(78)木の柱に虫食いの穴が見つかったので業者さんに相談した
季節は7月頃。
山小屋の家具がそろい、ようやく試験的な運用が始まったときのことです。
掃除をしていたら、床に妙な木くずを見つけてしまいました。
木くずというには細かい、木の粉みたいなもの。
ところどころに色の濃いツブツブが混じっています。
ふつうに暮らして出るゴミには見えません。
上を見上げてみると、前にはなかったはずの小さい穴が柱に開いています。
2~3mmほどのサイズでしょうか。
最初は「まさか!シロアリが!?」と思いました。
でも、ちょうど一か月ほど前に床下を業者さんに見てもらったときには、とくに心配なところはないと言われたばかり。
そもそも、地面から昇ってくるシロアリが床下を食わずに天井の柱に向かうのも変だし、以前、母屋を食い荒らされたときにはこんな粉は落ちてなかった気がします。
そこで、脚立を出して、しばらく穴をじっと観察してみることにしました。
じーっと待っていると、なんか出てきた。
決定的瞬間。
変なやつが顔を出して、粉を捨てました。
この柱、知らないうちに虫に食われていたようです。
これを機に2階の柱を見てみたところ、
いたるところに去年はなかった穴がポツポツと開いているではありませんか。
意外とたくさんある……これは深刻な事態かも。
心配レベルが急上昇したので、昨年、キイロスズメバチの駆除でお世話になった業者さんに電話して来てもらうことに。
こちらは「柱を虫に食われたので心配だ」としか話していなかったのですが、現場にやってきた業者さんに最初に聞かれたのは「穴の近くに木の粉が落ちていたか」という質問でした。
「ありましたありました」と食い気味で答える僕。
業者さんの見立てでは「シンクイムシ」とか「キクイムシ」とか言われる虫だろうということでした。
昨年、柱に産み付けられた卵が暖かくなって孵り、幼虫が柱の中を食べて大きくなって出てきたんだそうです。
じゃあ、シロアリにやられたときみたいに、柱がスカスカになってしまうのでは?
これは構造を支える柱なので、もしダメになったら大変です。
「まあ、いきなり柱がダメになることはないと思いますよ」
じゃあ、今のうちに駆除してもらえますか?
「柱に薬品を打ち込むことはできるんですが、とりあえずは害虫用のスプレーでもいいかもしれませんね」
スプレーって市販用のですか?
そういえば、母屋にこんなのありましたけど。
「虫コロリアース」。
このスプレーは対応してるのかしら?
「ああ、これで大丈夫ですよ。こういうスプレーまけば、たいていの虫は死にますから」
はは、ざっくりした答えだなあと思ったのですが、 裏面を見ると…
「キクイムシなどの木材害虫をしっかり駆除します」と書いてありました。
スプレーのノズルを引き出して、
穴に向かって散布します。
業者さん曰く
「しばらくこれをまめに吹きつけて様子を見ましょう。
もし秋になっても穴が増えるようなら、柱に薬品を打ち込んで本格的な対策をします」
だそうです。
柱に薬を打ち込むというのは、文字通り、柱に穴を開けて薬を注入して穴を埋めるやり方。
言われてみれば、母屋でシロアリ駆除をしたときにやっていたような。
だいぶ前のことなので記憶がおぼろげなのですが、白いところが薬を注入したところだったはず。
効き目はてきめんなのですが、穴の跡が残ってしまうし、場合によっては薬品がシミになるそうなので、今あせってやる必要はないそうです。
ということで、夏に山小屋を訪れるたびに、穴にスプレーを吹き込むようにしました。
最初のうちは新しい穴もいくつか増えたりして心配だったのですが、じきにおとなしくなりました。
とりあえずは駆除スプレーが効いたということでしょうか。
年内は業者さんに本格的な駆除を頼む必要はないと思っています。
ただし、今年に産み付けられた卵は来年に孵るので、今後も慎重に様子をうかがっておく必要はあります。
春になったら、また穴にスプレーかな。
聞くところによると、シロアリが湿気を好むのに対し、シンクイムシやキクイムシは乾いた木材を好むんだそうです。
以前書いたように、ルームドライヤーで山小屋の湿気対策をやったおかげで快適な環境ができあがったと思ったら、今度は新しい虫が出現したということになります。
あっちを直せばこっちがおかしくなり。
築古の木造家屋は本当に手がかかります。
せっかくきれいにした山小屋ですから、これからもまめにメンテナンスしていかなければ、と思った次第です。