(219)CaferiとVamo~業務用ガスコンロをどんな家庭用ガスコンロと交換したか
前回、家庭で業務用ガスコンロを使用するリスクについて書きました。
今回は、賃貸に導入した業務用ガスコンロを家庭用ガスコンロと交換した話です。
もともと設置してあった業務用ガスコンロは「ガスクッカー」でした(現在は製造中止)。
ひとつは既存のキッチン残してリノベーションした部屋に設置し、
もうひとつは業務用キッチンの導入に合わせて設置しました。
インテリアとしては申し分なかったのですが、前回ご説明したリスクを知った後だと入居者さんにこのまま使い続けてもらうわけにはいかず、個別に相談をして交換させていただくことになりました。
■パロマのガステーブル「Caferi(カフェリ)」
まず、既存のキッチンを残した部屋の入居者さんに話を聞きました。すると「業務用ガスコンロのデザインと機能は気に入っているけれど、魚焼きグリルがあるほうが便利かも」とのこと。
聞けば「(外見が)ステンレスのコンロでなくてもかまわない」そうなので、魚焼きグリル付きという条件を満たす家庭用ガスコンロを僕のほうで選ばせていただくことになりました。
この部屋のインテリアは白を基調とした部屋です。
床も白なら壁も天井も白。ならばガスコンロも白が良かろうということで、こちらをチョイスしました。
パロマ(Paloma)のガステーブル「Caferi(カフェリ)」です。
ホーロー素材を用いたホワイトカラーのガスコンロです。クリーム色っぽいホワイトではなくしっかりホワイトですが、よく見るとラメっぽい粒々が入った質感。
そこまで目立ちませんが、このへんは好き嫌いが分かれそう。
この部屋のキッチンは右側が壁になるので、左側が強火力のタイプをチョイスしました。
これなら伝導加熱のリスクをだいぶ抑えられるでしょう。
外箱を見ると、大きく「Siセンサー」搭載の文字が。
消し忘れや焦げ付き消火機能もあるそうです。
業務用ガスコンロとくらべて火力は落ちますが、安全性は格段にアップしました。
入居いただいてから5年ほどが経っておりガスコンロもだいぶ汚れていましたから、新しくなってけっこう喜んでもらえました。結果的に入居者さんへのサービスにもなったようで良かったです。
ちなみに、やはり既存のキッチンを残した別の部屋にもパロマ製のガスコンロを設置したことがあります。
キッチン本体は先ほどの部屋と同じタイプですが、この部屋はダークブラウンやブラックをアクセントに用いたインテリアなので、ガスコンロはブラックを選びました。
「PA-209B」という魚焼きグリルなしのシンプルなガスコンロで、現在は後継機種「PA-210B」が販売されているようです。
魚焼きグリルがないぶん、シンプルなデザインなのが魅力です。
壁が左側にあるので、右のバーナーが強火力のタイプを選びました。
ちなみにこの部屋は洗濯機置場との兼ね合いで、キッチンを少し右にずらしたので、結果的に壁からガスコンロが遠ざかった状態なので安心です。
■リンナイの「Vamo(バーモ)」
続いては、業務用キッチンを導入したお部屋の交換事例です。こちらの入居者さんはインテリア好きな方ということもあり、よくリノベーションの際に意見をいただいたりもしています。
話を聞くとガスクッカーのシンプルなガスコンロを気に入っているとのことでした。交換で失望させたくなかったので、こちらからは業務用キッチンにマッチするこちらを提案しました(画像をクリックするとリンナイ公式ストアPayPayモール店のページに飛びます)。
リンナイ(Rinnai)の「Vamo(バーモ)」です。
オフィシャルショップの販売ですが値段は割と変動します。安いときを狙うのが良いでしょう。僕が購入したときは300円引きのクーポンなども駆使して「39,080円」でした。
Vだから表記は「ヴァーモ」じゃないの?というツッコミはさておき、一般家庭で業務用ガスコンロを使用したいという人たちから諸手を挙げて歓迎されているガスコンロです。
シンプルなデザインはまさに業務用を彷彿とさせますが、デザインだけではなく火力も自慢。商品ページの説明によると「家庭用のガステーブルコンロにおいて、最高の火力となる「4000Kcal」のハイカロリーバーナーを搭載」しているんだとか。
左右のコンロがともに強火力というのも家庭用では珍しいです。幸い、今回設置するキッチンはコンロ台に余裕があり、すぐ横の壁からはしっかり距離を確保して設置できます。
背後の壁が若干心配ではありますが、バックガードもありますし窓辺なのでリスクは低いと判断しました。
ちなみに、「Vamo」のオフィシャルページでは「USER’S PHOTO」と称して、ユーザーがインスタにアップした「Vamo」の実例を紹介しているのですが、中には「あれ?壁から15センチ離れてなくない?」と心配になるような事例も散見されます。大丈夫なのかな?
なにはともあれ、この「Vamo」は入居者さんにも気に入っていただくことができ、晴れて導入が決まりました。
ところが、設置当日、ガス栓が本体にぶつかってうまく置けないことが発覚します。
交換前の「ガスクッカー」が奥行350ミリなのに対し、「Vamo」はガスコードの接続部分も含めると奥行は448ミリもあります。奥行狭めの業務用キッチンのコンロ台にはギリギリ載るくらいですから、ガス栓の形状と位置によってはうまく設置できないケースは多そうです。ご検討の方はご注意ください。
窮余の策として、これを使うことにしました。
洗濯機などの下において使う「かさ上げパッド」です。
丸型の土台を連結して高さを調整する仕組みです。
色も黒とグレーなのでインテリアを邪魔しないはず。
これで高さを調整し、なんとかガス栓とぶつからずに置けました。
コンロと台の間をのぞいてみるとけっこうギリギリの収まりでした。
設置にトラブルはあったものの、デザインは業務用とピッタリで入居者さんにも喜んでもらえました。
難点は「かさ上げパッド」を使ったせいで、コンロ自体の高さがだいぶ高くなってしまったこと。
五徳を含めると「Vamo」の高さは220ミリ。ここに約40ミリの「かさ上げパッド」が加わったのですから仕方ありません。
料理しづらくないか心配だったのですが、幸い入居者さんは背の高い方だったので大丈夫とのことでした。もし身長が低かったらうまく使えないかもしれないので、退去された後には何らかの調整作業が必要になりそうです。
ともあれ、二部屋の業務用ガスコンロが無事に交換できてホッとしました。僕が無知な間に事故が起きなかったのは幸運だったと思います。
こんなことを書きながら、僕はあいかわらず自室では業務用ガスコンロを使い続けています。それどころか、山小屋の新しいキッチンにも業務用ガスコンロを導入しました。リスクを承知の上で、それでも業務用を使いたいという僕のワガママです。
次回は山小屋に設置した業務用ガスコンロをどうやって選んだかご説明いたします。