(721)実際に発生した3件のガス漏れ事例を紹介する
寒い冬、みなさんはどんな暖房機器をお使いになりましたか?
エアコン、パネルヒーター、こたつなどいろいろあると思いますが、個人的に愛用しているのがガスヒーターです。

ガスヒーターの良いところは、すぐに温風が出て、足下から暖まり、エアコンとくらべて乾燥しにくいこと。秋も深まると我が家ではもっぱらガスヒーターのみで暖を取り、エアコンを一切使わないくらいです。
しかし、注意が必要なのがガス漏れのリスク。今回は、僕が管理する物件で実際に発生したガス漏れの事例3件を紹介します。
■【ケース①】ガスコードの接続部分から漏れが発生
まずはマンション内の事務所で発生したガス漏れの事例から。
今から7年ほど前の正月のことでした。親戚の集まりから帰宅し、ちょっとした事務仕事をしようと部屋に入ると「なんだかガス臭い」と感じました。デスクが置いてある奥のリビングに入るとますます臭います。これはもうガス漏れとしか思えません。
こういうときはあせらず東京ガスのホームページで対応方法を確認するのが大事(プロパンガスの場合はガス会社に連絡)。
ページの指示どおり、「①窓の戸を大きく開け」、次に「②機器栓・ガス栓を閉め」、続いて「③メーターガス栓も閉め」たら、「ガス漏れ通報専用電話」=「0577-002299」に電話します。
三が日でしかも夜の10時過ぎですから翌朝まで待つべきかと一瞬迷ったりもしましたが、このままにして爆発事故など起きたら大変なので、電話をかけました。「消防・警察と同じで365日24時間対応だから大丈夫です」と言ってもらえてひと安心でした。

さて、東京ガスの方が検査器具でガス栓やメーターをチェックしていくと、リビングのガスヒーター付近でガスが漏れていると判明しました。不幸中の幸いは、ガス栓(ガスコンセント)までの配管には問題がなかったこと。もし壁や床の中のガス管が劣化・破損してガスが漏れているという事態だったら一大事でした。

ガスコード内の圧力を測って、ガスヒーターに漏れがあるかチェックしてみるとヒーター本体には問題がないとわかりました。
ということは、犯人はヒーターとガス栓をつなぐガスコードということになります。

ガスコードを検査してもらうと、やはり異常が認められました。
「原因はガスコードの接続部分の劣化」でした。

ガス栓とコードをつなぐ箇所からガスが漏れているというのです。

ガスコードの接続部の中にある黒いゴムの輪っか(パッキン)が問題の箇所で、プロの目からするとかなり劣化した状態だそうです。ガスコードの故障は大抵の場合はこの接続部分で起こるとのことで、コード本体の破損で漏れるという例は少ないそうです。

ちなみに、このガスコードは製造年から14年が経過していましたが、「正常に動作していても10年経ったら買い替えたほうがいいですよ」とアドバイスされました。

また、夏の間など長期間使わないときにはちゃんとコードをはずし、接続部に付属のキャップをかぶせ、ホコリやゴミが入らないようにして保管することをすすめられました。
恥ずかしながら、このときまでガスコードの保存方法や買い替えについて意識したことがなかったので、いい勉強になりました。
■【ケース②】ガスヒーター本体が故障してガス漏れが発生
続いては昨年、山小屋で起こったガス漏れです。

東京とはいえど山奥にある我が家は寒さが厳しくガスヒーターは必須で、離れに1台、母屋に2台置いています。

世田谷のマンションとは違い、この家では都市ガスではなく地元のJAが管理しているプロパンガスを使用しています。
定期点検が4年に1回義務付けられており、2025年はちょうど点検の年でした。実を言うと、山小屋の管理を引き継いでから一度もトラブルが起きたこともなく、今回も何事もなく済むだろうとタカをくくっていたのですが、点検に来たガス屋さんから「ガス漏れの可能性があります」と言われて驚きました。
というのも、先ほどご紹介した世田谷のケースとちがって、ふつうにガスを使用できていましたし、エラーが出ることもなかったからです。
それを話すと「最近、交換したりした器具はありませんか?」と聞かれ、「新しいヒーターを買ったりもしていないし……」と思ったのですが、ふと思い当たりました。
客間のリフォームが完了し、しばらく使っていなかったガスヒーターをガス栓に接続して使い始めたばかりだったのです。

調べてもらうと、やはりこのガスヒーター本体が故障してガス漏れが発生していたのでした。
内心、「そんなに古いヒーターじゃないのにな」と思ったりもしたのですが、よくよく見てみると、

製造年は2010年。すでに15年が経過していたのでした。別荘って機器の使用頻度が少なくて見た目では劣化を感じにくいので時の流れに鈍感になりがちな気がします。
にしても、ラッキーだったのは、4年に1回しかない定期点検がちょうどいいタイミングでおこなわれたということ。ガスヒーターを接続した時点では本体が故障しているとは思いもしなかったので、このまま知らずに使用していたことでしょう。しかも、客間のヒーターだったことを考えるとゲストがガス漏れに遭ってしまう可能性も十分ありえたわけで、今回は定期点検のタイミングに感謝しかありません。
と同時に、ガスヒーターは製造から10年を過ぎたら、そろそろ寿命がくると見込んで早めの交換をおこなうべきだとあらためて痛感しました。
■【ケース③】ガスコンセントが劣化してガス漏れが発生
最後にご紹介するのは以前も紹介した熱海のマンションの事例。
詳しく知りたい方にはこの記事を読んでいただくとして、今回は簡単に説明します。
この物件を購入したのは2022年のことで、購入当時はひどいありさまでした。
キッチンも長い間使われていなかったようで、

上からフタがかぶせられてふさがれていました。
ガス栓を復旧させてもらうために、もともとこの部屋にガスを供給していた地元のプロパンガス業者さんを呼んで調べてもらったところ、この部屋では過去にガス漏れが発生し、当時のオーナーさんは室内に通じるガス管を遮断して解決するという荒業を選んでいたことがわかりました。

間取り図でいうと、赤字の×の部分でガスを遮断したことになります。
ガスを使わないならこれがいちばんラクな対応方法なのでしょうが、自分としてはキッチンでガスコンロを使わない生活は考えられなかったので、ガス漏れ箇所を特定して修理してもらうことにしたのでした。

室内には3つのガス栓があったのですが、ひとつずつ調べてもらったところ、ガス漏れが発生している栓が判明しました。

これがそのガス栓。

ガスコンセントを取り外し、栓にフタをして止めてもらいます。

リビングにはもうひとつガス栓があってこちらは異常なかったのですが、これも同じようにふさいでもらい、キッチンに新しく取り付けてもらったガス栓だけを使っています(熱海の物件ではガスヒーターを使用していません)。
自分が生まれたときから知っている世田谷のマンションや山の家とちがって、この物件は購入前の歴史がまったくわかりません。その意味で室内の床下や壁内に埋まっているガス配管にさらに何らかのトラブルが起き(てい)る可能性があるかもしれず、なるべくリスクを減らすために最低限必要なキッチンのみで留めることにしたのです。

こうして振り返ると「ガスコードの劣化」「ガスヒーターの故障」「ガスコンセントの故障」とガス漏れの原因はさまざまなのですが、幸いなことにガスコンセントの向こう側=室内の配管の劣化によるガス漏れはいまだ経験していません。
ガス配管からの漏れによる爆発事故はかなりのレアケースだと思いますが、水道や電線とくらべても事故が起こったときの影響は甚大で、ガス漏れにいち早く気づくことが本当に重要だと思います。
というわけで、次回はガス漏れ警報器の設置について書きます。


















