(459)シナベニヤをステイン&ワトコオイルで白く塗装する
前回、シナベニヤのパネルを既存の床下地の上に張りました。
できあがったのがこちらの床。
シナベニヤならではの白い色味はこのままでも十分に部屋にマッチしているのですが、このままで使うわけにはいきません。というのも、シナベニヤの特徴のひとつとして汚れがつくと目立ちやすいことが挙げられるからです。日常的に足の裏が触れ、汚れも蓄積しやすい床ですから、しっかりと表面を保護してあげる必要があります。
せっかく木目の上品なシナベニヤを選んだので、この白い色味を活かせるようなオイル仕上げをしたいと思います。となると、クリアー系の色で仕上げればいいのかなと思いがちですが、さにあらず。
写真は山小屋のリビングの床にユカハリタイルを敷いてオスモカラーのフロアクリアーで仕上げたときのもの。クリアー系のオイルを塗るとこのように濡れたような色がつきます。これはこれで味のある色味ではありますが、もともとの木材が持っている白みをそのまま残すような仕上がりを目指すなら、クリアー系を選ぶよりもホワイト系で塗るのが正解。
山小屋の障子をシナベニヤでリメイクしたときはホワイトのワトコオイルで塗装しましたが、塗ったと言われないとわからないくらいの色味の変化でした。今回は、白く塗った壁に近づけるべくステインで下塗りしてもう一段白く仕上げてみようと思います。
■ジェルステインはしっかりと塗りのばすのが大事
そのために選んだのが、ホワイトのステイン塗料。
アサヒペンの「ウッドジェルステイン(WOOD GEL STAIN)」です。
ステインは主に木材に色をつけるために用いられる塗料です。液体状のタイプがポピュラーですが、今回は塗りやすいと評判のジェルタイプのものを試してみました。
僕は700ml入りを買いましたが、六畳を一度塗りしただけなのでだいぶ余りました。たぶん300mlで足りたんじゃないかな。
必要に応じてサイズを選ぶといいですね。
裏面の取説によると、布でも塗れるしハケでも塗れるということだったので、今回はコテバケを使うことにしました。
ハンディクラウンのワンタッチコテバケです。この種のコテバケの中ではもっとも入手しやすくリーズナブルなものだと思います。
ふわふわとしたハケ部分で塗料を塗りのばします。
では、塗ってみましょうか。
ちょろっとステインをたらし、
コテバケでのばすように塗ります。
塗りのばすと塗れているのかわからない感じがしますが、
ちゃんと白い色がついています。
フローリングの列ごとに塗り進んでいったのですが、
二列目を塗り終えてみると、ところどころ色ムラが気になりました。
ムラになったのは一列目を塗ったときに二列目まではみ出た部分でした。
二列目を塗った際にこの部分だけ塗料が重なって二度塗り状態になり、濃くなってムラになったようです。失敗。
かといって、列からはみ出さないように塗ることは難しいので、はみ出した部分は力を入れて極力薄く塗りのばし、塗り重なったときにも目立たないようにしてみました。
一列目とくらべてきれいにできました。
力を入れて塗りのばすので、事前に想像したよりもずっと大変な作業でした。
ステインの塗装が終わったところ。
屈んで塗っていたときは色ムラが気になりましたが、立ち上がって離れたところから眺めてみるとそんなに気になりません。よかった。
■さらにホワイトのワトコオイルを重ね塗りする
ステインは着色するだけで、表面を保護する機能はありません。床のように汚れがつきやすい場所ならば、さらに上からオイルなどを重ね塗りしてあげる必要があります。ステイン→オイルと重ね塗りの手間をかけてあげることで、色味が濃くなり深みが出るというメリットもあります。
使うのは先ほどもちらっとご紹介したホワイトのワトコオイルです。
以前買って余ったものを使いましたが、一度塗りなら200mlでも足りるはず。
ワトコオイルは二度塗りを推奨していますが、面倒なときは一度塗りで済ませてしまっています。
カップに移してハケで塗ります。
ワトコオイルの長所は、サラサラとしていて素人でも塗りやすく、ムラも出にくいところ。
一列目を塗り終えたところ。ステインで下塗りを施しているのでワトコオイルの色味はあまり感じられないかも。
あっさり塗装完了。よく見るとわずかにツヤが出ているように見えますが、これは余分な塗料が残っているため。塗装が終わって15~30分後に表面に残った余分な塗料を布でふき取る必要がありますのでご注意ください。
今回は布を用意するのを忘れてしまったので使い捨てのキッチン布巾を使いました。
けっこうふき取れるもんですね。
ちなみに、壁や家具などの場合とちがい、床をふく場合は塗装面を歩きながらの作業になるので、最後に塗った部分からさかのぼってふくことにならざるをえません。最初に塗ったところを最後にふくことになるので、ライムラグが出てしまうのは悩ましいのですが、あきらめるしかありませんでした。みんな、どうしてるんだろう?
布巾5枚ほどを使って六畳の床をふき終えました。
仕上がりはこんな感じ。
あらためて塗装前の写真と見くらべてみるとパネルごとの色味のばらつきが抑えられた印象です。もともと白っぽかったパネルは塗装を施したあとでも大きく色が変わった感じはしませんが、色が濃かったパネルは塗装でだいぶ白さが増しました。全体的に色味の統一感を出したい人にはおすすめです。逆に、パネルごとのばらつきを気に入っている人はがっかりするかもしれませんね。
白ペンキで塗った場合などとちがい、着色しつつも木目はしっかりと感じられるのがいいですね。
窓から日光が入ると、ステインのムラが目に付くところもありますが、すごく気になるほどではありません。まあまあの出来。
安価なシナベニヤとはいえ、木の床なので木材の香りもしますし、素足で触れたときの優しい感触も気に入りました。
なかなかいい床ができたと思います。
■【補足】ブラウンカラーで重ね塗りした事例
ちなみに、今回は白のステインと白のワトコオイルを組み合わせたので、重ね塗りによる色の深まりがいまひとつ感じられなかった気もします。最後に、参考までにブラウン系で重ね塗りした事例もご紹介しておきましょう。
山小屋の水回りの柱を塗ったときのこと。
最初に塗ったのは「ワシン」の「水性木部着色剤 ポアーステイン」。
色はダークブラウンの「オールナット」。
このときはスポンジのハケで塗りました。
しばらくして待ってから布で余分な塗料をふき取ります。
ナチュラル系の色味だった柱がブラウンに染まりました。
続いてこの上から塗ったのはワトコオイルの「エボニー」。
濃い目のブラウンカラーです。
これをハケで塗り、
余分な塗料をふき取ったら出来上がり。
古材のような独特の深いブラウンになりました。
重ね塗りは手間がかかりますが、素人のDIYでも容易に深みのある色に仕上げることができるのでおすすめです。
ちなみに、以前、ステインとワックスを併用してオーク材のスライスウッドを赤みがかったブラウンに仕上げたこともありました。
ブライワックスは色移りするので床には向きませんが、磨いたときの独特のツヤが魅力で、家具や壁などにおすすめです。
木材塗装の重ね塗り、ぜひ試してみてください。