(445)低めの椅子に合わせるテーブルのサイズに悩んでDIYすることにした

家具や雑貨

前回、熱海の窓辺に置いたサファリチェアをご紹介しました。

以前にご紹介したマットソンのマルガリータチェアとニーチェアをあわせ、窓辺には3つの椅子が置かれることになりました。

3つの椅子とスツール

スツールを流用したローテーブルの上にお茶やお菓子を置けば、海を見ながらティータイムも楽しめます。

窓から眺める海

この部屋のハイライトはやはり窓からの景色。暗くなって海が見えない夜はともかく、朝食や昼食、早めの夕飯を取ったりするときは、海を見ながら食事できたら楽しいだろうなという気持ちが募ってきました

ダイニング

先日ご紹介したとおり、我が家にはすでにダイニングテーブルとソファタイプの椅子がありますが、これを窓辺まで運ぶのは重さ的にムリ。

そこで、窓辺のリラックスチェアで食事を取れるようなテーブルを新たに用意しようと考えました。今回は低めの椅子に合わせるテーブルのサイズに悩んだ末にDIYを思い立つまでの経緯をまとめます。


■3つの椅子の座面の高さを測る

最初に検討したのは折りたたみテーブルでした。

熱海のリビング

せっかくダイニングを部屋の隅にまとめてリビングを広く取ったのに、窓辺にもうひとつテーブルを置いて部屋が狭苦しくなることは避けたかったのです。

その点、折りたたみ式のテーブルなら、ふだんはたたんで押入れにしまっておいて使うときだけ広げればいいので邪魔になりません。

というわけで、テーブル探しのポイントは、

【①高さ】窓辺の3つの椅子と高さが合うこと

【②天板サイズ】3~4人でムリなく食事ができ、かつ押し入れに収納できるサイズの天板であること

の2点です。

まず、テーブルの高さを考えるために、あらためて3つの椅子の座面の高さをくらべてみました。

3つの椅子の座面高を比較

サファリチェア(左)は座面に角度がなく、ニーチェア(中央)はやや傾斜があり、マットソンチェア(右)は低めでしっかり傾斜があるのがわかります。

椅子の高さを測る

座面の前部の高さを測ってみると、

3つの椅子の座面高を比較

サファリチェア(左)の座面高は34センチ、ニーチェア(中央)は40センチ、マットソンチェア(右)は36センチ。念のため、公式データも参照しましたが変わりはありません。

ざっくり中央値を取って座面高を36~37センチくらいと設定することにしましょう。

ベンチの高さの採寸

参考までにダイニングのベンチの高さを測ったところ、およそ44センチでした。ニーチェアとは4センチ、サファリチェアとは10センチも差があります。窓辺の椅子はどれも低めの椅子だと実感できます。


■低めの椅子に合うテーブルの高さを考える

続いてテーブルの高さを考えるために大事なのが「差尺」です。

差尺の説明図

「差尺」とは「テーブルと座面の間の距離」のこと。

この「差尺」、「この長さがベスト」というような決まった数字があるわけではありません。

というのも、テーブルについたときどれくらいの高さを心地よく感じるかは、そこで何をするかによって異なるからです。パソコンで仕事をするならあるていどの高さが必要ですし、食事を取るならや低めのほうが心地よく感じます。適切なテーブルの高さは用途によって異なるわけで「差尺は○○センチがベスト」とは一概にいえないのです。

ここは一般論に頼るよりも、自分で椅子に座りながら、どれくらいの高さだと食事が取りやすいかを想像してみたほうがいいと考えました。

サファリチェアでダイニングテーブルにつく

試しに座面高36センチのサファリチェアで高さ65センチのダイニングテーブルにつくと(「差尺」29センチ)、びっくりするくらいテーブルが高くて不自由に感じます。自分が子どもにでもなったようです。

目の前にもっと低いテーブルが置かれることをイメージしながら検討した結果、「差尺」でいうとおよそ20センチほど、テーブル高でいうと56~57センチくらいがちょうどよさそう、と感じました。

調べてみると、カフェテーブルと呼ばれるジャンルが属する高さが55センチなんだそうで。やや低めの椅子に座ってリラックスした雰囲気で食事を取るという意味では、窓辺のテーブルにちょうどいいのかもしれません。


