(402)コンポジションタイルを張るための地味な準備をこなす
熱海のマンションの床リフォームに東リの「コンポジションタイル」(フロアタイルの一種)の「グラノーブル」を選んだのが前回までの話。
続いては、この「グラノーブル」をDIYで張り付けていきたいと思います。
DIYというとカットや接着といった“工作”をイメージしがちですが、実際に作業してみると「必要な材料の数量確認」「発注」「商品の受け取り」「現場への搬入」「道具の準備」など地味な準備作業もけっこう大変なことに気づきます。今回は、そのあたりについて詳しくご説明したいと思います。
■数拾いは施工面積ではなく枚数計算で
まず、数量確認から始めましょう。
フロアタイルが何枚必要かを知るには、施工する床の大まかな採寸が不可欠です。
間取り図に長さを書き込んで計算してみると大まかな施工面積がわかります。今回はリビング、キッチン、廊下、土間に張るのですが、およそ「29平米」となりました。
「グラノーブル」は45センチ角なので1枚あたり「0.2025平米」。ケース販売なので1ケース14枚入りで「2.83平米」が施工できます。
ならば、「29平米」の施工にはなんとか10ケースで足りる計算かというと、さにあらず。
張り付けてみると半端なサイズが必要な箇所がところどころにあるので、どこにも使えない端材が出てきます。すると、施工面積上は足りる計算でも実際は足りなくなってしまうのです。
というわけで、施工面積ではなく枚数計算をしっかりするべきです。
ざっくり枚数を計算してみたところ、やはり11ケースが必要な感じ。でも、雑な計算なので不安が残ります。
心配なので、再度しっかり数を拾って計算し直すことに。結果は150枚となり、14枚入りのケースだと11ケースは必要だと確認できました。
■注文から搬入まで~重いので運ぶのはかなり大変
必要な枚数がわかったら次は注文です。取り扱いのあるネットショップはいくつかありますが、僕が購入したのは「ワコードープロ」というお店。
【ワコードープロ】グラノーブル
以前、サンゲツの「ココフロア」を購入したショップです。
1ケース「8,273円(税込み)」なので11ケースで「91,003円」。1ケースにつき880円の送料がかかって11ケースで「9,680円」でした。
これに加えて専用の接着剤「エコAR600」も注文しました。今回は施工面積にいちばん近いサイズが9キログラムだったので「7,392円(税込み)」。送料は1,100円でした。
以上を合計すると「109,175円」。30平米を施工することを考えれば、床材としてはけっこうリーズナブルな部類だと思いますが、いかがでしょうか。
ちなみに、前回ご紹介した「マチコV」を選べば1ケース50枚入り「5,808円(税込み)」で7ケース必要な計算となり、送料や接着剤の代金も含めると「55,308円」。材料費は約半分にまで圧縮できます。コストパフォーマンスでいえば「マチコV」に軍配が上がるかも。
受け取りから現場への搬入も大変。
今回の商品はメーカー直送品でしたから、いわゆる「軒下受け取り」になります。ふつうの宅配便のようにマンションの上階などへは運んでもらえません。
僕の場合、熱海で日にちをピンポイントで指定するのはスケジュール的に不安があったので、世田谷で受け取ってクルマで熱海に運ぶという方法を取りましたが、想像以上に重くて11ケースも運ぶのはめちゃくちゃ大変でした。
配送伝票を見てみたらなんと11ケースで208キロもありました。一箱19キロ弱の計算。重いわけだ……。
幸い熱海のマンションにはエレベーターがあったのですが、それでも駐車場から入口までと、エレベーターから廊下を通って室内まで運ぶだけでかなりの体力を消耗しました。
こうやって自分でやってみると「ああ、ふだん、マンションでお願いしている工事では、業者さんたちが目に見えない苦労をしているんだな」と思い知ることができます。大家の僕にとってDIYはこういう事実を気づかせてくれる体験でもあります。
■直張りは作業もしやすくDIYにおすすめ
現場に運び込んだら早速作業にとりかかりたいところですが、施工方法の確認と下準備をおこなっておきましょう。
今回、既存のフローリングの上に直接フロアタイルを張り付ける「直張り」という方法で施工します。下地となる合板を張り付けたりする手間がないのでラクなやり方ですが、厳密には、古いフローリングの上からフロアタイルを重ね張りするのはあまり推奨される方法ではないようです。
しかし、現場監督のKさんに聞いてみると「床にたわみやへこみがなければ十分に可能」という答えが返ってきました。うちの床は汚れてはいるものの、傷みも目立たずきしむ音もしないので直張りできると判断しました。
直張りすると既存のフローリングの継ぎ目をガイド線として利用できるので施工もしやすくなりますからDIYにはおすすめですし、
床の高さも2ミリ~3ミリくらい上がるだけなのでドアと干渉したりすることが少ないのも利点です。
■下地に付着した汚れを取り除く
施工前の床掃除も大事。
最後に床を張るつもりだったので壁や天井の塗装作業中は養生もせずに汚し放題でしたが、作業中にこぼれ落ちたパテや塗料などが床に付着しているのは問題です。
パテなどのデコボコが残っているとフロアタイルを張ったときにも段差やスキマができやすくなるので、
金属ベラ(やスクレイパー)を使ってできるかぎり丁寧に取り除きました。
雑巾がけをして細かい汚れをふき取ったら、ようやく下地準備が完了。
■フロアタイルの施工に必要な道具
最後に施工に必要な道具をまとめておきます。
フロアタイルのカットにはカッターを使うので、長めの金属定規と大きめのカッターマットがいります。
「グラノーブル」は45センチ角と大きめなので、手持ちのA3サイズでは足りず、A2サイズを新たに購入しました。
細かいカットにはハサミも活躍します。
大きめのしっかりしたものがあると便利です。
接着剤を塗りのばすためのクシ目ゴテ(ヘラ)も用意しましょう。以前、サンゲツの接着剤に付属していたものが残っていたので流用して済ませましたが、似たようなものはアマゾンでも見つかります。
500円ほど。安い。
接着したあとフロアタイルを圧着させるためのローラーも必須。
壁紙用の軽いものではなく金属製の重みのあるタイプをチョイスしました。
これにて「コンポジションタイル」のDIYの準備が完了です。次回はいよいよカット&接着の作業をおこないます。