(365)「躯体あらわし」をインテリアの中心にする
※2023年4月10日追記
リフォーム後の室内の様子はこちらの記事にて公開しています。
前回、いろいろと参考文献を読んでみました。
「海のインテリア」というと「アクセントにブルーを入れる」「サーフボードや貝殻などのモチーフを取り入れる」などをよく見ますが、そういうステレオタイプにとらわれず自由に考えてみようと思いました。
あらためて室内を見回してみると、やはり躯体がむき出しになった壁が目を引きます。
世田谷のマンションでも天井などの一部を躯体あらわしにしたインテリアは何度か試しています。いわゆる「スケルトン天井」というやつですが、いつもホワイトで塗装を施して印象を柔らかくするようにしています。
白は部屋を明るく広く見せてくれます。
しかし、塗装を施さない壁や天井にはラフな魅力があります。
これぞ「ザ・スケルトン天井」といった感じ。廃墟じゃねえか、と言われればそれまでですが、そこはまあ、蓼食う虫も好き好きということで、今回はこのむき出しの躯体を活かしたインテリアを作ってみたいと思いました。いちばん大きな壁なのでリフォームの手間も省けて一石二鳥。
とはいえ、室内は完全にスケルトンになっているわけではないので、躯体あらわしとなっている部分以外をどう処理するかは問題です。
たとえば、写真の左側、洗面と浴室を囲む壁には壁紙が貼られています。実はこの壁の中はモルタル仕上げなので壁紙をはがせばむき出しにでき、躯体あらわしの壁と質感をそろえることができます。
壁紙が貼ってある梁などもすべてはがしたいと思います。
とはいえ、聞きかじった話では壁紙をきれいにはがし取るのはかなり大変な作業なんだとか。効率を考えると上から塗装してしまうほうがずっとラクなんでしょうが、ここはがんばりどころです。
こんなふうに考えていくうちに、なるべく余計なものを付け足さず、いらないものを削ぎ落とす「引き算のリフォーム」という方向性が見えてきました。
思えば、山の離れをリノベーションしたときは、柱とベニヤの壁しかなかった小屋に、内装用の木材や壁紙などを足していく作業だったので、あのときとはまったく反対になるのかもしれません。
壁紙が貼られた洗面(兼脱衣所)もはがせばモルタルの壁がむき出しになり、ラフな空間になるはずです。今まで試したことのないような雰囲気の洗面が作れそうでワクワクします。
うっすらピンクのタイルが張られた昔ながらのキッチンは、本体をそのまま残しつつもトビラなどをすべて取り除いてオープン収納にしてアレンジしてみようと思います。
押入れについても既存の建具は撤去して、全体を塗装しロールカーテンを付けます。
いつも世田谷のマンションでやっている定番の方法です。
もちろん、「引き算」しようがない場所もあります。
たとえば、天井の一部に施された白の吹き付け塗装。
削り落とせば躯体あらわしに戻せるのかも?と思ったのですが、業者さん曰く「アスベストが含まれている可能性があるのでやめたほうがいい」とのこと。これは上から塗装かな。
こちらはトイレ。壁紙を剥がせばモルタルの壁が現れるのですが、コンクリートのラフな質感が水色の便器とマッチするのかどうかは要検討。このへんは追い追い考えていこうと思います。
お風呂についてはあまり手を加えないことにしました。黒のスクエアタイルを張った今の雰囲気は気に入っているので、水の出が良くないシャワーなどの交換をしてやればいいのかな、と。浴槽の汚れは気にはなるのですが、そもそも浴槽の交換やタイルの張り直しなどをすると費用がうなぎのぼりになりますから、そこにお金を使うくらいなら他に回したいという気持ちがあります。
では、どこにお金をかけるかといえば…
そう、窓です。
熱海の海が一望できる窓は、この部屋のハイライト。 次回は、この窓をどうリフォームするか考えるために「窓リフォームの4つの方法」についてまとめます。