(588)ソファのへたった座面をDIYで(雑に)直してみた
前回、リフォームの完了した客間をご紹介しました。
(587)山小屋の客間はリフォームでどう変わったか
今回はその補足。
ダイニングチェアとして使っている一人がけのソファのへたった座面をDIYで直してみたという話です。
■座面が陥没してしまったソファをなんとかしたい
こちらの椅子はもともと祖父が持っていたもの。僕が物心ついたときにすでにあったと記憶しています。
一人がけのソファで、今風にいえばイージーチェアと言ってもいいような椅子。
座面に角度がついていないのでダイニングチェアとしても使うことができ、気に入っています。およそ半世紀にわたって愛用してきたものの、最近、このうちの一脚の座面がへたり過ぎて座れなくなってしまいました。
うむ、へたりというより、もはや陥没。
まだ小さかった甥っ子が座面の上でぴょんぴょん飛び跳ねたのが原因でしょう。生地が破れなかったのが不思議なくらいです。
座面の裏からはよくわからないビラビラが垂れ下がっております。
ひっくり返してみると、
これまたひどい状態でした。
調べてみたところ、ソファというのは格子状に編まれたウェービングベルト(テープ)と呼ばれる幅広のヒモで座面内のクッションを支える構造になっているんだそうで。経年劣化していたところに過度の重さや衝撃が加わり、あちこちでベルトが切れてしまったということでしょう。
切れたベルトの間から中のクッション材をのぞいてみたのですが、こちらも経年劣化でボロボロになっておりました。
素人考えですが、このクッション材を詰め直し、新しいベルトで支えてあげれば以前のように弾力のある座面に戻せるのではないでしょうか。
■表面の生地を取り外さずに裏面からクッション材を詰め足す
しかし、なかなか簡単な作業ではありません。
正当な手続きを踏むならば、①表面のファブリックをはがし、②③座面内の綿やスポンジ材を取り出し、④ベルトを取り外してから、新しいベルトを張って新しいクッション材を詰め直して生地を張り直すのでしょう。でも、とてもそこまでの手間をかける気力もありませんし、外した生地をきれいに張り直せるとも思えません。
そこで、邪道を承知で表面の生地を取り外さないで済む方法を考えてみました。
ベルトをはがして裏面からクッション材を詰め足してしまうのです。これなら表面の生地には手をつけずに済み、ベルトの張り直しだけでよいことになります。
切れてしまったベルトを赤丸で囲みました。
これらをすべて取り除いてみると、ベルトは半分も残りませんでした。残ったベルトだってパッと見で劣化していないだけかもしれず、やはり全体的に補強をおこなうしかなさそうです。
その前にクッション材を追加しましょう。
チップクッションです。
アマゾンで買いました。サイズバリエーションが豊富なので選びまちがいのないようご注意ください。
こいつをハサミで適当なサイズにじょきじょきカットして、
へたりがひどい箇所を中心にぐいぐいと詰め込んでいきます。
古いクッション材を取り除くという選択肢もありましたが、形がめちゃくちゃに崩れてしまうのが怖かったので古いクッション材を残したまま詰め増しを選んだ次第です
最後に四角くカットしたクッションで全体を覆いました。
■ウェービングベルトをしっかりと張るのに一工夫
続いてはウェービングベルトの出番。
幅はおよそ4センチ。こちらもサイズバリエーション豊富なので要注意。
さて、張り方には工夫が必要です。
もともと張ってあったベルトの端を見直してみるとわかるのですが、ベルトは座面の木枠の上側に留められています。おかげで人間の体重がかかってもしっかりと支えることができるのです。
しかし、今回のように裏面からの詰め直しでは、木枠の上にベルトを留めることはできません。
だとすると、こんなふうにベルトを木枠の側面に留めるしかないのですが、これでは上から体重がかかればベルトが耐えきれずに簡単に外れてしまう怖れがあります。
そこで、ベルトをより強力に固定するために角材を追加してみることにしました。
この角材をぐるりと回り込んでからベルトを固定することで外れにくくしようというのが狙いです。
あらかじめテープをならべてから角材を置いて、
先にビスで角材を椅子に固定します。素人の雑な仕事で家具にビス穴が開いてしまうのは忍びない気持ちはありますが、目に入らないところですし甘受するしかないと思いました。
テープを固定するのはSUN UPの2wayタッカー。
リーズナブルなミニタイプですが、DIYならこれで十分。僕はスツールの張り替えなどにも使っています。
固定した角材にベルトをバチバチと留めていきます。
反対側を留めるときにベルトをしっかりと引っ張ってテンションをかけた状態にするのが大事。
外れにくいようになるべく多くの箇所を留めました。
横方向が終了したら、
縦方向にはベルトを格子状に通し、同じ要領でタッカー留めをして補修完了。
■ちゃんと座れるようになったが座面の表面にデコボコが
ひっくり返してみると、
見違えるようにへたりがなくなりました。座ってみてもしっかりと座面に弾力を感じられます。ひとまずは成功といえそうです。
へたっていないソファとならべてみましょう。
左が今回直したほうですが、座面のボリューム感に遜色はありません。
ただ、裏側から雑に詰め直したせいか、座面の表面がところどころボコボコしているのは気になるといえば気になります。
詰め直すときにまめに表面を確認しながら慎重に作業するべきでした。
へたったときに負担がかかって生地が損傷してしまっているのもちょっぴり残念ですが、生地を張り直さない方法を選んだ以上はどうしようもありません。
あらためてへたっていないソファを見ると座面のきれいさが際立ちます。まあ、素人がDIYで雑に直した結果とくらべても仕方ないのですが。
いつかちゃんと職人さんに頼んで生地ごと張り直してみたいけど、4脚まとめてとなると費用が……。
なにはともあれ、ふつうに座れるようになったのでよしとしましょう。
最後にお断りしておきますが、これはアサクラが素人考えの思いつきで試した補修方法なので、耐久性に保証はありません。というか、僕自身どれくらい持つか、わからず不安に思っています。「真似したけどすぐに壊れた!」とかクレーム言われても困るのでトライする方は自己責任でよろしくお願いします。