(541)ブロックキッチンをまるごとアイアン塗料で塗った話
前回、前々回とキッチンで採用した収納用品をいろいろと紹介しました。
これらの記事を書いていて、キッチン本体をアイアン塗装したときの話をちゃんと書いていなかったと気づきました。
このキッチン、物件購入時には「ザ・昭和」な古いブロックキッチンが設置されていました。まるごと新しくする予算もなかったので古いタイルを塗ったり、新しいタイルを重ね張りしたり、業務用のガスコンロ台を追加したり、いろいろと工夫したことは以前も書いたとおり。
というわけで、今回は古いキッチンをアイアン塗料で塗装した際の一部始終をごらんください。
塗装前のキッチンです。がんばって掃除して汚れを落とし、奥のコンロ台の上にも天板を置けるように改造しました。グレーのキッチン本体、白の吊戸棚、木材の改造部分が混在し、質感や色がごちゃごちゃです。これをぜんぶアイアン塗料で塗りつぶしてしまおうと考えたわけ。
例外はシンクで、この部分のみ養生しました。
アイアン塗料の耐水性は申し分なく、シンクに塗っても大丈夫なはずですが、僕のような素人がハケで塗るとどうしても塗りムラが出て、表面がざらざらします。それはそれで質感としてはアリなのですが、シンクはマメに掃除したいのでツルツルなほうがありがたいので塗装しませんでした。
塗装の前にアイアン塗料専用のプライマーで下地調整。
以前も書いたとおり、古いキッチンタイルを塗装するのにプライマーを使ったので、ついでに塗ったという感じです。
もしキッチン本体だけをアイアン塗料で塗るなら必要ないかと思います。
で、こちらがアイアン塗料。
シュペンパンザーというドイツのメーカーの製品で、さまざまなカラーバリエーションがありますが、今回はグレイッシュな室内にあわせて「シルバーグレー」を選びました。
とにかく臭いが強烈な塗料なので換気を忘れずに。
まずは小さいハケで細かい箇所から塗っていきます。先ほども触れたとおり、アイアン塗料は塗りムラが出やすいので、広い面は後回しにしたほうが仕上がりもきれいになると思います。
細かい塗装が終わりました。
続いて大きめのハケで広い面を塗ります。
キッチンには古いプレートなどが付いていたのですが、外さずに塗りつぶしてしまいました。
けっこう味があって気に入っています。
一度目の塗りが終わったところ。
予想以上に塗料を消費し、シンク下までたどりつけませんでした。後日、追加で塗ることになったのですが、それは割愛します。
さて、一度塗っただけだと、こんな感じに塗りが甘い箇所が散見されます。
少なくとも二度塗りは必須でしょう。
キッチン本体だけで見ると塗装面積はたいして広くもないのですが、臭いがひどいのでそこが苦手な人はかなり苦労するかもしれませんね。
塗装がすべて完了しました。冒頭の塗装前とくらべると色が統一されただけでガラリと印象が変わったのがおわかりかと思います。
このあと、塗っていない面にタイルを重ね張りし、水道屋さんに水栓を交換してもらい、大工さんに棚を設置してもらい、レンジフードとコンロ台を設置してリメイクが完了。
「古いブロックキッチンを塗装するなんてうまくいくのか」と不安な気持ちもありましたが、けっこうきれいに仕上がって満足しています。何も知らないお客さんは新しいキッチンだと思い込んでいる方もいて、ひとまず成功だったなと思っています。
でも、キッチンのように水や油を使う場所にアイアン塗料を塗って大丈夫なの?と思われる方はいるでしょう。次回は塗装から2年経って感じた使用感を、注意点を含めてリポートします。