く印象のナチュラルでしたが、エゾ松で造った木枠にはいまひとつ色がのらなかったのは予想外の失敗でした。もう少し黄色がかった色味になると期待したのが甘かった……。
今回は、もう少ししっかり色を付けるべく、「ナチュラル」よりも濃い色味のワトコオイルで重ね塗りにトライします。ところが、表題のとおりバッチリ失敗してしまい、結局、やすりがけをおこなって塗装前の状態に戻し、再塗装することとなりました。その顛末をリポートします。
■ワトコオイルを重ね塗りしたが、粗が目立って失敗
ところ変わって場所は世田谷。

スケジュールの関係で天板を持ち帰り、事務所で作業の続きをおこなうことにしました。

ワトコオイルの「ナチュラル」で塗った木枠は、期待したよりも浅い色になってしまいました。もう少し木材らしいブラウンを感じさせる色味にしてみたいのです。
そこで、より濃い色のワトコオイルで重ね塗りをすることにしました。

用意した色は「ミディアムウォルナット」です。
その名の通り薄すぎず濃すぎずのブラウンカラーです。

これを上から塗れば当初期待したような色に仕上がるのではないかと思ったのです。

では、塗っていきましょう。

お、けっこう色がのったか、と思いきや……

ウェスでふきとると、だいぶ色が落ちてしまいました。すでにナチュラルが入った状態なので無垢の木材に塗るよりも色の入り方が浅くなるのでしょう。
この色味は許容範囲なのですが、困ったのはパテでスキマを埋めたコーナー部分。

前回も触れましたが、やすりがけが甘い箇所があるとパテが残った部分にはオイルはのらないので塗り残しができてしまうのです。パテもホワイト系のものを使ったので、木部が濃く塗られれば塗られるほど色味のギャップが際立って気になってしまいます。
はっきり言って失敗です。
■やすりがけをして塗装を落としてみることに
いつもなら手間暇を惜しんでこのまま進めてしまうところですが、今回ばかりは塗装の出来に強い不満があったので、思い切って表面を削って塗装を落とし、あらためて別の色で塗り直そうと決意しました。

というわけで、屋外に移動したものの、紙やすりのセットを山小屋に置いてきてしまったことに気づきました。

手元にあったものをかき集めてこれだけ。粗目の40番、間が空いて120番と240番。ちょっと心もとないところではありますが、買いに行くのも面倒だったので、これで削っていくことにしました。

まずは40番でゴリゴリやすっていきます。

かなり粗目なので、みるみる塗装が落ちて白くなっていきます。

塗装はほとんど落ちましたが、表面がだいぶ荒れてしまいました。

120番で削り直して表面を整えたところ、けっこうきれいになりました。

さらに240番で仕上げて手触りも滑らかになりました。
コーナー部分に少々の黒ずみは残ってしまいましたが、かなりリカバーできた気がします。この状態なら新しく塗装することができるはずです。一度ワトコオイルを塗った木材でも、紙やすりで落とせば塗り直しができるとわかって勉強になりました。
■ホワイトのステインとワトコオイルで塗り直し
さて、問題はこのあと。

せっかくきれいになった表面をどう塗り直すかは悩ましいところ。
塗り直しも失敗すれば、今度こそ気持ちが折れてしまいますから、安全パイを狙おうと思いました。

このエゾ松の枠はもともと白いので、それに逆らわず、白みをより強める方向を目指すことにしました。

最初に使うのはアサヒペンの「ウッドジェルステイン」のホワイト。
以前、熱海の寝室の床を塗ったときに使ったもの。
詳しい塗装方法は以前の記事をどうぞ。

布に出して塗り込むように塗装します。

この下塗りのおかげで、もともとの木材が持っていた白みが強調されました。

ステインで色が付いたら、続いて表面を保護するための塗装をおこないます。

ここでも「ホワイト」のワトコオイルを選びました。
こちらも熱海の寝室の床を塗ったときに使ったもの。

ハケで塗りました。

木目を残しつつ、白い木枠に生まれ変わりました。
さらに翌日、塗装が乾いたのを確認してから二度目のワトコオイル塗装をおこないました。

今度はダメ押しのウェット研磨。ハケで塗ったオイルが乾かないうちに耐水ペーパーでやすりがけをして表面の手触りを向上させる技法です。詳しくは以前の記事をどうぞ。
塗料を含んだ細かい削りカスが木材の表面の凹凸に入り込み、滑らかな表面を生み出してくれます。

ようやく白く塗った木枠が完成しました。
選んだタイルの色は白系なので、この枠にはぴったり合うはずです。次回はタイルを張って脚を取り付け、テーブルを完成させます。

















