(769)家の前にゴミ捨て場がある人だけが管理を負わされる理不尽が悩ましい

トラブルや失敗

毎月、第5金曜日の朝は心がソワソワします。マンションの前にある地域のゴミ捨て場にペットボトルゴミが捨てられているのではないか、気になってしまうのです。

世田谷区のゴミ回収日

世田谷区のゴミ回収のルールでは、第1・第3金曜日がペットボトルゴミの回収日なのですが、第5金曜日だけは回収がありません

第2・第4金曜日の朝には不燃ごみの回収があるため、「先週は不燃ごみだったから今週はペットボトルゴミのはずだ」とか、なんとなく「奇数週の金曜朝はペットボトルゴミの日」とうろ覚えしている人も多いのでしょう。

結果、第5金曜日の朝にはペットボトルゴミが捨てられてしまっていることがよくあるのです。

世田谷区ではゴミ収集の日程を示した冊子を配っているのですが、なくしたり誤って捨ててしまったりして手元にない、なんて話もよく聞きます。

ゴミ収集の案内

かく言う僕も、令和8年分を紛失してしまったので、この写真は昨年のもので撮影しました。

ネットでは同じ内容のPDFファイルが配布されているので個人的には何の問題もありませんが、毎日の忙しい暮らしの中で、わざわざそれを探してダウンロードする手間をかける気にならない人がいるのもわかります。

ゴミに貼った注意書き

誤ってペットボトルゴミが出されてしまったときは、注意書きを貼って注意を促すようにしています。

しかし、ペットボトルゴミにかぎらず、誤って出されたゴミが再び持ち帰られないままに放置されてしまうこともよくあります。ゴミ捨て場がどうなろうが、捨てた本人は痛くもかゆくもないのですから当たり前といえば当たり前かもしれません。

マンションのゴミ捨て場

このゴミ捨て場、マンションの前にはありますがうちの専用というわけではなく、近隣エリア全体で使われる公共的なゴミ捨て場なので対応が難しいのです。

マンション専用のゴミ捨て場ならば間違って出したのは入居者さんなので、大家である僕が回収して然るべきときに出し直すくらいは仕事だと思えば苦ではありません。マンションにはほぼ全員に連絡ができる「公式LINE」があるので、そこでゴミ出しについて注意喚起をして改善することも可能です。

ただ、地域のゴミ捨て場となると話は変わります。うちのマンションの店子さんが捨てたかもしれないし、だれか赤の他人が捨てたかもしれないのです。素性の知れないゴミをうちがすべて預かって出し直すというのは負担が大き過ぎます。

その難しさを痛感したのが先日の第5金曜日の朝でした。

間違って出されたペットボトルゴミ

10袋近くの大量のペットボトルゴミが出されていました。

いつもなら、こちらが先手を打って1個目に出されたゴミ袋に注意書きを貼り付けるのですが、この日はいろいろあって朝のチェックが遅れ、気がつけばこの惨状でした。

困ったことに、間違って1個目のゴミが出されると、それを見た他の人が「今日はペットボトルゴミの日なんだ」と誤認して、自分もゴミ出ししてしまうところなのです。悪気のない連鎖の結果とはいえ、こんなに大量のゴミが次の回収まで延々とマンションの前に放置されてはたまったものではありません。

さすがに何とかならないかと思い、世田谷区の清掃局に電話で問い合わせてみたのですが、これがけんもほろろな対応で驚かされました。

こちらは高圧的な態度で問い合わせたわけでもなければ「今すぐ取りに来い」などと言ったわけでもなく、こういった事態に対応する方法はないものか相談したのですが、バカのひとつ覚えのように「我々にできることはありません」「地域の皆様による話し合いの上、対応してください」とくりかえすばかりで、何の現実的な対応策も指針もヒントさえも示してくれないのです。まったく話が通じず、失望感を抱えたまま電話を切った僕でありました。

間違って出されたペットボトルゴミ

しかし、です。対応策がただ「地域の皆様による話し合い」しかないなんて、今の日本の地域社会の現実に即していないのではないかと思うのです。

考えてみてください。今のご時世、ご近所づきあいがどれだけ機能しているでしょうか?三代にわたって今の地域に住んでいる自分ですら、地縁的なつながりはどんどん希薄になっています。

