(716)【後編】「エースホテル 京都」宿泊体験記
引き続き、「エースホテル 京都」(ACE HOTEL KYOTO)の宿泊体験記をお届けします。
前編では「ヒストリック・ツイン」の室内を詳しくご紹介しましたが、今回はホテル内のカフェやレストラン、駅直結ならではのアクセスの利点などについてお話します。
■気軽な格好で散策し、ショッピングを楽しみ、お茶や食事ができる

外から見ると、大きな建物にしか見えない「エースホテル」ですが、

さまざまな方面から中庭に入ることができ、ぶらぶら歩きながら回遊できる構造です。

通り抜けることもできるので通勤や観光の人々の通り道にもなっています。ショッピングストリートとホテル、中庭がゆるやかにつながっているのも面白い造りですね。
僕が滞在したのは真冬だったので京都はめちゃくちゃ寒かったのですが、このあたりまでなら寒さを気にせず気軽に出歩けるので宿泊者としてはありがたかったです。

僕らはアパレルや雑貨のショップを冷やかしながらブラブラしたあと、「本と野菜 OyOy」に立ち寄って個性的なセレクションの本棚を眺めながらトウファとプリンをいただきました。

カフェといえば、ホテル内の「スタンプタウンコーヒーロースターズ」が人気です。

ポートランドのコーヒー店の日本初出店だそうで、「旧京都中央電話局」の外壁を活かしたロビー直結の入口が素敵。

ロビー側には店名すら出ていませんが、柚木沙弥郎の描いたポットが文字よりも雄弁に語っています。

タイル壁の素敵な店内でコーヒーや軽食をいただくのもいいですが、

遅めのチェックアウト(12時まで)を活かしてテイクアウトを室内でゆっくり楽しむのがおすすめ。

室内のレコードプレイヤーに針を落としてBGMに。ユーミンの懐かしのアルバムを選びました。
■真夜中のそぞろ歩きもまた一興

真夜中に人気のなくなったホテル内をブラブラ歩きするのも楽しかったです。

びっしり人で埋まっていたロビーも夜中にはほぼ無人に。

流れる音楽を聴きながら、ソファスペースを独り占めしながら読書したり、

誰もいないギャラリーを見て回ったりと、広々とした空間を満喫することができます。

ゆっくり歩くと、気ぜわしい昼間には気づけなかった発見もあります。

大小のスクエアタイルをボーダーと組み合わせたタイル壁や、

ブラウンの丸タイルを全面に張った共用トイレなど、タイル好きとしては興味深いポイントもじっくり眺めることができました。
■折り目正しいホテルにない「外し」が魅力
前回ご紹介した室内のインテリアもそうですが、「エースホテル」って随所に「外し」を効かせているのが魅力なんですよね。

エキゾチックなエレベーターホールのネオン、

布で作られたフロア案内図、

個性的なデザインが印象的なマップとカードキー、

廊下に置かれた黒電話(フロントに通じる)など、どれも「ホテルとはかくあるべし」的なスタンダードな形式からあえて逸脱しているのです。

ドント・ディスターブ・カード代わりにほうきを吊るすのも面白いアイデアですし、

フロントに荷物を預けたときの引き換えカードだって気が利いています。

この規模の高級ホテルは「格式」や「豪華さ」を追求する傾向にあると思うのですが、「エースホテル」は(いい意味で)そこから外れて独自路線を追求しているのが面白いのです。
個人的な印象では、こういう「外し」っていうのは小回りの利く小さなホテルの専売特許だと思ってたので、これをこの規模とグレードのホテルでやられてしまうと言葉もありません。

働いている従業員の人たちにも同じことが言えます。ホテルって、ビシッときまったホテルマンが丁寧過ぎる口調で案内してくれるものと相場が決まっていますが、「エースホテル」ではそうではありません。
スウェットを着た金髪のお姉さんや個性的な柄のセーターを着たお兄さんが気取らない雰囲気で応対をしてくれます。みんなにこやかな表情が板についていて、カジュアルだけど失礼な感じは受けません。アップル的というかスタバ的というか、これがアメリカ西海岸のスタイルのホテル接客なのか、と驚きました。
もちろん、こういうフランクなスタイルが好みに合わない人もいるでしょう。でも、いわゆるきれいで礼儀正しいだけのホテルってつまらないよね、と思う人には絶対に刺さるポイントが満載なのが「エースホテル」なのです。
■バー&タコスのラウンジ「PIOPIKO」
さて、チェックアウトしたのは京都滞在の最終日だったので、荷物を夜までフロントに預けて観光することにしました。

この日はいろいろめぐりあわせが悪く、目当ての店が休業日だったりして夕飯を食べそびれてしまい、少し早めにホテルに戻りました。

向かったのはバーラウンジ「PIOPIKO」です。「エースホテル」には食事が楽しめるレストランが3つありますが、そのうちのひとつがタコスというのも日本人的には物珍しい印象です。
ちなみに、残りの2つは「ファーム・トゥ・テーブル」を謳う「KOSA」と、アメリカ風イタリアンの「ミスター・モーリスズ・イタリアン」ですから、西海岸的なカルチャーだと捉えると統一感があるのかもしれません。カフェもポートランドですし。

夫婦そろって下戸なのですが、バーならではの照明を落とした雰囲気が楽しめたのは良い経験でした。

ホテルのバーというとバカ高いイメージもありますが、価格はそこまででもありませんでした(四種のタコス盛りで「3,450円」)。

僕は味をうんぬんできるほどタコス経験がないので他とくらべてどうこうは言えませんが、夕方にいただく軽食としては十分すぎるクオリティだと思います。
■駅直結だから京都駅へのアクセスもラクラク
なんといってもうれしかったのは、ホテル内のレストランでの食事は帰りの時間が読みやすかったこと。というのも、「エースホテル」は烏丸御池駅に直結しているので新幹線に乗るまでの移動時間が逆算しやすいのです。

食事を済ませて、ロビーで荷物を受け取ったのが19:30。

直結の通路で烏丸御池駅から地下鉄で京都駅へ向かいます。屋外を経由しないので雨の日も傘を差さずに駅に入れるのも荷物の多い旅行者には魅力だと思います。

烏丸御池駅構内の案内図を見ても、アクセスの良さがわかるはず。

京都駅の新幹線の改札を通って構内の待合室の前にたどりついたのが19:50でした。所要時間、わずか20分。こんなに早く着くとは思わず、待合室で少し時間をつぶしたくらいです。
時間に余裕を持っても新幹線に乗る30分前にホテルのロビーを出ればムリなく間に合うアクセスの素晴らしさも「エースホテル」の大きな魅力だと実感しました。
今回の旅では毎日ホテルを変えてみたわけですが、最終日がアクセスの良いホテルだったのは我ながら素晴らしい選択だったと思います。

前回お話したとおり、宿泊金額は1月下旬というオフシーズンの底の平日でもギリギリ5万円を切るくらいのハイプライスなので敷居は高いのですが、機会を見つけてぜひ再訪したいものです。


















