(708)追い炊きのない風呂の湯船を「沸かし太郎」で温めてみた
前回に続いて、熱海のマンションをちょっぴり便利にする作業をおこないます。
今回の舞台はお風呂。

さすが熱海のリゾートマンション、海を一望できる素晴らしい眺望なのですが、古い在来のタイル張りの浴室で追い炊き機能がありません。

一人で訪れるならば問題ないのですが、二人以上のときは不便。お湯を熱めに沸かしても一人目が入ると湯船の温度は下がり、二人目が入浴するときにはぬるめの湯船になってしまいます。
我が家は妻が熱めのお湯が好きで、僕は熱いのは得意ではないので、妻→僕の順番に入浴すればさして困ることはなかったのですが、それでも真冬となると風呂上りに肌寒さを感じることがありました。
先日も書いたとおり、最近はスタッフルームだった小部屋もゲストに貸し出し始めたこともあり、多人数で訪れるお客さんも増えてきました。そうなると、お風呂が追い炊きできないのは不便なのはまちがいありません。
そこで、用意したのがこちら。

クマガイ電工株式会社の多用途加熱&保温ヒーター「SUNART 沸かし太郎 SCH-901」です。
浴槽に沈めて湯船の温度を上げる「投げ込み型の湯沸かしヒーター」。

開封してみました。コンセントから給電される電気の力でスティックから発熱し、水を温めるという仕組みです。左上に見えるのが操作に用いるコントローラーです。

パッと見だと「こんなものでお風呂が沸くんだ」と思うような印象。
■20度の湯船は四時間半かけて40度まで温まった
本当は熱海で試したかったのですが、待ちきれず世田谷の自宅で試してみることに。

ごらんのとおり、最小サイズのユニットバス(1015サイズ)で浴槽も膝を曲げなければ入れないコンパクトさであることをご承知おきください。

季節は真冬。ちょうど前日の湯船が残っていました。

温度を測ると約20度。この時期、水道水は10度を切りますからそれよりは温かいものの、かなり冷えた状態です。

この20度の水を「沸かし太郎」を使って40度まで温めるのに一体どれだけの時間がかかるのか、実際にやってみたいと思います。

まずは電源に接続しない状態で本体を浴槽に沈めますが、斜めの状態はダメ。

しっかりと浴槽の底に横たわる状態にします。

加熱中に熱が逃げないようにフタを閉めたら準備完了。

ここで電源プラグをコンセントに挿します。本当は後述のとおりアース線につながなければならないのですが、試しということで今回はふつうのコンセントに接続しました。

あとはコントローラーのダイヤルで温度を設定し、

スイッチオン。「POWER」が赤く点灯すると加熱が始まります。

動作音は控えめで気になりません。あとは沸くのを待つだけなのですが、今回はテストなので30分おきに温度を測ってみることにしました。
開始したのは午前10時で湯船の温度は「20.1度」。一方、天気予報サイトによれば当日の世田谷の外気温は大体10度でした。
さて、温度の上がり方はといいますと、

10時半に「23.3度」、11時に「26.0度」、11時半に「28.3度」、12時に「30.3度」、12時半に「32.5度」、13時に「34.2度」でした。
三時間かけて14.1度、お湯の温度が上昇したことになります。一時間あたりの上昇温度は4~5度ですから、この小さい湯船でもかなり時間がかかります。

この後も加熱を続け、14時半にようやく「40度」に到達しました。朝10時に20度だった湯船が、四時間半をかけて40度に「追い炊き」されたことになります。
先ほども申し上げたとおり、浴槽が最小サイズであること、真冬であることなどが前提条件。もし浴槽が大きかったり、季節が真夏だったりすれば、追い炊きにかかる時間も大きく変わってくることでしょう。

加熱が完了したらコントローラーのスイッチを切り、

本体を直接持たずに、付属のリングをつかんで、

湯船の上に引き上げます。コードをつかむと断線するリスクがあるので、必ずリングで持ち上げましょう。

水気を切ったら、付属のホルダーに置いて乾かします。
これでようやく温かいお風呂に入れるというわけ。

湯船の温まり方にムラがないか不安でしたが、ふつうにガス給湯器で追い炊きしたときと差はないと感じました。
ですが、お風呂に入ろうと思ってから四時間半待つのはさすがに長かったなあ、というのが本音。
毎回これくらいかかるとすると、入りたい時間から逆算してかなり前に加熱を始めなければならず、とても実用的とは言えませんよね。
後述するとおり、さらに大きな浴槽ならばもっと時間がかかります。ふつうに考えたら、一度お湯を抜いて入れ直したほうが早いと考えるのではないでしょうか。
したがって、「ガス給湯器や電気温水器が故障した」みたいな緊急時を除けば、ふつうの水道水からお風呂を沸かすのに「沸かし太郎」は不向きだということになりそうです。
■ちょっと温度が下がった湯船の追い炊きに便利
しかし、複数人数が続けて入浴する場合の軽い追い炊きという用途ならば話がちがいます。湯船に人が入浴して下がるていどの温度なら「沸かし太郎」で温めるだけで十分に間に合うはずです。

