(139)照明選び⑤~「PIT.」で、室内に灯りとデザインを追加する
前回、二階の照明レールに電球「NT130」を設置しました。
ふつうに滞在する分には不自由のない明るさを確保することができました。
今回はここに追加した「PIT.」という照明の話をしようと思います。
恥ずかしながら、これまで自室にフロアライトや間接照明などを置いて明るさを補うという発想は考えたことがありませんでした。
しかし、アートワークスタジオからいただいた提案書(詳しくは第134回をどうぞ)を見て、メインの照明に加えて「照明器具を足す」という発想は、実用面から考えても便利かもしれないと思うようになりました。
思えば、日本では天井に十分な光量のシーリングライトをつけ、それ単体で室内を隅々まで照らすという考え方が定着しています。
調光器付きのハイエンドなお宅を別にすれば「電気をつけるか、消す(or豆電球)か」の二択しかありません。
照明の明るさを少し落としてリラックスしたムードを作りたいときなどには不便です。
おそらく山小屋でも「読書や書き物をするためにもう少し灯りがほしい」とか「昼間にメインの照明をつけると明るすぎるから小さな灯りがほしい」とかいうニーズはあるはずです。
そこで、小さめの置き型照明を追加してみることにしました。
目を付けたのが「PIT.」です。
プロダクトデザイナーの小池和也氏が、ハイタイド(HIGHTIDE)というブランドのためにデザインした照明器具で、電球と専用のランプケーブルを「PIT.」と組み合わせて使うように設計されています。
小池氏のホームページやハイタイドのホームページをごらんいただければわかりますが、「PIT.」も専用のランプケーブルもカラーバリエーションがあり、どう組み合わせるかで印象が変わります。
僕が山小屋のために選んだのは「PIT. TypeB」。
価格:2,805円 |
オレンジは壁紙に描かれたチョウチンアンコウの色に合わせたチョイスです。
ランプケーブルはグレー。
では、セッティングしてみましょう。
ケーブルを「PIT.」本体に通すと、
ケーブルがスポッと本体に収まります。
電球はどんなタイプでも使えるのですが、おすすめは前回も紹介した電球「エジソンバルブ」のひとつ「TUBULAR」です。
EdisonBulb[エジソンバルブ]TUBULAR(SPIRAL) 40W 価格:660円 |
これがちょうど「PIT.」とフィットするサイズ感。
電球を装着しました。
ケーブルの中間部のスイッチをオンにすると、
点きました。
「エジソンバルブ」と相まって、まるで蝋燭のような優しい灯りです。
こんなふうに手で持つと、まるで燭台みたいですね。
後から知りましたが、デザインした小池氏によると「ランプシェードや燭台といった普遍的な明かりの器の主な要素だけを抜き取り、それぞれの器をデザインした」(ホームページより引用)とのこと。
納得です。
柱の上にちょこんとのせてもいいですし、
夜の窓辺に置いてみたり。
落ち着いた雰囲気を生み出すには最適です。
とても気に入ったので、世田谷の自室にも「TypeC」と「TypeD」を購入しました。
「TypeC」は「TypeB」よりもさらにコンパクトで、より燭台に近いデザイン。
価格:2,475円 |
ミントグリーンのコードを選んで、ちょっとポップな色合いにしてみました。
一方、「TypeD」はフックに引っかけるタイプのデザイン。
価格:2,145円 |
鏡のわきのフックに吊り下げ、補助照明として使用しています。
実用面よりも、「PIT.」でインテリアにデザインのアクセントを加えたいという気持ちのほうが強かった、というのが本音かな。
デザイナーの小池氏は「一つだけではなく幾つかインテリアに置きたくなるデザインを目指した」(ホームページより引用)と書いていますが、まんまと狙いにはまったかたちです。
この「PIT.」、とてもおすすめなのですが、2020年4月現在、かなり品薄になってしまっているようです。
とくに、「PIT.」本体と組み合わせて使う専用のランプケーブルがどこのショップでも品切れ状態。
「PIT.」本体も品薄状態なようで、ひょっとしたらこのまま絶版になってしまうのか……と不安な気持ちもあります。
再生産を熱望しますが、もしこのまま絶版になるなら、ひとまず本体だけでも購入し、別メーカーの照明ケーブルで代用する可能性も検討しようかと思っているくらいです。