町内会だって風前の灯です。ご近所の方と話してみると、加入していない人もたくさんいます。うちは先代からのつきあいの関係でしかたなく年会費を払ってはいますが、個人的には町内会に加入していることすら忘れるほどの存在です。これは何も僕の町が特殊な事例ではなく、東京の住宅街なら多くの町に見られる傾向だと思います。

そんなエリアでゴミ出しの問題が「地域の皆様による話し合い」で解決するわけがないのです。名前もおぼろげな近所のインターホンを鳴らして「数軒先のマンションの者です。ゴミ捨て場の管理について話しあいたいんですが」なんて人がきたら、みなさん「なんだか面倒なやつが来たぞ」と警戒するんじゃないでしょうか?最近は外国の方も増えてきたので、そもそも日本語が通じず、話し合いそのものができない可能性だってあるのです。

こういう話をすると、「あなたの責任じゃないんだから、そのままにしておけばいい」と言う人がいますが、そういう人は自宅の前に公共のゴミ捨て場がないからそう言えるのです。

マンションのゴミ捨て場

ゴミ捨て場が荒れれば悪臭も出ますし、うらぶれた雰囲気も漂ってしまいます。うちのように自分の家の前に公共のゴミ捨て場がある人にとっては大きな問題です。

思えば、僕と家族だけが地域のゴミ捨て場を管理しているのです。誤って出されたゴミには注意を喚起し、カラスがゴミを荒らせばそれを清掃し、ゴミのネットが破れてしまったときはまちづくり相談所まで行って書類を書いて新しいネットをもらってきたりもしてきました。それでも時々、わけのわからない不法投棄の被害にあったりします。

といっても、うちは賃貸マンションを商売としてやっているのでまだましで、ゴミ捨て場の管理も仕事の一環として受け入れなければならないとあきらめがつくのですが、これが個人宅の前にあるゴミ捨て場だったらどうでしょうか?

難しいのは「ゴミ捨て場の廃止」もまた、「地域の皆様による話し合い」でしか決められないということです。ご近所をめぐって「うちはこんなに迷惑しているんです。ゴミ捨て場を廃止にしてください」とご近所を一軒一軒めぐるだけでも大変ですし、「ゴミ捨て場を廃止したら、どこに出せばいいんだ?」と逆に詰め寄られることすらありそうです……そんなこと、想像しただけでくじけてしまいそうです。

世田谷区におかれましては、こういった地域社会の現状を理解したうえで、より現実に即した形でゴミ出しルールを整えていってもらいたいと思うのですが、いかがでしょうか?

マンションのゴミ捨て場

とまあ、いろいろ愚痴ってしまいましたが、冒頭のゴミが結局どうなったかを最後に書いておきましょう。

間違って出されたペットボトルゴミ

注意書きを貼ったおかげでしょうか、日が経つごとにゴミ袋は少しずつ持ち帰られていき、

間違って出されたペットボトルゴミ

最後には2袋だけが残りました。正直、僕が予想したよりも持ち帰られた数が多かったのでホッとしました。時間はかかったけれど、まだまだうちの近所も捨てたものではありません。

その反面、やはり釈然としない気持ちが残ります。

きちんと持ち帰った人は、翌週までゴミを自宅で保管し、出し直す手間をかけているのに対し、この2袋を放置した人は結果的にはいちばんラクをしているからです。

間違って出されたペットボトルゴミ

10袋のうちの2袋。僕にはこれが地域の「民度の崩壊度」を象徴しているように思えてなりません。

10人に1人か2人は、地域の皆が共有すべきルールを無視し、自分が良ければそれでいいという生き方をしているのです。

「ペットボトルゴミくらいで何を大げさな…」とお思いになるかもしれません。

しかし、こういうトラブルが積み重なっていくと、あるとき社会常識そのものが変わってしまう瞬間がくるのです。荒れ果てたゴミ捨て場が日常の風景になり、近所の壁に落書きが増え、やがて夜中に出歩きづらい世の中になったとき、引き返そうと思ったところで道はないのですから。

アサクラ

大家業。世田谷のマンションと東京西部の山奥にある小屋を管理&経営しています。最近は熱海に購入したマンションの一室をDIYで修繕中。ESSE online(エ...

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