■条件に合う折りたたみテーブルは見つからなかった

高さが決まったら、続いては天板の広さを考えます。こちらについては収納する押し入れのサイズからの逆算になります。

折りたたみテーブルの収納イメージ

こんなふうに折りたたんでタテに収納したいのですが、あるていど重さがあることを考えると、上段ではなく下段に収納しなければならないでしょう。

押し入れの採寸

採寸してみると、我が家の押し入れ(下段)のサイズは奥行81cm×高さ66cm。天板サイズのマックスがこのサイズより小さくなければなりません。

これがなかなか難しい問題でした。

間取り図で見るテーブル配置

たとえば、60センチの正方形のテーブルであれば、小ぶりではあるものの、4人でテーブルを囲むことができ、我が家の押し入れにも収まります。

しかし、

間取り図で見るテーブル配置

海を見ながらと考えると、一辺は窓に接するので、実質は3人しかテーブルにつけません。もう一人増えたときに対応できないのはちょっと困ります。

間取り図で見るテーブル配置

間取り的には横長の天板で2人ずつならんで食事できるのが理想ですが、そうなると天板の長辺は少なくとも1メートルは必要で押入れには収まらないのです。となると天板を折りたたんでコンパクトにするタイプを探すことになります。

小さいテーブルでガマンするか、それとも天板を折りたたむタイプを探すか……というか、折りたたみ式で高さは55センチ縛り、天板のサイズにも制約があり、くわえて天板の色や素材感にもこだわったりすると選択肢はかなり狭まり、結局ピンとくるものは見つかりませんでした。


■そのまま押し入れに収納できるテーブルでいいのだ

押入れを眺めて思案していたところ、ふと気づきました。今回のテーブルは高さが55センチなのだから、折りたたみじゃなくても、そのまま押し入れに収めてしまうこともできるのではないでしょうか。

テーブルの収納イメージ

押入れの下段には、使い終わったシーツや枕カバーをしまうボックスなどが置かれているのですが、テーブル高55cmならばうまくこれらをまたぐように収納できるので折りたためなくても問題はないのです。このアイデアで一気に計画が進みました。

折りたたみなしのテーブルならばDIYするのだって簡単です。

イケアの天板「リンモン」

ちょうど使えそうな天板が事務所に余っていました。

イケア(IKEA)のリンモン(LINNMON)というテーブルでサイズは120センチ×60センチ。 わりとオーソドックスなテーブルサイズですね。

なお、現在、販売されているタイプは100センチ×60センチなので、ややサイズが異なりますのでご注意を。

【IKEA】リンモン(LINNMON)

現行製品の価格は「1,980円」。僕が所有している天板の価格がいくらだったかは記憶にないのですが、かなり安かった記憶があります。

天板の表面

この価格ですから、表面の質感についてぜいたくはいえません。安価な家具によく用いられる白いシートが貼られています。いわゆるカラーボックスなんかに貼られているシートですね。

使い古しなので角の部分などはがれも見受けられます。このままでは残念なので塗装してアレンジすることにしましょう。

では、脚はどうするかというと、ちょうどいい55センチの脚があっさり見つかりました(画像にはYahoo!ショッピングへのリンクが張ってあります)。

「友安製作所」の販売する「TEKKI CRAFT」シリーズの鉄脚です。高さが55センチで奥行きも55センチ。

さて、先ほどの天板の厚みを確認すると、

天板の厚みを測る

およそ3センチでしたから、天板を含めると約58センチの高さになります。

冒頭の高さの計算では56~57センチくらいがベストと考えていたので55センチより少し高くなるぶんには問題なさそうです。一方、天板の奥行きは60センチですから、55センチの脚ならぴったり収まります。

鉄脚というと、びっくりするくらい高価なものも多いのですが、こちらは一組二個セットで「15,477円」となかなかリーズナブル。黒か白から選べるので、たいていのインテリアには合わせられるのではないでしょうか。

作例としてこんなテーブルが挙げられていました(画像にはYahoo!ショッピングへのリンクが張ってあります)。

なるほど、モルタルっぽい天板にブラックの脚を合わせるわけか。じゃあ、この脚を選んでさっきのイケアの天板をコンクリートエフェクトペイントでモルタルっぽく塗装して組み合わせようと考えました。

こちらの商品は高さや奥行きのサイズバリエーションも用意されているので、ご興味ある方はのぞいてみてください。

次回は、天板をDIYで塗装します。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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