(684)珪藻土の壁の上から珪藻土塗料を重ね塗りしてみた
天井にスライスウッドを張り付けるはずが失敗したのが前々回、
窮余の策としてイエローのペンキでなんとか塗装したのが前回でした。
今回は、20年以上前に塗った珪藻土の壁を、同じく珪藻土のペイント材で重ね塗りして印象をガラリと変えてみたいと思います。
■珪藻土の壁を珪藻土塗料でペイントする
当初の計画では、20年以上前に珪藻土で塗った壁はそのままにするつもりでした。

ただ、天井にスライスウッドを張り付けるという前提が崩れてしまったので、壁についても考え直すことにしました。

とはいえ、かつて友人たちの手を借りて塗った珪藻土を、上から壁紙や板材を張って隠してしまうのは忍びない気持ちがあります。塗装するにしても、珪藻土の壁を上からペンキで塗りつぶすのも気が引けます。

前回、天井に塗ったゴールデンイエローがけっこう個性強めな感じに仕上がってしまったので、この色に合うように壁をアレンジしたい気持ちもあります。
いろいろ悩んだ末に思いついたのがこれ。

珪藻土塗料です。山小屋でたびたび使ってきた「U SELECT」の製品です。
これならば、同じ珪藻土の壁の上から塗っても違和感なく仕上がるのではないでしょうか?

「U SELECT」の珪藻土塗料はラインナップも豊富なので色選びにも悩むのですが、すでに天井をイエローという個性的な色味で塗っている以上、あまり尖った色を組み合わせたくはありません。
選んだのは「SMOKE(スモーク)」という「ダークグレー~ブラック」系の色で、以前も何度も使ってきた色です。

今回塗る部屋の隣に位置する水回りの壁や天井、

玄関の壁や天井などをこの色で塗ってきました。
個人的に「イエロー」と「ブラック」の組み合わせは好みなので、この色ならば天井との相性もぴったりくるはずと考えたのです。
■ハケとローラーで一画ずつコツコツ塗っていく
では、早速、塗装作業に入りましょう。

柱など、ブラウンで塗装された木部は色味も近いのでそのままにして、クリーム色の珪藻土部分のみを塗装していきます。

最初に小さめのハケで柱と隣接する箇所を塗っていきます。
なぜ柱の部分を養生しないのかというと、めんどくさいという理由もありますが、だいぶ前に下地処理もなしに塗った塗料なので粘着力の弱いテープで養生してもはがれてしまう怖れがあったからです。

ごらんのとおり、木部のダークブラウンと壁のブラックは色味が似ているのでフリーハンドで塗ってもそこまで境界線が気にならないのです。もちろん、なるべくはみ出さないように慎重に塗装しています。

柱まわりをぐるりと塗り終えたら、続いてはローラーの出番。

特に下塗りなどはしていませんが、問題なく着色できました。

塗り終えたところ。一部塗り残しのように見える場所がありますが、これは柱の塗装が欠けたりはげてしまっている部分なので、のちほどタッチアップします。

あとは隣り合う一画をひとつずつ塗装していくだけのくりかえし。

壁に設けられた収納部分も、

合わせて塗装しました。

「難しい作業ではないし3、4時間くらいで終わるかな」なんて思っていましたが見込みが甘すぎました。

柱に囲まれた壁を一画ずつ塗っていくので意外に手間がかかるのです。

途中でへたってきたローラーを新しいものに取り替えたりしながら、

全面塗り終えるのに8時間くらいはかかりました。

この部屋、四面の壁すべてに建具があるので塗装する面積は比較的少ないはずなのですが、それでも大変でした。建具が少ないふつうの部屋だったら10時間以上かかったでしょうね。
■ブラックの壁とイエローの天井の相性も悪くない
で、塗装後の印象はどうでしょうか?
塗装前と比較してみました。

塗装後のほうが落ち着いた印象も出てよくなったと思いますが、いかがでしょうか。

このあと、柱まわりのタッチアップをおこなったり、

珪藻土壁の凹凸に残った細かい塗り残しなどを塗装したりして仕上げました。
床の養生をはがすと…

なかなかいい雰囲気に雰囲気になりました。イエローの天井とブラックの壁の相性も悪くない感じです。
しかし、こうなってくると障子やロールカーテンの「浮いてる感」がいよいよ気になってきます。これについては後日、壁に合わせてリメイクするとしましょう。

さて、珪藻塗料とはいえ、珪藻土の壁の上から重ね塗りしてしまって、調湿機能は損なわれないの?という疑問もあるかもしれませんが、正直よくわかりません。
実は、珪藻土の調湿機能というのは限定的で、我が家のように湿度が極端に高い場所だと「焼け石に水」ていどの効果しかありません。
我が家では「カライエ」や除湿機などの空調設備が湿度を下げるための切り札になっているのが実状なので、「珪藻土ペイントの上塗りで珪藻土壁の調湿機能がどのていど損なわれるのか」については気にしないことにしました。
まあ、珪藻土の壁に珪藻土塗料を塗って調湿機能が向上するとは思えないので、気になる方はやめておいたほうがいいでしょうね。あくまでインテリアの雰囲気を事後的に変えるための手段として参考にしていただきたいと思います。
次回は床に手を入れます。

















