(90)サンゲツのショールームで「ココフロア」を見つける
今回は「2階の床材をどうするか?」について考えます。
床材を施工する前の状態がこちら。
アクセントクロスが目を引きますが、基本はスライスウッド(toolbox)やヴィレ(サンワカンパニー)など、木材を基調にしたインテリアです。
桐箪笥と一緒にイスと作業テーブルを置こうと思っていたときは、床も木材を選ぶつもりでした。
【ユカハリ・ヘリンボーン もしくは スクールパーケット】
フローリングの候補だったのが、この2つ(それぞれ商品ページにリンクしています)。
どちらもサンプルを取り寄せたり、ショールームで実物を見たりして、質感も確認済み。
「ユカハリ・ヘリンボーン」は、スギとヒノキが選べます。
写真は「ユカハリ・タイル」シリーズですが、素材感は変わらないはず。
これがヘリンボーンで組まれます。
一般的にヘリンボーンは注文数の計算が難しい印象がありますが、図面を送って相談すると適切な注文量をアドバイスしてもらえるという親切設計なのでDIYも安心。
一方、toolboxの「スクールパーケット」はというと、
こんな具合に短冊状のオーク材で正方形が構成されています。
洗面に貼ったタイルの「ボックス貼り」と同じかたちで、市松貼りをしていきます。
裏のシートをカットすれば簡単に5つの木材に分かれるので、DIYに向きそうな印象。
両者とも床に直接貼れるので、フローリングのせいで床が上がって天井が低くなってしまうこともありません。
もし部屋にテーブルを置くなら、このどちらかを選んでいたことでしょう。
でも、桐箪笥をあきらめ作業テーブルもやめ、ローテーブルで床座りするとなれば、フローリングは硬くて冷たく、床材には向かないと感じました。
都心にくらべて寒さの厳しい山小屋ですし、もう少し手触りが柔らかくて暖かい素材を探すことにします。
【琉球畳 もしくは 畳フローリング】
まっさきに思い浮かんだのは畳です。
畳というと昭和家屋の定番でどうにも古臭い印象がありますが、最近は写真のような琉球畳を筆頭に、デザインのバリエーションも増えてきました。
面白いなと思ったのは、これまたtoolboxで見つけた「畳フローリング」。
これはサンプルなので伝わりにくいかと思いますが、実際の商品は横長の形状をしていてフローリングのようにカットして床に敷き詰めます。
手触りは畳ながら、まったく異なるモダンな印象を与えます。
カラーバリエーションも豊富なのでコーディネートも楽しめそう。
しかし、湿度の高い山小屋で畳というのはメンテナンス面での不安を感じます。
飲み物をこぼした跡も残りやすい印象がありますし、お客さん用のスペースにはちょっと不向きかと思い、断念しました。
同じ理由でカーペットも採用を見送りました。
カーペットは安価で種類も豊富なので、壁紙とうまく組み合わせればコーディネート的には面白くなりそうな予感があったのですが、掃除の手間がかかります。
ダニが発生しやすいことなどを考慮すると難しいと判断しました。
【サンゲツのショールームで「ココフロア」を見つける】
なかなか良い素材が見つからず、煮詰まってきました。
こんなときは気分転換も兼ねてショールームに出かけてみるのも良い方法。
向かったのは品川にあるサンゲツのショールームです。
以前、日刊Sumaiの連載でもご紹介したとおり、世田谷のマンションではサンゲツのフロアタイルに何度もお世話になってきました。
フロアタイルの良いところは「施工も容易」で「掃除もラク」、しかも「価格もリーズナブル」ということ。
とはいえ、今回の山小屋は本物の木材を多用しているので、床だけ木目調というのはどうにも気が進みません。
何かいいものはないかとサンプル棚をあさっていると、こんなものを見つけました。
「ココフロア」という商品です。
「ビニールと繊維が融合した新感覚床シート」という触れ込みだそうで、適度な凹凸が床座りにも良さそう。
近くから見てみると、プラスティックの繊維が織物のように編まれているのがわかります。
以前、日刊Sumaiの連載で紹介した「パペリナ(pappelina)」に似ています。
ビニール繊維を北欧の伝統的な製法で織り上げたのが「パペリナ」ですから、「ココフロア」もこれを模して作られたのではないかと思います。
「パペリナ」とはちがい、「ココフロア」はベーシックな色合いではありますが、カラーバリエーションも何種類かあります。
僕は目ぼしい3種を選んでサンプルをいただきました。
この中からどの色を選ぶべきか――次回は壁紙と床材のコーディネートを考えます。