(706)熱海のリゾートマンションの間取りについて考える
最近、山小屋の話が続いておりましたが、ひさしぶりに熱海のリゾートマンションの話をいたします。

この部屋は僕が管理している世田谷のマンションに暮らす入居者さんならだれでも使える保養所なのですが、室内をリフォームして多くのゲストを迎えてみて、間取りについていろいろ気づくことがありました。
今回は、間取りの変遷と実際に使ってみて実感したポイントについてご説明したいと思います。
■もともとは細かく区切られた「ザ・昭和」な間取り
このマンションは購入時に築50年を迎えんとしていた築古の建物。手元に分譲時の資料のコピーがありましたので、ごらんください。

部屋の広さは約50平米。
間取り図の上側が海に面しており、サンルームのような小さなスペースが設けられています。その右横にも海に面した浴室と洗面があります。
サンルームの手前には六畳の和室があり、障子で区切られており、ダイニングキッチンと隣り合っています。
一方、間取り図の下側、共用廊下に面した六畳に満たない小さな部屋は、ベッドが描かれているところから寝室として想定されていたのがうかがえます。
細かくスペースが区切られているところがいかにも昭和の物件らしいなと感じますね。正直、この間取りのままだったら、僕はこの物件を買おうとは思わなかった気がします。
■広いリビングダイニングに加えてもうひと部屋ほしかった
僕が内見した当時はこんな感じでした。

既存の壁などが取り払われ、和室の面影をまったく感じさせない状態。

天井と床の色味のちがいにかつての和室とサンルームの境界をかすかに感じ取ることができます。売主さんがこの物件をどんなふうに使っていたのか謎ですが、半分解体されたような空間に僕は魅力を感じました。
そのときの室内を間取り図にしてみるとこんな感じ。

和室が撤去されていたおかげで部屋の広さが感覚的に把握でき、リビングダイニングだけでゲストの滞在が完結できそうだとわかりました。
それならば、廊下側に面した小さな部屋(寝室)は僕が「スタッフルーム」として個人的に使うことができます。ここがポイント。
この小部屋ですが、六畳に満たない広さしかなく、

床の絨毯もボロボロ、壁にはタバコのヤニ汚れが付着していてひどい状態でしたが、それは大きな問題ではありません。マンションを訪れるお客さんの目に触れない場所にDIYのための工具や材料、僕個人の私物や寝具などを置いておけるので、スペースの区分がしっかりできてゲスト用のリビングはすっきりときれいに保つことができるのです。
■夫婦二人の滞在なら広いリビングダイニングで十分
さて、リフォームに際して間取りはいじりませんでした。

壁紙をはがしたり天井を塗ったりしてリビングをリニューアル。

部屋の隅にあるキッチンも既存のものをリメイクし、隣にダイニングテーブルを置きました。

こちらがリフォーム後の間取り図。キッチンと食卓をコンパクトにまとめたおかげで、かつての和室とサンルーム部分はあえて何もない空間にすることで広々とした印象を与えることができたと思っています。

リフォームが完了して部屋を使い始めてみると、夫婦二人の滞在ならば寝室をまったく使わなくても快適に暮らせるだけの広さであると実感できました。
言い換えれば、ゲストの方々が宿泊しにきても、このリビングダイニングの部屋だけで問題なく過ごせるということです。
■小さな部屋がもうひとつあると生活がより快適になる
そんなわけで、廊下側の小部屋はDIYがほとんど終わって運用を開始してからも物置のような空間のままでした。

汚すぎる絨毯の上には大きな養生シートを敷きっぱなし。妻からはこの部屋もリフォームして快適にしたいという声が上がりました。僕自身はリビングダイニングや水回りのDIYを終えたばかりで乗り気ではなかったのですが、珍しく妻も手伝ってくれるというのでこのチャンスを逃すわけにはいくまいと重い腰を上げました。

夫婦二人で床を張り替えたり壁を塗ったりして雰囲気を一新。

僕らが使うマットレスや敷きパッド、着替えの入った収納なども置いて、寝室としてちゃんと使えるようになりました。

小さなテーブルとディスプレイを置いてデスクワークもできるようにしました。
リビングダイニングだけで十分と思っていたものの、もうひと部屋使えるようになると想像したよりも便利でした。
妻は夜型で朝起きるのが遅いので、僕は早めに寝床を抜け出して、リビングダイニングでゆっくり過ごすことができます。逆に、妻がリビングで夜更かしするときでも、僕は遠慮なく先に寝ることができます。ひとりが寝室で仕事をしつつ、もうひとりはリビングでのんびりくつろぐ、なんてこともできます。
やはり、「プラスもうひと部屋」あることで生活の自由度がより高まると感じた次第です。

そこで、はたと気づきました。僕ら以外のゲストのみなさんにもこの快適さを提供すればいいじゃないか、と。
DIYで室内をいじることもほとんどなくなり、工具などを世田谷のマンションに持ち帰った結果、僕ら夫婦の私物は収納にしまった着替えと寝具くらい。貴重品の類いもまったくありませんから、ゲストと共有したところで困ることはほとんどないのです。
実際、寝室をゲストに開放して半年以上経ちますが、まったく困ったことはなく、ゲストのみなさんにも好評です。リビングに加えてもうひと部屋使えるようになったことで、夫婦やカップルで部屋を使い分けるだけでなく、親御さんやご友人と一緒に泊まりに来て寝る場所を分けるという方もいるようです。
購入から3年以上が経ちましたが、我ながらいい間取りの物件を選んだものだとあらためて感じています。
実は、熱海のリゾートマンションには、うちよりももっと狭い物件も多いのです。具体的にいうと広さは20~30平米ほどで、うちのマンションから寝室を取り除いてリビングを少し小さくしたくらいの広さ。
たとえば、こんな感じでしょうか。

個人で所有して夫婦2人か家族4人くらいで宿泊するならばこれでも問題ないかもしれませんが、ぼくのようにゲストと一緒に滞在したり、時には一緒に宿泊したりする場合には狭すぎるのです。
そんなわけで、広いリビングダイニング+小部屋(寝室)という間取りが、僕にとってはベストなのだと思っています。

