というわけで、今度は熱海のマンションで試してみました。

浴槽は大きくはありませんが、深さはけっこうあり、世田谷よりも湯量は多く入ります。その点を加味すると、もう少し時間がかかりそうですが、どうでしょうか。

今度はしっかりアース線も接続して準備万端。

およそ40度でお風呂を沸かし、

一人目が入浴し終わった後の湯船の温度は37.6度でした。2~3度下がった計算でしょうか。

先ほどご紹介したのと同じ手順で「沸かし太郎」で加熱してみます。

30分後、お湯の温度はまだ38.5度。約1度しか温まっていません。やはり湯量が多いと時間がかかりますね。

さらに30分後、温度は39.4度。一時間で2度弱上昇しました。おおよそ40度に達したということで、ここで入浴することに。
一人目と二人目の入浴の間の追い炊きに約一時間。世田谷の自宅のように小さな浴槽なら30分ほど。この追い炊き時間をどう捉えるかで「沸かし太郎」の評価が分かれそうです。
僕の場合、熱海のマンションではゆっくりと過ごしているので、一時間を長いとはまったく感じません。でも、日常生活の中だとすると、朝や夜の慌ただしい時間に続けて入浴したい場合には一時間待たされるのは苦痛だという方もいらっしゃるでしょう。このあたりは個人の感じ方や家庭の生活サイクルによって異なるでしょう。

さらに、注意いただきたいのは、コントローラーは防水ではないので、浴室に持ち込んだり濡れた手で触れたりしてはいけないということ。
人によっては、入浴しながら下がってきた湯船を再度温めたいと考える方もいるかもしれませんが、お風呂に人が浸かったままで「沸かし太郎」を使用するのもNGです。このあたりはスイッチひとつで追い炊きできるガス給湯器とくらべて不便ですが、まあ、贅沢は言えないですよね。
■電源コードの取り回しや収納には工夫が必要
「どう設置して収納するか」も悩ましい問題で、アース線を接続できるコンセントが必須ですからコードの取り回しを考えなければなりませんし、置き場所も確保しなければなりません。

これは世田谷の自宅ですが、そもそも洗面まわりにアース線付きのコンセントがありません。
さらに、我が家のように脱衣所が洗面を兼ねたような狭小空間では、長いコードの付いた本体を置く場所を確保するのはなかなか難しい気がいたします。特に、使用直後は本体だけでなくコードも濡れているので、どう置けばいいのか迷います。
見た目で言っても、本体もホルダーもあまり洗練されたプロダクトではないので、そのまま丸見えで収納するのにも抵抗があります。

熱海のマンションでは、近くに洗濯機があり、アース付きのコンセントもあったので、洗濯機裏を回り込むかたちで電源コードを接続することができました。

コントローラーは壁面収納に引っかけたS字フックに吊るし、本体については付属のホルダーは使わずに、洗面の下に置いたバケツに吸水性の高いクロスを敷いて置いてみました。
使ったのは、激落ちくんでおなじみのLEC(レック)の「すっと吸水!万能クロス」。

浴槽から引き上げたばかりの本体からは水が滴っているので、この吸水クロスで吸水してなるべく早く乾かすようにしたいと考えたのです。

先ほども触れましたが、電源コードと本体がつながる部分に負荷をかけると中の電線が断線する怖れがあるので、収納時にはコードには余裕があるように置きましょう。壁のフックにコードを吊るしたりするのは厳禁です。

とまあ、こんな感じで上手に使いこなすにはそれなりに工夫も要りそうですが、なんといっても追い炊きのないお風呂で冬場に続けて入浴して、ちゃんと温かい湯船に入れるというのは本当にありがたいです。
「沸かし太郎」、用途をしっかり見定めれば、かなり便利な商品だと感じました。追い炊きのない築古物件にお住まいのご家族などなら検討する価値は十分あります。
なお、アマゾンで検索すると日本人には発音ができない謎のブランド名を冠した「投げ込みヒーター」が多数見つかり、その安さに驚くはずですが、水の中で使う電気製品で得体の知れない製品を選ぶのは避けたほうがいいと個人的には思います。
次回も熱海の話。脱衣所にコンパクトな衣類乾燥機を設置してみます。

















