(104) 「日産ニューモビリティコンセプト」を山小屋に置くとして心配な点いろいろ
前回「チョイモビヨコハマ」で「日産ニューモビリティコンセプト」をレンタルし、山手の高台にある「馬の博物館」までやってきた僕ら。
降車して後部座席に座っていた奥さんに話を聞いてみると、こんな感想が。
たしかに、後部座席、狭いよね。
かなり細身の奥さんでも、乗り込むのに苦労していたので、ぽっちゃり体型の方はそうとう苦しいはず。
この日はリュックを抱えていたので、かなり窮屈だったようです。
もし僕もリュックだったら運転席には置けないし、困ったことでしょう。
このクルマで大きな買い物はできませんね。
うむ、運転席とちがって、まわりをすっぽり囲まれてる感じの造りだものね。
でも、こういうクルマの用途はちょこっと乗りですから、ないものねだりはよしましょう。
山小屋の周辺でのドライブという目的に限れば許容範囲。
では、オープンな窓はどうでしょう?
試乗した日は、11月の秋晴れで最高気温は22℃。
寒いかなと心配してインナーにヒートテックを着たせいか、昼間はちょっと暑いくらいでした。
窓からの風も心地よいです。
この感じだと猛暑の運転は過酷かもしれないですね。
山小屋周辺は木々も多く、標高が高い分涼しいとはいえ、近年の夏の暑さの苛烈さを考えると、真夏の炎天下の運転はちょっと心配。
逆に冬の寒さはどうかというと、これも真冬はそうとうしんどいことが予想できます。
この点については、冬の山小屋はお休みなので心配なし。
ちなみに、トヨタが来年発売するという超小型モビリティは、通常のクルマと同様に密閉性を確保し、クーラーとシートヒーターを完備するとか。
都会で乗るならその選択もうなずけるけど、そうなるとけっこういいお値段になりそう。
窓については、妻からこんな指摘も。
なるほどね、後部座席には空気の逃げ道がないから、排気ガスがたまる感じになるんだな。
窓の外は他のクルマがデカい音を立てて走っているので、こんなに狭いクルマなのに走行中はまわりの騒音で前後の席で会話するのもけっこう大変。
ドライブにつきもののBGMなんて期待しちゃいけません。
山小屋の近くを走るなら、静かな環境なのでとくに問題ないでしょうけど。
燃費はどうかと言いますと。
上の画面はほぼ満充電の状態(94%)から一日横浜をあちこち遊びまわったあとのバッテリー状況。
だいたい70%を切るくらいの残量だと思われます。
近所を走り回るていどの利用なら十分すぎるほどのバッテリー容量です。
山小屋周辺での使用ならまったく問題ないでしょう。
仕様によれば、満充電で100キロほど走れるらしいですね。
乗り心地の点で特筆すべきなのは、なんといってもコンパクトさ。
「日産ニューモビリティコンセプト」の車幅はおよそ1.2メートル。
僕がふだん乗っているヴィッツより50センチも小さいことになります。
路駐のクルマを避けるとき、狭い道で歩行者に気をつけて徐行するとき、大きなクルマとすれ違うとき、限られたスペースでクルマを切り返したり駐車したりするときなどなど、運転の苦手な僕にとってはイヤなシチュエーションでもストレスはかなり軽減されます。
これなら、山道に不慣れな人が運転しても、接触事故を起こす可能性は低そうです。
心配な点は耐久性ですかね。
跳ね上げ式のドアはかなり軽い分、強度もそれなりだと思われ、横からクルマに突っ込まれたらひとたまりもないでしょう。
超小型ゆえ仕方ないかもしれませんが、お客さんに使ってもらうならもう少しボディが強そうなクルマがいい気はします。
とまあ、一日かけて横浜周辺を「日産ニューモビリティコンセプト」を乗り回してみた感想はこんなところです。
総合的に判断すると、山小屋に導入するには十分な機能を備えた超小型モビリティだと感じました。
もちろん、もっと高望みはできますが、山小屋周辺でのピンポイント利用に使用目的を絞る以上、ほとんど文句なしとさえ言えます。
問題は導入に伴う価格ですよね。
まだ実際に販売されていないので、なんとも言えないところがありますが、まずは乗り出し価格で「100万円を切ってほしい」というのが個人的な希望です。
すでにヨーロッパではルノーが「日産ニューモビリティコンセプト」を「トゥイージー(TWIZY)」として販売しているそうで、価格は約80万円からで別途バッテリーのリース代がかかるとか。
もし日本でも同じくらいの価格で発売してもらえるなら、具体的に検討するかな。
とにもかくにも、まずは法整備ですね。
いくら欲しがっても公道で走れなきゃどうにもならんわけですから。
来年、トヨタが「超小型EV」をリリースし、超小型モビリティ購入に伴う補助金がスタートすれば、事態も少しは変わるかもしれませんが、一年では劇的には変わらないでしょう。
山小屋に導入できるのは早くても2021年くらいになりそうです。
今後も超小型モビリティの動向に注目していきたいと思います。